理想の具現★グレン・グールド◎後期6大ピアノ・ソナタ集 ハイドン「ソナタ 第60番 ハ長調 Hob.XVI: 50」

グールドのレコーディングを媒体にする透徹した演奏をほぼ理想的に具現化している。

 2016年5月20日に『ソニー・クラシカル名盤コレクション1000』の第2シリーズが発売された。
 2016年12月31日までの期間生産限定盤なので100回に分けて紹介しています。99枚のセット中、グレン・グールドの名演奏は6作品が選ばれています。ソニー・クラシカル名盤コレクション1000 [2]2012年にリリースされたソニーのグレン・グールド・コレクション第13集、ハイドン・ピアノ・ソナタ集には1958年録音のピアノ・ソナタ第59番変ホ長調が併録されていたが、これはLP発売時に殉じた2枚組で最新マスターを使用している。
 録音は1980年10月〜1981年5月(ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ)で82年2月4日にLPレコードを発売(CBS Masterworks ‎– I2M36947)。
 ハイドンのソナタは学生コンクールの課題曲になるのに、有名ピアニストの録音は普段お目にかかりにくい。モーツァルト、ベートーヴェンのソナタというとポッと出のピアニストの CD でも店頭に並ぶというのに — クラシック音楽は大好きですよ、と言いながらも品揃えするショップや音盤の紹介者がハイドンのソナタには手を染めていないってことが理由だとしたら誠に惜しいことである。
 しかし、ハイドンのソナタの楽しみに飢えを覚える心配はない。こうして、グールドの音楽性とそのテクニックが典型的に示された曲集ということもあってリイシューを繰り返しているからだ。そして、グールドのポリシーだったレコーディングを媒体にする透徹した演奏をほぼ理想的に具現化している。
 聞き所は CD 2枚目からハイドン「ソナタ 第60番 ハ長調 Hob.XVI: 50」を“ピアノの音楽111曲選”でハイドンは鬼才グレン・グールドでチョイスする。


グールドの最晩年に残されたハイドンの後期ソナタ集。それまでさほど頻繁に演奏していたわけではないハイドンのソナタを、グールドは1971年の書簡で「全曲録音したいと考えている」と明かしている。そしておよそ10年を経た1980年から81年にかけて「デジタル録音」というテクノロジーの進化を契機として、ここに収められた6曲を収録したのである。精密にコントロールされた明晰な指さばきが隠されたポリフォニーを浮かびあがらせ、一種のユーモアさえ湛えた演奏を生み出している。

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p class=”analogsound”>ハイドン作曲:後期6大ピアノ・ソナタ集【期間生産限定盤】
[DISC:1] 1. ソナタ 第56番 ニ長調 Hob.XVI: 42 アンダンテ・コン・エスプレッシオーネ
2. ソナタ 第56番 ニ長調 Hob.XVI: 42 ヴィヴァーチェ・アッサイ
3. ソナタ 第58番 ハ長調 Hob.XVI: 48 アンダンテ・コン・エスプレッシオーネ
4. ソナタ 第58番 ハ長調 Hob.XVI: 48 ロンド: プレスト
5. ソナタ 第59番 変ホ長調 Hob.XVI: 49 アレグロ
6. ソナタ 第59番 変ホ長調 Hob.XVI: 49 アダージョ・エ・カンタービレ
7. ソナタ 第59番 変ホ長調 Hob.XVI: 49 フィナーレ: テンポ・ディ・メヌエット
[DISC:2] 1. ソナタ 第60番 ハ長調 Hob.XVI: 50 アレグロ
2. ソナタ 第60番 ハ長調 Hob.XVI: 50 アダージョ
3. ソナタ 第60番 ハ長調 Hob.XVI: 50 アレグロ・モル
4. ソナタ 第61番 ニ長調 Hob. XVI: 51 アンダンテ
5. ソナタ 第61番 ニ長調 Hob. XVI: 51 フィナーレ:プレスト
6. ソナタ 第62番 変ホ長調 Hob.XVI: 52 アレグロ
7. ソナタ 第62番 変ホ長調 Hob.XVI: 52 アダージョ
8. ソナタ 第62番 変ホ長調 Hob.XVI: 52 フィナーレ: プレスト

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