初音ミクをソリストに組み込んだ「イーハトーヴ交響曲」は記憶に新しい。最新作「オホーツク幻想」が発売されたばかりだった。トミタ・サウンドが世界中を驚かせた第一作「月の光」がドビュッシーのピアノ曲をシンセサイザーで演奏した内容で、最後作がラヴェルとはフランス音楽を代表する色彩的な作曲家であることなど不思議な因縁を感じます。
モーツァルトの交響曲は何曲でしょうか? ー ケッヘルは最後の交響曲『ジュピター』を第41番としましたが、最小で37曲、多いのだと71曲の全集が有る。
CDの交響曲全曲集を手にして、どこから聞こうかなと曲目一覧に目を通した時に、まず不思議に思うことがあるだろう。後期6大交響曲となると36番からではなく、交響曲第35番《ハフナー》からとなっている。35、36《リンツ》、38、39、40、41《ジュピター》だ。37番はどこへ行った? どこにも37番がない。なぜだろうか。
モーツァルトをより深く楽しむための ー エッセイを読むような最新の解説 ー 全作品事典はユニークな存在。
本書はニール・ザスローがモーツァルトの全作品についての歴史的エッセイを選び集成したモーツァルト愛好者が最も興味をもつ情報を最新のかたちで読むことが出来る利用しやすい参考書です。ユニークなのは日本独特仕様。本書を地図がわりにモーツァルト音楽の楽しさと未知の財宝のトレジャーに役立ててくれればと、願いと共に本書を推薦します。