王が宴におられる間の音楽
エティエンヌ・ムリニエ( Estienne Moulinié )は、フランスのバロック初期に活躍した「エール・ド・クール」や「エール・ア・ボワール」を得意とした作曲家。
ルイ13世のただ一人の弟であったガストン(オルレアン公)(1608-60)の宮廷楽長として1627から1660年の30年余の長きにわたって、宗教音楽と世俗音楽(独唱とリュートもしくは重唱と通奏低音のための作品)のほかにバレエなどの舞曲も作曲している。そして大公ガストンの令嬢ド・モンパンジエの音楽教師でした。そして1660年にオルレアン大公ガストンが崩御するまで仕えました。
世俗の作品は比較的よく知られていますが、今回プログラムされている宗教作品は、ほぼ顧みられることなく埋もれていました。しかし、どれも非常に個性豊かで美しいものばかり。
2月9日 月曜日からの4日間は、フランス国王ルイ13世の弟、ガストン・ドルレアンに仕えた音楽家たちの作品をご紹介します。
- エティエンヌ・ムリニエ作曲
- 「“死者のためのミサ曲”から イントロイトゥス/キリエ/グラドゥアーレ」 (8分53秒)
(合唱)アンサンブル・ボーカル・サジタリウス, (合奏)ラ・フェニーチェ, (指揮)ミシェル・ラプレニ
<ERATO WPCC-4266>
ムリニエといえばエール・ド・クールの初期の大家。しかし、このところ彼の宗教音楽が続けて紹介されていて、これがデュモン、シャルパンティエに至るフランス教会音楽の系譜を理解させてくれる絶好の機会となっている。器楽合奏曲の2曲も聴ける。
- エティエンヌ・ムリニエ作曲
- 「宗教声楽曲集“メランジュ”から “主に向かい、歌おう”」 (3分05秒)
- 「宗教声楽曲集“メランジュ”から “おお、慈悲深いイエス”」 (1分50秒)
(合唱と合奏)アンサンブル・コレスポンダンス, (指揮)セバスティアン・ドセ
<HARMONIA MUNDI HMC902194>
17世紀中期のフランスの音楽の発展にも重要な役割を果たしたムリニエの力作を、精緻にしてやわらかな美しい歌声と、心ふるわすような通奏低音の音色のアンサンブル・コレスポンダンスが見事によみがえらせました。
- エティエンヌ・ムリニエ作曲
- 「宗教声楽曲集“メランジュ” モーセ賛歌から 抜粋」 (9分20秒)
(合唱と合奏)レザール・フロリサン, (指揮)ウィリアム・クリスティ
<HARMONIA MUNDI(仏) HMA 1901055>
- エティエンヌ・ムリニエ作曲
- 「宗教声楽曲集“メランジュ”から “来たれ、わが花嫁”」 (4分55秒)
- 「宗教声楽曲集“メランジュ”から “わたしは野の花”」 (2分28秒)
(合唱)ベルサイユ・バロック音楽センター合唱団, (合唱)ベルサイユ・バロック音楽センター少年少女合唱団, (合奏)ベルサイユ・バロック音楽センター管弦楽団, (指揮)オリヴィエ・シュネーベリ
<ALPHA 097>
- エティエンヌ・ムリニエ作曲
- 「宗教声楽曲集“メランジュ”から “聖母マリアへの連とう”」(10分53秒)
- 「モテット“花が地上に現れた”」 (2分50秒)
(合唱と合奏)アンサンブル・コレスポンダンス, (指揮)セバスティアン・ドセ
<HARMONIA MUNDI HMC902194>
17世紀中期のフランスの音楽の発展にも重要な役割を果たしたムリニエの力作を、精緻にしてやわらかな美しい歌声と、心ふるわすような通奏低音の音色のアンサンブル・コレスポンダンスが見事によみがえらせました。