著名な教師でもあったことから、ほとんどの作品が出版されバッハやヘンデルも研究していたほどで「カノン」で知られるパッヘルベルの音楽には最もケルルの影響が聴かれると言われています。
でも、何故か現在では全く忘れられた存在の作曲家です。
Sacred Works of Johann Caspar Kerll
音楽的にはムファットやフローベルガーと共通したところがあってケルルだけでのCDは少ないのですけれどもムファットやフローベルガー、そしてフローベルガーの師フレスコバルディの音楽と一緒に録音されている機会がありますので心がけて聴きましょう。

純粋に教会でのオルガン演奏のために作曲された《8つのトッカータ》など一部を除いて、鍵盤楽器のための○○○という感じでチェンバロ、オルガンの指定を定めてはいません。
19歳の時にヴリュッセル城のオルガニストについてから、亡くなる一年前まで66年間音楽家として通しましたが、8人の子どもからは1人として音楽家になっていない理由は不思議なこととなっています。
ケルルの名前が忘れられていったのは、家庭的な事情があったのかも知れません。
バロックの森 放送リスト 2010年9月14日火曜日
– ケルル Johann Caspar Kerll(1627-1693) の作品 –
「ウィーン包囲の嘆きを慰めるミサ曲 Missa in fletu solatium obsidionis Viennensis 」 ケルル作曲
(27分56秒)
(合唱、演奏)ヨハン・ローゼンミューラー・アンサンブル
※ヨハン・ローゼンミューラー・アンサンブルのメンバー
(ソプラノ)エヴァ・レープヘルツ・ヴァレンティン
アネグレート・クラインドプフ
(カウンター・テノール)ラルフ・ポプケン
(テノール)イェルン・リンデマン
ニルス・ギーベルハウゼン
(バス)マルティン・バックハウス
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Christophorus CHR77249
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[ 2014年6月8日にリライトしました ]
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