瀉血治療を受けたことが死期を早めてしまったことが多かった、18世紀のヨーロッパ。モーツァルトも高熱を押して《レクイエム》作曲を薦めた時に、悪い血を抜くという処方でなくなりました・・・と、言うのが現代の死因です。推測ではなくて研究者の間では前提となっていることですけれども、一般的にはまだまだサリエリの暗殺説の方が面白いようです。
バロックの森 -ルイ15世時代の音楽-(1)
NHK-FM 2010年11月22日、月曜日午前6時放送
番組解説:関根敏子
– ルイ15世時代の音楽 -(1)
この瀉血治療は天然痘に効くとされて、王族の病気の治療でもしっかりと行われています。しかし、この天然痘で父親が亡くなり、その看病をしていた母親が体調を崩してまもなく死去。この母親を見舞っていた兄弟も感染して亡くなったことから、王位継承が廻ってくる事となってしまったのがルイ15世。わずか5歳の国王の誕生です。もちろん本人に決断が出来るわけありませんから、オルレアン候によって摂政政治が行われました。しかし、このオルレアン候が国を代理として動かす事については前王、ルイ14世は亡くなる直前まで良い感情を持っていなかったようで、ルイ15世が13歳となって成人と認められると役を解かれます。そして、ブルボン公、フルーリー枢密卿がサポートとして就くのですが安定した政治基盤とはいかなかったようです。
王族、貴族の時代の黄昏だったのでしょうか、前王ルイ14世が亡くなる前年にはルイ15世の叔父になる、ベリー公シャルルは狩猟中の事故で亡くなるという悲劇が国王一族に起こっています。それでも、59年間の王としての存続は72年間太陽王としてブルボン王朝の絶頂期を収めたルイ14世に劣る事はない治世です。
さて、前王の時代から宮中の音楽を華やかに飾った作曲家は幼いルイ15世にも変わらぬ楽しみを聴かせていました。バロックの森、2010年11月22日、月曜日はその時代の選曲のようです。
「モテット“主に感謝をささげる”から 抜粋」 ドラランド作曲
(9分20秒)
- (テノール)アンガス・スミス
- (バス)スティーヴン・ヴァーコー
- (合唱)オックスフォード・ニューカレッジ合唱団
- (演奏)キングズ・コンソート
- (指揮)エドワード・ヒギンボトム
<ワーナー WPCC-3210>※1990年3月25日発売 現在廃盤。入手困難。
「“ミゼレレ”から 抜粋」 カンプラ作曲
(14分54秒)
- (バス)ピーター・ハーヴィー
- (独唱、合唱)レ・パージュ・ドゥ・ラ・シャペル
- (演奏)王室大きゅう舎・王宮付楽団
- (指揮)ジャン・クロード・マルゴアール
<Fnac music 592223>※海外盤 購入→ Campra: Requiem – Miserere / Malgoire, et al
「モテット“天の女王”」 マダン作曲
(2分38秒)
「モテット“慈しみとまことを御心にとどめられた”」マダン作曲
(4分05秒)
「モテット“主よ、御身を愛し奉る」 マダン作曲
(2分53秒)
- (独唱、合唱、演奏)ル・コンセール・ロラン
- (オルガン、指揮)アンヌ・カトリーヌ・ビュシェ
<K617 K617184>※海外盤 試聴とダウンロード→ Madin: Les Petits Motets
「モテット“主に向かって歌え”から 抜粋」 ドラランド作曲
(8分08秒)
- (ソプラノ)ヘレン・グローヴズ
- マーガレット・ラングフォード
- (カウンターテナー)ポール・アグニュー
- (バリトン)レオン・ストーレイ
- (合唱)エクス・カテドラ室内合唱団
- (演奏)エクス・カテドラ・バロックオーケストラ
- (指揮)ジェフリー・スキッドモア
<ASV CD GAU 141>※1995年1月16日ヨーロッパリリース 海外盤。
参照 http://www.yasunoriimamura.com/IMAMURA%20YASUNORI/PAGE%20JAP%20IY/3-YI-disc-jap.htm
http://www.cd-baroque.com/index.php/cdbaroque/accueil/disques_k617/catalogue/…
http://www.newolde.com/delalande.htm