【34-707】英 DECCA LXT6358 バックハウス ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9,11,20番

特徴がないのが特徴。ただただ音符と戯れている。

UK DECCA LXT6358 Wilhelm BACKHAUS – Beethoven : Sonatas No.9,11,20

第20番のソナタは第1番より先に作曲された、ソナチネと呼ばれてピアノ学習者には親しまれています。
第9番、11番共に馴染みは薄いが、第9番は弦楽四重奏曲に編曲された室内ソナタの趣がある。そして第11番は、モーツァルトの交響曲第40番の緩徐楽章へのオマージュとなっている。
それがわかれば、いずれもバックハウスに向いた楽曲。どうしてこの3曲で一枚にしたのかと思いましたが、地味ながら渋い選曲の3曲で、小憎らしい。 (さらに…)

WGSO8176

【34-12352】米 WESTMINSTER GOLD WGSO8176 スワロフスキー指揮 、大交響楽団 ワーグナー:ワルキューレ

曖昧さのない理知的なリング。これこそドイツのワーグナー。

US WESTMINSTER GOLD WGSO8176-5 Hans SWAROWSKY , Süddeutsche Philharmonie Oechestra, Gerald McKee, Ditha Sommer, Otto von Rohr, Rolf Polke, Naděžda Kniplová, Ruth Hesse – Wagner : Die Walküre

カラヤンはワーグナーのチクルスを、ワルキューレから開始。これがなんとも美しい。爛熟の美を磨かせたらカラヤンは天下一品。そしてスリル満天。ワーグナーの、と言うよりカラヤンのテクニックで昇天させられてしまいます。その同じ時期にヨーロッパの劇場で生え抜きのキャスティングを揃えて、ドイツの実力派歌手たちの歌の饗宴は堂にいったものです。カラヤンが「台詞の意味を考えて歌うことを重視」した、その狙いがスワロフスキーのワーグナーに向けた挑戦だったのでしょう。

門下生はクラウディオ・アバド、ズービン・メータ、マリス・ヤンソンスなど多数。彼らを教えたハンス・スワロフスキーの音楽は、理知的で曖昧さを許さない『指環』と成りました。ワーグナー・ファンが『指環』の基準に扱うようにワーグナー録音史上に名高い。 (さらに…)

Tonight, the piano will be staring on medici.tv!

 

ピアノの新星たち

今夜の medici.tv は現在、注目されているピアノの新星たち。
the Annecy Classic Festival のもようです。
彼ら、彼女らがピアノ演奏の明日を開きます。期待できる内容です! (さらに…)

米 RCA LM-6043 フルトヴェングラー指揮 、バイロイト祝祭管 ベートーヴェン:合唱

バイロイトの第九に飽きが来ないのは他の誰もが敵し得ない第3楽章の奥深さ。

US RCA VICTOR LM-6043 Furtwangler , Bayreuth Festival Chorus and Oechestra, Schwartzkopp, Hongen, Hopf, Edelmann – Beethoven : Symphony No.9

ボイジャーだったか、ジュピターだったか宇宙のずっと遠くへ放たれた観測衛星に載せられたディスクに人類の音楽芸術の最高の演奏として選ばれた録音。アメリカのNASAらしい選択で、文化遺産とも言える米盤が音が良い。
英 HMV Original よりも音質では上との評価もある、米 RCA プレス盤です。演奏はドイツで、録音はイギリスでも、アメリカ人が誇りに出来る。特別熱心な音作りをしてプレスされたのでしょう。大阪の知られたオリジナル盤屋さんが『何故か世間では無視されているような』と評価していたのを忘れられない。 (さらに…)

ワンダ・ウィウコミルスカの放送音源を入手

ポーランドの女流ヴァイオリニスト、ワンダ・ウィウコミルスカ。ウィルコルスカと日本の古いレコード・ファンは日常的に呼んでいるようですが、放送音源のはじめと終わりに残っているラジオ・アナウンスではウィウコミルスカヤと言っているようでした。
古い放送録音と、新しいといっても20年前の録音を一緒にポーランドでラジオ放送された時の音源を聞きました。

どちらも同じヴァイオリニストであるとは、聞けばすぐに分かるぐらい。40年近い開きはあるので1991年のコンチェルトでは多少張りにかけるヴァイオリンの響きでしたが、そのヴァイオリンの歌い方は同じでした。これだけ性格の出ているヴァイオリニストは特別でしょう。プログラムの中間のリサイタルの音はとても良くて、60年も前の録音だとは驚きです。そして、レコードとライヴがこれほど相違がないことも人気の程が感じられました。

 

Wanda Wilkomirska

1. Bacewicz – Violin Concerto No.5

Wanda Wilkomirska – violin
Warsaw Philharmonic Symphony Orchestra,
Witold Rowicki – conductor

Recorded 17.01.1955, Live, Warsaw

2. Suchoň – Sonatina
3. Saint-Saens – Introduction and Rondo Capriccioso in A minor, Op. 28
4. Ravel
5. Bartok – Three Songs
6. Musorgsky – Gopak
7. Szymanowski – Pesn

