ヴィジュアルでは見劣りするだろうけどサウンドは逃しちゃいけないぞ バレンボイムのニューイヤーコンサート

歳送りのシンプルな歌合戦として、視聴者全世代が楽しめる歌手が集っていたかつての紅白歌合戦。早い時間帯に若者のための歌手が彩っていたスタイルと、今年の紅白は歌の力で未来を応援するようなNHKのメッセージ性の強い特別番組の感触があった。ふるさと—それは現実の故郷であり、心のふるさとに軸足を置いた『歌がここにある」とされたテーマ通りにかなっていた。

1500764_10152021352605857_323466498_o
(さらに…)

フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルによる《グレート》を本会で初めての蓄音器を通して聴いてみましょう

furtwangler1952-berlin_b

SP 盤で楽しむ名演、名盤

今年、最後の SP コンサートとなりました。
此の冬は寒さも例年になく厳しいような予報です。皆様方くれぐれも健康に留意されて、一人でも多く蓄音器特有の音を親しんでもらいたいと思っています。

さて 22 日の『第9回 蓄音器を楽しむ会 五福公民館無料コンサート』で聴いて貰うのはシューベルトの交響曲第9番ハ長調「ザ・グレート」。これは、「この曲の最高」の演奏と言い切っていいだろう。アカデミックな聴き方をしようとしても圧倒され「フルトヴェングラー最高の演奏」と納得させられる。
LP レコードで絶大な評価を得ている録音ですが SP レコードで聴くことは、まず無いだろうと思っていました。録音は1951年11月。ベルリン、イエス・キリスト教会でのセッション録音。テープ収録をSP盤の各面に合わせてマスタリングを作られたものだろうと思われる。音質は良質なのだから、LPで聴く音色と違うところが感じられるのは少ないだろうとは思います。それでも、とても興味深いことです。
(さらに…)

SXL2016

秘蔵盤 クナッパーツブッシュの「ウィーンの休日」

気宇壮大の遊びとユーモアが大きく深呼吸しているのが、クナッパーツブッシュの「ウィーンの休日」。かの名ソプラノ、エリザベート・シュワルツコップが「無人島に持っていく一枚」と評した言葉だけが常套句のように使いまわされて各処で評価の話題に登りますが、これは20世紀のシュトラウス演奏の規範とは評価出来ないアルバムです。
《ウィーンの森の物語》は人間を暖かく迎えたり、時として人間に厳しさを思い知らせる森の風景。それはジークフリートがどこかでドラゴンの鼻ちょうちんを蹴たぐったようです。地味で素っ気無い無愛想とさえいえるヨハン・シュトラウスですが、辛口ではなく表現力は意味深く。スタイルを超越した灰汁の強い崩しは病み付きになるのだろう。

音のたゆたうところが楽しいと書いて、音楽。

SXL2016la

UK DECCA SXL 2016 – Hans KNAPPERSBUSCH, The Vienna Philharmonic Orchestra – Vienna Holiday

師走はワーグナーの楽劇、ベートーヴェンの第九で締めくくり。新年は早朝からゆっくり時間が取れればバッハのカンタータ『太鼓よ轟け、ラッパよ響け』だけを聴く。夜は毎年欠かしていないのがウィーン・フィルのニューイヤーコンサートです。
最後のアンコールで演奏されるヨハン・シュトラウス父作曲の「ラデツキー行進曲」が終わると、元旦が終わったと実感します。何年か前に緊急事態で演奏されないことがあった時、新年の始まりを感じられなくて“あぁ、自分にとってはけじめになる音楽なんだな”と認識した次第。日々の中でも、もうちょっとだ頑張れと自分自身を後押しするようなときには口三味線でメロディーをナゾッていることがあります。
ほろ酔い気分の息子たちのワルツと違って、父ヨハン・シュトラウスの人柄を感じられるような音楽。息子に音楽家になるな、と厳しかったのが目に見えるようです。
(さらに…)

WordPress 3.8 Parker へグレードアップ

米国で12月14日、土曜日にリリースされた最新版の WordPress。昨夜、12月16日午後11時に日本語版でもリリースされた。
ジャズ・ジャイアンツ、チャーリー・パーカーの名前を関したこのバージョンは、ダッシュボードの使い勝手さえ刷新させた革新的なバージョンでジャズの革新者の名前が付いているのが相応しい。

開発時に今度のバージョンは、パーカーと名付けると聴いた時は今までその名前が登場していなかったことに意外な驚きさえ感じてました。でも、いざグレードアップしてみて納得。誰もが得心することでしょう。 (さらに…)

