現代作品を取り上げるのに勇気のいる状況だった時代にプロコフフィエフやシェーンベルク、ヒンデミットなどの作品のソ連初演を行ったヴェデルニコフの演奏は躍動的で耳を奪う。ペダルさばきの俊敏さに長けた秀逸さで、今、ペトルーシュカやプロコフィエフ、バルトークのソナタを学ぼうと思うピアノの学習者には良い手本となるはずだ。
『極端なニュアンスや本格的なフォルティッシモやピアニッシモは極力これを避けねばならない』と具体的に解ってはいるけれども自分に出来ないジレンマ
濃厚な官能性と、高い精神性と、その両方が一つに溶け合った魅力でもって、聴き手を強烈な陶酔にまきこんだフルトヴェングラーの音楽は類稀な観念と情念が生き返ってくるのがきこえるもので作曲家たちが楽譜に封じ込めた思いまではレコードでは伝えきれないものだと思います。カラヤンとフルトヴェングラーの音楽は、そこで有り様が分かれ道なのです。