一人の踊り子が、舞台で足慣らし。やがて、振りが大きくなってくると、まわりにいた客たちも、次第に踊りに目を向け、最後には一緒に踊り出す。シャルル・ミュンシュは、この『ボレロ』をとても遅いテンポで開始します。中程から次第に速めて高揚感を作り上げていく。管楽器の豊かな色彩は、パリ管の魅力が良く感じられます。生命感を魅せつけてくれる理想的な演奏です。演奏会でのミュンシュは熱い音楽を聞かせて、観衆を熱狂させていました。急逝しなければ、他のオーケストラとのレコーディングとは違う音楽が次々と残され、指揮者ミュンシュの音楽の受け取られ方は現在は変わっていたかもしれません。
オペラ初心者のための《トリスタンとイゾルデ》 – NHK-FM《バイロイト音楽祭2011》最終日
楽劇《トリスタンとイゾルデ》のオペラ第2幕は単純に『あなたが好きだ』、『わたしも愛してます』とお互いの愛を確かめ合うふたり。『まもなく、夜が明けます』とイゾルデの侍女ブランゲーネが遠くで歌う。と分かり易いので初めて聴くにはここからでしょ。ベスト3は、LPに限ればクライバー、バーンスタイン、フルトヴェングラーでしょうか。(改訂 2014/01/10)