Wanda Wilkomirska – violin
Yadviga Shamatulska – piano

Recorded 18.10.1955, Live, Warsaw

8. Szymanowski  – Violin Concerto No.1

Wanda Wilkomirska – violin
Polish National Radio Symphony Orchestra, Katowice
Antoni Wit – conductor
Recorded 1991, Katowice, Live
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From the archives of the Polish Radio

Radio Orpfeus

EMI ASD3128 ミケランジェリ、ハイドン:ピアノ協奏曲

Arturo Benedetti Michelangeli, Edmond de Stoutz, Zurich Chamber Orchestra – Haydn : Piano Concertos in D & G – EMI ASD 3128

ASD3128

レーベル:
英 EMI
レコード番号:
ASD-3128
ラベル:
モノクロ切手ドッグ・ラベル、オリジナル
曲目:
ピアノ協奏曲ニ長調、ト長調
作曲:
ハイドン
演奏
ピアノ:アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ
指揮:エドモン・ド・シュトウツ
オーケストラ:チューリッヒ室内管弦楽団
フォーマット:
ステレオ録音

 

終戦記念日の一枚

お盆の8月15日は、終戦記念日でもある。レコードの話題といえば、昭和天皇の玉音放送がこの日は多く Word としてカウントされるだろうがぜひとも紹介したかったのレコードだ。
8年か、9年近く通販レコードのサイトを転々と手伝いましたが、このレコードは紹介したくてもこれまで出会う機会がありませんでした。ミケランジェリはドイツ・グラモフォンのドビュッシーぐらいでした。
なぜにこの日のこのレコードかというのは、気がつく人だけが感じてくれるでしょう。あ、そこそこ、ググっても検討つかないと思いますよ。レコードの歴史を知っている人の中に、あ、あれ所以かなって察しがつくぐらいでしょうから。

アメリカのオリジナリティ メイン・ストリームを聴く

バーンスタインのマーラー全集

ニューヨークで過ごしたマーラーをモデルにして、わたしの好きな児童文学が生まれている。そうした本はハードカバーで揃えて、書斎のデスクに愛着のあるレコード、CDのBOXセットと一緒に並んでいます。

マーラーのニューヨーク

アメリカのクラシック音楽は歴史が新しい。音楽教養を高めるためにヨーロッパから、ドヴォルザークを学校の校長に招いて《新世界交響曲》が実ることになったことはよく知られています。
オーケストラの水準を高めたのは、マーラーがニューヨーク・フィルの指揮者としての役割は大きかった。アメリカのオーケストラのレパートリーに、マーラーが重要なのは歴史の源になっていることなのです。
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古楽の愉しみ ホルンの魅力

中世、狩りをするときに馬上で角笛を吹いて、後方との連絡をした。この角笛がホルンの起こりです。
管楽器の中でベルと呼ばれるラッパが後方を向いている唯一の存在です。
このベルに握りこぶしを入れて出す強弱と、唇で出す音程は一様でないふくよかさが演奏者の個性でホルンという楽器に魅了される大きなポイントです。

IMG_4360 (さらに…)

スゼー/ラヴェル:歌曲集 – 仏HMV FALP549

スゼーは近代フランス芸術歌曲の解釈に最も秀でたバリトン歌手。それは連綿たるフランスの伝統唱法を引き継いでいる独特の歌唱だと言えます。
自分に対してかなり厳しかったことを忘れてはいけない。一言で言って「官能的」ですが本能的に均衡がとれている美声で詩趣を漂わせる。
仏ディスク・グランプリを受賞した3枚のうちの一つがラヴェル歌曲集です。


  • レーベル、カタログ番号:FR VSM FALP549
  • 演奏
    • ジェラール・スゼー
    • アンドレ・ヴァンデルノート指揮パリ音楽院管弦楽団
  • ラヴェル・歌曲集
  • ラベル:”LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE” WITH SILVER LETTERING
  • 盤の重量:MONO (150g)
  • オリジナリティ:仏製棒付きジャケ リーフレット付属

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音の探究者たちへ。《新》長岡鉄男の外盤A級セレクション

買い逃すな

A級の音はA級のソースから!
オーディオ・マニア必読の画期的レコードガイド

説明無用のガイド本が、新装されて登場。中古本でも必死に探していたオーディオ・ファイルは少なくない。その強い要望に答えてくれました。

今、それが叶ったのも「 Cantate Domino 」を始め、A級の名録音盤がSACD、アナログ共に購入しやすい嬉しい状況になったこともある。眺めるだけでも懐かしく、へぇ、これもSACD、アナログになっているんだと情報欲を満たしてくれる。

新 長岡鉄男の外盤A級セレクション (【特別付録】SACD Hybrid サウンドサンプラー)そして中古盤のコンディションに目をつむったり、オークションで思わぬ価格に出くわすことも要らなくなった。
こうしたガイド本が登場することで、オーディオ・ファイルが求めている音盤はもっと登場してくることになるだろう。そうしたら、中古盤やオークションを渡り歩く時間を少なく出来て音楽を聞く時間がもてる。

レコード棚、CD棚に一緒において、順番にチェックしていこう。
特別付録にSACDサウンドサンプラーが付いている。