フランス人でなければ、出せない洒落たエスプリ。
発展的に解消してパリ管弦楽団に変わるが、それに比してもパリ音楽院管弦楽団の音色は、弦楽器のややくすんだ色調に軽やかな木管や金管が絡んでくる塩梅が実に味わいがある。アンサンブルは上手いとはいえないが、そこに人肌の音楽的情緒を感じるのだろう。それを渋味というのか。ロシアの音楽であるプロコフィエフをマルティノンが指揮すると、あたかもフランス音楽であったかのような色彩を感じる。プロコフィエフの音楽の背景にあるものに対して、過度にロシア的にならず、さりとてモダンにひた走るわけでもなく、エッセンスは漏らさず表現している。
青春の「憂い」も「感傷」も根底に明るさがあり、細かいことに拘らずに、存在感のある音色だけで惹きつける。イタリアの泣き笑いも、ドイツの精神性も、汗臭いロシアの大地からも解き放って、メロディーだけが色彩的でオーディオ的快感を満たしていく。パリ音楽院管弦楽団のプレーヤーらは、それぞれが自分の演奏に酔いしれ、お祭り騒ぎのような熱狂を帯びない。各楽器の個性は強く出ているものですから、幕末維新ドラマや「ラブライブ!」に代表される群像ストーリーの一人ひとりを追いながら聴く楽しみ方が出来て楽しい。
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《米LIVING STEREO シェードドッグ盤》US RCA LSC2288 マルティノン パリ管 プロコフィエフ・交響曲7番/ロシア序曲 正規録音こそ少ないものの、ジャン・マルティノンはフランス音楽以外でも幅広いレパートリーを誇った巨匠でした。ロシア音楽においても現代音楽まで手掛け、特にプロコフィエフは、VOXレーベルに交響曲全集を録音するなど熱心に取り組んでいます。これは英国デッカによる1959年のステレオ初期ながら大変優秀な録音です。
色彩設定と音響造型にみせる鋭敏なセンスといい、あらゆるフレーズに注入された絶妙なニュアンスといい、その目ざましい魅力は失われていません。 残響を効果的に収めた録音も非常に雰囲気豊か。フランス人でなければ、出せないコクが滲み出ています。
■1959年パリ、ステレオ録音、LIVING STEREO盤。
通販レコード詳細・コンディション、価格
プロダクト
- レコード番号
- LSC2288
- 作曲家
- セルゲイ・プロコフィエフ
- オーケストラ
- パリ音楽院管弦楽団
- 指揮者
- ジャン・マルティノン
- 録音種別
- STEREO
SHADED DOG ORIGINAL, STEREO 1枚組(140g), Stamper 1S/1S。
コンディション
- ジャケット状態
- EX-
- レコード状態
- M-
- 製盤国
- US(アメリカ合衆国)盤
通販レコード
オーダーは | 品番 / 34-24970 |
販売価格 | 16,500円(税込) |
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