この時代の名指揮者は小曲を振ってもすばらしい。普段はあまり聴かない曲でも、こんなに魅力的だったっけと感動してしまう。トスカニーニのタクトが閃くと、忘れがたい美の一瞬を体感させる。
ディズニーのアニメーション映画「ファンタジア」でミッキーマウスが円錐形の帽子を被った魔法使いの姿で登場する、見所の多い「ファンタジア」の中でも代表的なシーンの音楽に使われたデュカスの交響詩《魔法使いの弟子》。この曲は、師匠の老魔法使いの留守に仕事を言いつけられた若い弟子が未熟な魔法で片付けようとしたことで、思いがけない失敗をしでかして収拾つかなくなるユーモラスな音楽。
《モルダウ》では、弦楽器のアンサンブルの凄まじさ、カンタービレの強靱さにトスカニーニ演奏の神髄を聴くことが出来る。すべての楽器がおもいっきり鳴らしているのに、メロディーが埋もれずに浮き立ってくる遠近感を出している。目も覚めるような《モルダウ》である。
《死の舞踏》が聴き応えある。トスカニーニにしては珍しくゆったりとして、独奏ヴァイオリンが舞踏会の始まりを静かに告げる。曲が進み饗宴の推進力は素晴らしいだけに、やがて朝を告げるオーボエから舞踏会の終わりまでの寂しさが際立つ。
通販レコードのご案内初心者にも間違いなくオススメできる隠れた名曲 ― 魔法のタクトというほかない指揮ぶりで何度聴いても楽しい曲ばかり。
《英 初期セミサークル・ラベル金文字盤》GB EMI ALP1432 アルトゥーロ・トスカニーニ デュカス・魔法使いの弟子 トスカニーニ・アンソロジーの第3集。曲はデュカスの交響詩《魔法使いの弟子》、スメタナの《モルダウ》と、サン=サーンスの《死の舞踏》。
譜面の上では単純な、ただの音階に見える音符のつらなりなのに、トスカニーニのタクトが閃くと、黄金の輝ける名旋律に姿を変えて行く。世界の名手を選りすぐってあつめた研ぎ澄ました音の粒立ちで、分厚いアンサンブルの雲間から現れる弦楽器ピチカートは、きらめく光を放射する紫ダイヤの結晶に似て響いている音楽を忘れがたい美の一瞬を体感させる。この時代の名指揮者は小曲を振ってもすばらしい。普段はあまり聴かない曲でも、こんなに魅力的だったっけと感動してしまう。
通販レコード詳細・コンディション、価格
プロダクト
- レコード番号
- ALP1432
- 作曲家
- ポール・デュカス
- オーケストラ
- NBC交響楽団
- 指揮者
- アルトゥーロ・トスカニーニ
- 録音種別
- MONO
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