フルート・アンサンブルの名曲《葦笛の踊り》〜甘いアーモンドの精が吹くおもちゃの笛

遠藤真理さんの急なお休みで、ゲストにフルーティストの小池郁江さんを迎えてのフルートが魅力的な名曲や初めて聞く美しい曲の数々にうっとり。フルートの曲から出題されるかしら。そう思いながら聞いていたのに油断して出題に集中をするのを損ねるところでした。そのきらクラDON。答えはチャイコフスキー作曲、バレエ組曲《くるみ割り人形》から《葦笛の踊り》の冒頭でしょう。

葦笛の踊り前回の答え、バッハの無伴奏チェロ組曲でプレリュードとメヌエットが全く同じ音符で始まるニアピン賞が多かったので気をつけて聞くと《葦笛の踊り》も同組曲中の《中国の踊り》、《金平糖の踊り》と前奏部分だけで比べたら良く似ていますね。

複数のフルートが旋律を追いかけ合って綾成して行く《葦笛の踊り》は、フルーティストたちを魅惑する短くて繰り返し、繰り返し聴いても飽きない愛らしい名曲ですね。

(さらに…)

古楽の楽しみ – 音楽はイギリスから海を渡ってドイツにやって来た

バッハも手本にした音楽。
ファッシュの作品は残されているものが少ないですが、バロック音楽という区別がなかった頃からレコード録音されるほど親しまれていました。主にクリスマスの時期には親しまれています。その音楽スタイルはバロック時代の曲であることを意識させない、モーツァルトよりも新しさを感じられるものです。
RIC282

不覚にもイギリスは音楽後進国となったわけですが、ダウランドを生み出した事実は英国の誇りとして揺らぎません。スペイン人の手でフランスへ、ドイツへとブームは広がりファッシュの音楽に影響を受けたバッハが誕生するのです。

[restabs text=”More”]
[restab title=”ダウランド” active=”active”]
ダウランド作曲
「目ざめよ、恋人よ」 (2分36秒)
(合唱、器楽)ヒリヤード・アンサンブル
(指揮)ポール・ヒリアー
<東芝EMI TOCE-5960>

[/restab]
[restab title=”ファーナビー”]
ファーナビー作曲
「スパニョレッタ」 (2分02秒)

「ファンタジア」 (5分10秒)
(ハープシコード)ピエール・アンタイ
<ACCORD 242212>
[/restab]
[restab title=”F.クープラン”]
フランソア・クープラン作曲
「組曲“諸国の人々”から スペイン人」 (32分06秒)
(演奏)エスペリオン20
(ヴィオール、指揮)ジョルディ・サヴァール
<ASTREE ES 9956>
[/restab]
[restab title=”ファッシュ”]
ファッシュ作曲
「協奏曲 ニ長調」 (6分40秒)
(トランペット)アラン・デ・ルデル
(演奏)イル・ガルデルリーノ
<ACCENT ACC 24252>
[/restab][/restabs]

古楽の楽しみ – コレギウム・ムジクムの創設 現代西欧音楽のスタート地点

バッハが市政にまで口を挟むような人でなく、バッハを監督していた上司が酒飲みでぐうたらでなかったらバロック音楽は遠くむかしに忘れ去られていたでしょう。
バッハが素晴らしい存在で、音楽も一点の濁りもなかったから今、音楽の手本となっていて影響を受けた作曲家の研究に及ぶことになったわけです。

西洋クラシックは、元来教会と宮中の限定された所有物でしたからドイツとフランスでそれぞれ発展をしていきます。フランソワ・クープランはフランス、ベルサイユの花型であり、テレマンはドイツに君臨しました。バッハ、ヘンデルといったクラシック音楽の中心に居た存在です。
RIC282

そうした二人の研究が進む中でヴェックマンが浮かび上がってきます。彼はオルガンの音楽と合唱曲を多く残したぐらいですが音楽団体「コレギウム・ムジクム」を創設、バロック音楽初期の礎の存在です。

[restabs text=”More”]
[restab title=”ウェックマンのソナタ” active=”active”]
「4声のソナタ 第9番」
ウェックマン作曲
(6分08秒)
(演奏)ラ・フェニーチェ

「純白の公妃」
ウェックマン作曲
(1分59秒)
(ソプラノ)グレタ・ド・レイヘール
(演奏)リチェルカーレ・コンソート
<RICERCAR RIC 282>

[/restab]
[restab title=”クープランの組曲”]
「ヴィオール組曲 第1番 ホ短調」
フランソア・クープラン作曲
(24分39秒)
(ヴィオール)ミッコ・ペルコラ
(クラヴサン)アーポ・ハッキネン
<NAXOS 8.570944>
[/restab]
[restab title=”テレマンの組曲”]
「ドン・キホーテ組曲」
テレマン作曲
(16分24秒)
(演奏)エウローパ・ガランテ
(バイオリン、指揮)ファビオ・ビオンディ
<agogique AGO005>
[/restab][/restabs]