このバックハウスを土台からしっかり支えているのが、壮年期で充実しかけたイッセルシュテット。テンポも速く、劇的な演出はどこにもないが、曲が進むに連れて熱気を帯びてくる。イッセルシュテットの解釈であろうが、ウィーン・フィルの奏者達のバックハウスへの献身こそが活気を呼び起こしているのかも。
オーケストラは、アコースティックな響きを伴って迫ってくる。音圧が高く、音に密度と力がある。高域の空間と伸びは適度。低域は空間が広く、密度のある音。チェロをはじめとする弦楽器も温かい音色で、高低の分離も良い。お互いに晩年に差し掛かり 枯れた境地 が伝わって参ります。
1958年〜1959年の間に録音された全集ですが、その音質は全く古さを感じさせず、各曲共に統一された音質で時間の隔たりを感じさせません。音色は気品に満ち、タッチの一粒、一粒が、その音色の一つ一つの変化が分かるまでに明瞭です。
通販レコードのご案内 ベートーヴェンを弾く上でピアニストにとって意識せざるを得ない録音。ベートーヴェンを聴く者にとっても最初に選ぶべきレコード。
《英レッド銀文字盤 ffrr》GB LONDON CS6188 バックハウス&イッセルシュテット ベートーヴェン・ピアノ協奏曲2番 Op.19/ピアノソナタ14番「月光」 Op.27-2 バックハウス晩年のステレオ録音による比類なく美しい名演です。この巨匠にとって最後のベートーヴェン協奏曲全集になるであろうことを指揮者もオーケストラも噛みしめて、最高のサポートをしています。高名な老巨匠であるから、数えきれない回数演奏を重ねてきたはずですが5曲の協奏曲の個性が活き活きとしている。もちろん「皇帝」が、その名の通りの出来で、山ほどあるレコードの中でも最高峰のうちの一つ。しかし、是非耳を傾け聴きこんで欲しいのがメルヘン的な音楽空間を描き出した1番、2番。その第2番第1楽章あたりの颯爽として軽快な弾きぶりは、彼の年を忘れさせる程で新鮮な魅力に満ちています。シュミット=イッセルシュテット指揮ウィーン・フィルが作曲家の青春時代に相応しい希望に満ちたサポートを繰り広げています。
1958年ステレオ録音。ウィーン、ゾフィエンザールでの「2番」とジュネーヴ、ヴィクトリア・ホールでの「月光」。バックハウスの洗練されたテクニックと、戦前の面影を留めたウィーン・フィルの響きがメルヘン的な音楽空間を描き出した名盤。
通販レコード詳細・コンディション、価格
プロダクト
Wilhelm Backhaus, Hans Schmidt-Isserstedt, conductor. Vienna Philharmonic Orchestra – Beethoven: Piano Concerto No. 2 in B Flat Major, Op. 19; Piano Sonata No. 14 in C Sharp Minor (Op. 27, No. 2) (“Moonlight”). – London CS-6188
- レコード番号
- CS6188
- 作曲家
- ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
- 演奏者
- ヴィルヘルム・バックハウス
- オーケストラ
- ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- 指揮者
- ハンス・シュミット=イッセルシュテット
- 録音種別
- STEREO
コンディション
- ジャケット状態
- M-
- レコード状態
- M-
- 製盤国
- GB(イギリス)盤
通販レコード
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本盤も第二次大戦の混乱期に乗じて格安で敗戦国隣国オーストリアの財宝ウィーンフィルを制圧した英デッカ社の戦勝品とも云える盤。英デッカ社はウィーン・フィル単体のセッションだけでなく、独奏者を仕立ててウィーン・フィルをバックにした数多くの協奏曲も制作した。鍵盤の獅子王と異名をとる日本でとりわけ人気の高いピアニスト、バックハウスによるベートーベンも高名なマエストロ用意してセッションを組んだ一例。バックハウスの全盛期最後とも言える1950年代後半の演奏。
ヴィルヘルム・バックハウス( Wilhelm Backhaus )は1884年3月26日、ドイツのライプツィヒ生まれのピアニスト。1969年7月5日フィラッハにて没。10歳で地元の音楽院に入り、1899年フランクフルトでダルベールに師事。16歳からプロとして活動を始め、17歳のときニキシュに招かれライプツィヒ・ゲヴァントハウス管でデビューする。1905年にはA・ルビンシテイン記念のピアノ・コンクールに優勝(このときの第2位がバルトーク)。後年演奏はほとんどドイツ音楽に絞り込み、偉大なベートーヴェン弾きとして、ドイツ音楽の伝統を継承した。
ハンス・シュミット=イッセルシュテット( Hans Schmidt-Isserstedt )は1900年5月5日、ベルリン生まれの指揮者。1973年5月28日、ホルム・ホルシュタインにて没。ベルリン大学で作曲と音楽学を学び、ドイツ各地の歌劇場を経て、1935年にハンブルク国立歌劇場の首席指揮者となる。1942年ベルリン国立歌劇場音楽監督、1945年北西ドイツ放送交響楽団首席指揮者、1955年ストックホルム・フィル常任指揮者などを歴任。モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスなどのドイツ音楽の正統的な指揮者として、その重厚な音楽作りには定評があった。また、バルトーク、ヒンデミット、ストラヴィンスキーといった20世紀の作品の演奏にも熱心に取り組んだ。
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