日本盤のソニーのアナログ盤、CD 盤を通してジョージ・セルの録音は、干涸らびたような響きだと感想を聴きます。確かに乾いたぎすぎすとした残響感が気になるところ。どうしてなのでしょうね。同じ録音は米コロンビアのオリジナルで聴く限りでは、全く別な録音ではないのかと感想をくれる事がほとんどと言っていいすぎではないでしょう。
録音の仕方の問題なのか、EMI 録音盤でジョージ・セルを聴いて優れた響きを出す指揮者である事は、ブラームスの2つの弦楽器のための協奏曲を CD で聴いてもわかります。さて、その初版のアナログ盤でしかも、ぎゅうぎゅう詰めにしないで2枚組としてゆったりとカッティングしてありますから CD で聴ける音よりどれほど優れているのでしょう。
- レーベル
- 英 EMI
- レコード番号
- SLS-786
- 曲目
- ブラームス:ヴァイオリン協奏曲、二重協奏曲
- 演奏
- ダヴィッド・オイストラフ(ヴァイオリン)、
- ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)
- 管弦楽
- クリーヴランド管弦楽団
- 指揮
- ジョージ・セル
(カラー切手ラベル、1stラベル オリジナル)
1969年、ジョージ・セルは遺作と言って良い4つの録音をEMIに残しますが、それはドヴォルザークの8番、シューベルトの9番のシンフォニーとこの2曲です。なかでもドヴォルザークと並びこのブラームスの2曲は名演と言われ、オイストラフのあたたかみのある深い音色とそれにピタリとつけるセルのバックにはいささかも呼吸の乱れもありません。
ヴァイオリン協奏曲の第2楽章における録音はソロ楽器をやや前面に出し、オーケストラを少し後方に置いたもので、中央でヴァイオリンが左、チェロが右に定位します。ソロ楽器の音は良く分離して鮮明。全体オーケストラの音はマイルドで、全体に歪み感も全くありません。
(NM)盤はチリ音もほとんどなく優秀で、完品に近い状態。但し、ヴァイオリン協奏曲にお皿型のソリがありますが、トレースには全く問題ありません。
(NM)ジャケットはBOXで裏面がコーティング、スレもほとんど無く綺麗な状態です。尚、元々この2枚組がオリジナルでの発売の形です。
(2LP)
(情報は2010/06/05投稿時点の内容です)