冒頭の有名なメロディーは「世界一美しい音で弾く!!」
「メンデルスゾーンのことは、どれくらい知っていますか?メンデルスゾーンを弾くときは、その人を想って心臓がトクトクします」
アモイヤルは良い演奏をするためには、楽譜を上手に読むだけではなくて作曲家のことを知らなければいけないと説く。
「あなたは繊細な感覚を持っていて、この曲の美しさを感じているけれど、この曲のどこが美しいのか?自分が演奏しているものは何なのか?ということをわかっていない。あなたの演奏は、音符の列にしか聴こえない」
ただそれは、作曲家の生い立ちを学習するということではなくてメンデルスゾーンについて調べて彼の理解を深める事で、恋愛感情を持つほどに好きになれというのです。
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品番 | 34-18078 |
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商品名 | FR ERATO STU70803 ピエール・アモイヤル メンデルスゾーン・Vn協奏曲 |
レコード番号 | STU70803 |
演奏者 | ピエール・アモイヤル |
作曲家 | フェリックス・メンデルスゾーン |
指揮者 | テオドール・グシュルバウアー |
オーケストラ | バンベルク交響楽団 |
録音種別 | STEREO |
ジャケット状態 | EX |
レコード状態 | EX |
製盤国 | FR(フランス)盤 |
カルテ(協奏曲) | BLUE&WHITE WITH BLACK LETTERING、STEREO (120g)、Release 1973 |
アモイヤルのマスタークラスで、そう教えられた少女は言われた意味はわかったかしらね。アイドルに恋したり、アニメのキャラクターを理想とする少年、少女は多いから疑似恋愛が音楽の表現、音楽にかぎらず芸術性の表現力を育むのでしょう。
最後のカデンツァ終わりに出て来るオクターブについて。
「これはたくさんの鐘の音です。教会の鐘の音。私たちは1時間ごとにあちらこちらから鳴る鐘の音を聴いています。日本の鐘はゴーン・・・と1回だけですね」
モーツァルトの育った環境では15分毎に教会の鐘の音が聞こえていたといいます。生活のリズムを作っていた、それは自然と体内のリズムとなってモーツァルトの音楽が15分、30分の曲が多い理由なのだとか。
今では除夜の鐘さえ聞き取れない日本の生活環境。幼いころはお昼にお寺の鐘が鳴るのが聞こえました。耳を澄ませば離れた場所のお寺の鐘も聞こえてきていました。ゴーンと一回なので、鐘の音に包まれるという体験は稀でしょうね。奈良や京都では今でも、まだ違うかしら。
門外不出だったヴァイオリン練習法
さて、アモイヤルはハイフェッツの弟子。彼が、その美しいヴァイオリンの音色のためにいかなる日常の練習をしているかがわかったところで彼が師に教えを仰いだ時に、その天才ハイフェッツが後進を育てる際に全員に課したというのがハイフェッツの音階練習。
- 基本は普通の重音の音階練習
- ポジションをチェンジするときに基音をグリッサンドする
- 1オクターブを往復したら調を変える
- 全調終えたら度数を変えていく
五嶋みどりさんも、朝起きたら2時間は音階の練習を繰り返すという話でした。それは一日で最も大切な日課で、欠かしたことがないと。その日の体調や楽器の調子がわかるんでしょうね。
アモイヤルの練習法は、①ヴィブラートなしのスケールを45分。②ヴィブラートを一切かけずにバッハ・3度の練習・自分の課題曲など2時間練習。③ようやくヴィブラートありで曲を練習。という順で練習することをたいせつだとしています。
その努力あって、ブレのない美しい演奏が聞き馴染んだ名曲を新鮮な楽しみに変えているのでしょう。
後回しになりましたが、名手アモワイヤルの美しい演奏を名曲で堪能できるレコードです。メンデルスゾーンの流れるようなメロディが、キリッとした歌い口で再現されます。伴奏もとても素晴らしく充実していて、ソロとのバランスと言い理想的な演奏だといえるでしょう。