わたしの故郷の鳥は“ピース”と鳴くのです − 10月21日は国際反戦デー ◉カザルスの《ホワイトハウス・コンサート》

カザルスがチェロの神様と言われるのは彼以降のチェロの演奏法を変えてしまったことです。そのこと以上に平和と人間愛を音楽で訴え続けた彼が彼を語る時に言って欲しいことが、あらゆる暴力に抗議したい思いだろう。私の故郷の鳥はピース、ピースと鳴きます。痛烈な批難をユーモラスに表現している。それがかえってホンワリと心に届いてしっかりと根付くのだ。

ホワイトエンジェル★マリア・カラスのステレオ録音◉プレートル指揮パリ管 プッチーニ:歌劇《トスカ》全曲 – HMV SAN 149-150

テバルディもいいけど、トスカはカラスがとどめを刺す。プッチーニを聽くのか、トスカのドキュメンタリーを見るのか。音楽を見るというのもおかしなものだけど、オペラはドラマだと、言い切れるなら作曲家の音楽よりもこのカラスの歌唱ほど、トスカになりきっている録音はないでしょう。これが映像化されていれば、数あるオペラ映画は霞んでしまっているはずです。ステレオで録音されたカラスの数少ないレコーディング中で、これ以上に望めない。

アナログレコード通販★ボベスコ、ハイデルベルク室内管 ヴィヴァルディ : 四季 銀文字ブルーラベル

女が蛹から蝶に育つ時間を共有できる幸せ 情熱の薔薇の君、ボベスコの柔らかく美しい魅力をタップリと堪能
ヴァイオリンの妖精が優しい音色で奏でる『四季』は愛の語らいに良い小道具。夜明けのコーヒー二人で飲もうと、あの人が言った・・・・カバーで笑顔のボベスコは変わらない。レコードが奏でる音楽も変わらない。この『四季』は香りならラベンダーかミント、シュガーたっぷりのハーブティ、真っ白な世界がカラフルになる奇跡の時間が流れる。1967年録音、ドイツ盤。銀文字ブルー・ラベル

Cause & Effect [Analog]

ボーカロイドで音楽をクリエイトできる現代。YouTube からスターが誕生する時代だ。カリアは子供の頃からトランペットという楽器に魅了されていた。マッサは、電子音楽と生身の楽器のコラボレーションを夢見ていた。カリアのエレクトロニクスはマッサのトランペットを再生し、組成物に即興の味わいをコラボレーションした。その自然の複雑さに聴いていて堪らなくなる。

SXL2016

秘蔵盤 クナッパーツブッシュの「ウィーンの休日」

通販レコード。180グラム重量盤。20世紀のシュトラウス演奏の規範とは評価出来ないアルバム。曲想の変化に伴ってテンポは弛緩し、予期せぬアクセント、隠されている対旋律が浮かび勃ち聴き手の心をくすぐります。スタイルを超越した灰汁の強い崩しは病み付きになるのだろう。わがままが傑出した時代を超えた怪演として聴き継がれるだろう。

Music by Franz Waxman

ワックスマンの音楽は音楽の内容と映画上の物語を繋ぐことに焦点を置いている。アメリカのスタイルに馴染もうと一生懸命なイメージが、映画『裏窓』に登場するピアニストに重なるのはわたしだけでしょうか。レベッカの音楽でも感じられることですがワックスマンの音楽は、共通する思いはあってもバーナードハーマンとは対照的です。

【34-707】英 DECCA LXT6358 バックハウス ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9,11,20番

通販レコード。オレンジ色銀文字ラベル。150グラム重量盤で再生音は安定しています。バックハウスの美しいピアノの音色が力強く、聴きやすい。ベートーヴェン演奏の規範と評価されるアルバム。それは決して「教科書的」であると言うのではありません。

WGSO8176

【34-12352】米 WESTMINSTER GOLD WGSO8176 スワロフスキー指揮 、大交響楽団 ワーグナー:ワルキューレ

通販レコード。カーキ色黒文字ラベル。ボックス美品。ワーグナー録音史上に名高いスワロフスキーの『指環』ワーグナーファンにはおなじみ。カラヤンとの競演をしたクニプロヴァーのブリュンヒルデが一番聴かせる。室内楽のウェストミンスター。声楽、オペラはユニーク。斬新な演出の起爆剤にもなっているだろうほどに、センセーショナルだった。

音の探究者たちへ。《新》長岡鉄男の外盤A級セレクション

A級の音はA級のソースから!オーディオ・マニア必読の画期的レコードガイド。説明無用のガイド本が、新装されて登場。中古本でも必死に探していたオーディオ・ファイルは少なくない。今、それが叶ったのもA級の名録音盤がSACD、アナログ共に購入しやすい嬉しい状況になったこともある。中古盤やオークションを渡り歩く時間を少なく出来て音楽を聞く時間がもてる。こうしたガイド本が登場することで、オーディオ・ファイルが求めている音盤はもっと登場してくることになるだろう。

7月20日、海の日。海の名曲。男と女の『生きねば』という強い意志。

ドビュッシーの《海》はどこの海なのか、レコードを発売される度にあれこれイメージしていました。海の音楽の最高傑作をドビュッシーが作曲した時、彼は女性スキャンダルの渦の中の小舟でした。《南極交響曲》と同様に、海の一日をのどかに描いたのでなく、海が強い意志を持って生きていることを表した凄みのある音楽です。