ドビュッシーの《海》はどこの海なのか、レコードを発売される度にあれこれイメージしていました。海の音楽の最高傑作をドビュッシーが作曲した時、彼は女性スキャンダルの渦の中の小舟でした。《南極交響曲》と同様に、海の一日をのどかに描いたのでなく、海が強い意志を持って生きていることを表した凄みのある音楽です。
チェロを演奏する楽しみを決定づけた、カザルスの大発見。
人類の大いなる遺産といえる名盤。
太陽にも大地にもたとえられるのは、平和だなぁと感じさせる。音楽は古いけど、それが斬新にも感じられるのだから面白い。楽器とマイクがかなり迫った録音だったろうと感じさせる、野太い音です。小鳥がピースピースと鳴いています。といった国連会議場や、ホワイトハウスを聞いて認識しているカザルスの音と比べたら随分生気に満ちています。
英 DECCA SXL-6405 ブリテン・コンダクツ・イングリッシュ・ミュージック
1969年録音。ジャケットの写真は、この録音がなされたワイナリーのものでしょう。(後に火事で焼失)ブリテンのシンフォニーは2楽章、3楽章が美しくイギリス的な悲哀に満ちてイギリス音楽が好きな方には堪らないでしょう。録音は、この当時の英DECCAらしい厚みの有る芯のしっかりした優秀録音。「ロジャー=ド=カヴァリー」を初めて聴く方は少しビックリされるでしょう。まさか、あのメロディーが聴こえるとは!
Maria Callas – Puccini : TOSCA HIGHLIGHTS – EMI ASD-2300
テバルディもいいけど、トスカはカラスがとどめを刺す。プッチーニを聽くのか、トスカのドキュメンタリーを見るのか。音楽を見るというのもおかしなものだけど、オペラはドラマだと、言い切れるなら作曲家の音楽よりもこのカラスの歌唱ほど、トスカになりきっている録音はないでしょう。これが映像化されていれば、数あるオペラ映画は霞んでしまっているはずです。ステレオで録音されたカラスの数少ないレコーディング中で、これ以上に望めない。
独 EMI ELECTROLA C065-02445Q/カラヤン指揮ベルリン・フィル/R.シュトラウス:家庭交響曲
Richard Strauss – Sinfonia Domestica , Karajan / L’Orchestre Philharmonique De Berlin レーベル:独 EMI E…
独DEUTSCHE GRAMMOPHON 2530 730☆ブルーリングラベル☆ミルシテイン(Vn)、J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ No.2、No.3
嫌みの無い聴後の心地よさは、歪み感の無い優れた録音の賜物だろうか。J.S.バッハの《シャコンヌ》として一際馴染み深い名曲がある《パルティータ2番》だけを全集から分売したオリジナル盤。流麗で楷書体では無い演奏だけれども、レ…
SQ 録音盤★米 CONNOISSEUR SOCIETY CSQ-2050 ヴィウコミルスカ、フランク:ヴァイオリン・ソナタ、シマノフスキー:神話 1st ラベル
艶、音色を損なわないで40年、50年の間良い状態であるレコードも稀少な事ですが、SQ録音盤で艶も音色も満足できるのは優秀録音で慣らしたレーベルでこそ可能な事だと思います。 ステレオ録音でも左右のスピーカーの間に音が並んだ…
超人気盤【通販レコード】独DEUTSCHE GRAMMOPHON 2530 516 カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィル ベートーヴェン:交響曲No.5《運命》 ブルーリング・ラベル
流麗で艶やかなウィーン・フィルが、きびきびと演奏している。弦楽奏者がしゃかりきになって弓で弦をこする、松ヤニの飛沫の匂い。名門が手玉に取られている。音楽の流れにあわせ自由に変化していくいきいきとした躍動感は、まさにクライバーならではのことである。彼の指揮の魅力すべてが横溢する演奏。録音は超一流、アナログ録音の究極美。
《TAS推薦》独ARCHIV SAPM 198 166★コレギウム・テレプシコーレ プレトリウス、シャイン等の舞曲
TAS推薦の優秀録音盤で音の立ち上がり、立ち下がり共に優秀。仏ハルモニア・ムンディ、英オワゾリールの録音が好きな方にはお薦めです。ルネサンスからバロック前期の音楽は馴染みが少ない。そんな中でも有名な曲集で古楽専門レーベルでは欠かせない大切な舞曲の数々。その後の音楽の舞曲のオリジナルを理解するにも必須の歴史的にも名盤。
英 Decca SXL-2266☆ピエリーノ・ガンバ指揮ロンドン交響楽団 ロッシーニ:序曲集
若馬のように靭やか溌剌。ロッシーニ・クレシェンドを楽しむには絶好盤です。
多用されるシンバルの炸裂が特徴として耳に残る。そこが受け入れられれば胸のすく快適さ。テンポやリズムにメリハリがなく、楽想の変化ごとに音を伸ばすのを個性的芸風と受け止めるかどうか、現代のロッシーニ演奏とは異種です。1960年代のロッシーニの解釈は、こういうものだったのだよと教えてくれます。
超優秀録音とはいえ、そこは1960年代の Decca サウンドです。
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