街がクリスマス音楽でいっぱいになる季節。クリスマスを迎えると新年が終わるまでは、クラシック音楽の世界もクリスマスを題材にした楽曲やノエルで溢れます。いや、この期間はキリストの受難曲を聴くことは禁じられていますので、マタイ受難曲はクリスマス・イヴが来る前に楽しんでおいて下さい。例年のバロックの森だと、クリスマスの前後からクリスマス・オラトリオをプログラムに取り入れてきていましたが今年は随分早いスタートです。「ドイツのクリスマス音楽」と題されていますから、次週以降に南アメリカのバロック音楽も聴けると嬉しいですね。
一般的には意外に思われるかも知れませんが、南米はスペインが占領していた時代があるように随分と面白いバロック音楽があります。目立たないもののCDも毎月それなりに興味深いリリースがありますので、機会をつくって聴いてみてはいかがでしょうか。
バロックの森 2010年12月6日、月曜日。午前6時、NHK-FMで放送。ご案内は、礒山雅さん。
– ドイツのクリスマス音楽 -(1)
「“シオンのムーサ 第5巻”から」ミヒャエル・プレトリウス作曲
・天からくだって(3声) (0分39秒) ※ http://ml.naxos.jp/track/480572
(テノール)ヤーコプ・ウィンター
・天からくだって(4声) (2分06秒) ※ http://ml.naxos.jp/track/480573
・天からくだって(5声) (2分36秒) ※ http://ml.naxos.jp/track/480574
(演奏)ハイデルベルク・イザーク・アンサンブル
フランクフルト・ルネサンス・アンサンブル
(指揮)ローランド・ウィルソン
<Christophorus CHR 77142> ※ アルバム「 Wie Schoen Leuchtet Der Morgen 」収録 現在生産中止状態。CD全曲を聴き込んでるとは言えないので、紹介だけにとどめます。その為、評価は無し。
「クリスマス・コラール“天からくだって”によるカノン風変奏曲 BWV769」バッハ作曲
(15分18秒)
(オルガン)グスタフ・レオンハルト
<Sony Classical SRCR 2120~1> ※ アルバム「 バッハ:オルガン作品集 」収録。放送ではソニー発売のSEONレーベル盤が紹介されていますが、同曲はBMGビクターからも発売されています。レオンハルトと言えば、チェンバロを初めて古楽器奏法で録音した演奏家。1960年代のフランス映画でもモダン・チェンバロは印象的な音色を聴かせてくれました。このモダン・チェンバロはランドフスカの演奏でも聴く事が出来て、SP、LP時代のスカルラッティの録音は良いものです。バロック時代の演奏会とは現在は会場の大きさが違いますから、ピアノ並みの響きを求めていました。それを一端曲が書かれた時代の響きで聴いてみようじゃないかとレオンハルトやアーノンクールが始めたのが、古楽器復興です。レオンハルトの録音は古いですが、オルガンで演奏したバッハは鮮烈です。BGMビクター盤と同じ録音ながら、SEON盤は独特の雰囲気があります。評価は★★★
「クリスマス・オラトリオ BWV248から 第1部」バッハ作曲
(26分31秒)
(ソプラノ)クリスティーネ・シェーファー
(アルト)ベルナルダ・フィンク
(テノール)ウェルナー・ギューラ
(バス)ジェラルド・フィンリー
(合唱)アルノルト・シェーンベルク合唱団
(管弦楽)ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
(指揮)ニコラウス・アーノンクール
<Harmonia mundi(独) BVCD-34041-42> ※ アルバム「 バッハ:クリスマス・オラトリオ(全曲) 」収録。2枚組の全曲盤で、6曲のクリスマス・カンタータでシリーズ化されている連作です。クリスマスの日から新年にかけての一週間にかけて1日1曲聞くことが理想です。年末年始の忙しい中でもこのカンタータを各1曲は聴くように心がけています。2007年の暮れ、日本では2008年の新年初売りで購入したCDで、以来愛聴している演奏です。SACDで音質優秀、お薦めです。★★★★★