いいね!

《バロックの森》ルイ15世時代の音楽⑥ ヴァイオリンはダンスのための楽器

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

天使がヴァイオリンらしきものを携えている古い絵画や彫像が、幾らもあります。『らしきもの』とされているように、よくよく観ると違うよう。そもそもヴァイオリンは、いつ頃どういう経緯で誕生したのでしょう。結論を先に答えるならば根拠不明。音楽史の上でヴァイオリンの名手にして、今でも演奏される機会の多い重要な作曲家はコレルリ。ヴァイオリン音楽を芸術音楽として最初に記録されます。もしもヴァイオリン音楽を発展させるヴィヴァルディの存在がなかったとしたら、現在の認識以上に誰もが知った作曲家の名前になっていた事でしょう。

楽器を手にしている絵画としては女神が抱いているハープが最も古いもの。総ての楽器の発展の源にはハープがあります。これも現代のようなメカニックを持ったハープではなく、竪琴。もとは猟のための弓を遊び半分だったのか、魔除けのマジナイかかき鳴らしていた行為が音楽の根本だというのが音楽史のお勉強には出てきます。

さてヴァイオリンですが、1,500年半ばに唐突に登場します。ほぼ現代のヴァイオリンの構造をしている事は驚きですけれども、その形状や大きさは多様性を極めていました。バロック・ヴァイオリンと言われる古い楽器を観ていると昆虫を観ているような錯覚を感じます。バッタに似ていませんか。葉っぱに擬態できるナナフシに似ています。

ヴァイオリン音楽を芸術音楽として…と冒頭に言いましたけれども、ヴァイオリンはそもそも民衆の間で誕生した楽器でした。その為に教会などで使用されるようになるまで空白の期間があります。とすれば弓からヴァイオリンが着想されたのではなくて、鋤とか鍬とか農具に何か弦状のものを張って慣らしていたのが起こりではないかとは、わたしの勝手な考えですがどうでしょう。無謀でしょうか?

フィドルというヴァイオリンによく似た楽器があります。踊る時にあごで挟んで演奏したものですが、ギターやヴィオールだと抱えたり膝で挟んで演奏したりで踊るには向きません。小型にしたら肩にのせられるんじゃないか?そういう発想があったのでは?

バロックの森 -ルイ15世時代の音楽-(6)

関根敏子(番組案内:2011年1月22日土曜日、午前6時からNHK-FMで放送)
– ルイ15世時代の音楽 -(6)

「バイオリン・ソナタ集 第3巻の ソナタ 第7番 イ短調から
抜粋」ルクレール作曲
・第1楽章 (3分51秒)
・第3楽章 (3分53秒)
・第4楽章 (3分18秒)


(バイオリン)ジョン・ホロウェイ
(チェロ)ヤープ・テル・リンデン
(クラヴサン)ラルス・ウルリク・モルテンセン
<ECM NEW SERIES 476 6280> 放送で使用されたCD Sonatas

 

「2つのバイオリンのためのソナタ集 第2巻の
ソナタ 第1番 ロ短調から 第3楽章」ルクレール作曲 (4分16秒)


(バイオリン)パウル・エレーラ、戸田薫
<Enzo recordings EZCD-10009-10> 放送で使用されたCD ルクレール 二つのヴァイオリンのためのソナタ集 第2巻

 

「フルート・ソナタ集 第3巻から ソナタ 第2番 ロ短調」 ブラヴェ作曲 (7分48秒)


(フラウト・トラヴェルソ)フランク・トインス
(クラヴサン)エヴァルト・デメイエール
<Accent ACC23154> 放送で使用されたCD Blavet: Flute Music

 

「バイオリン・ソナタ集“ハーモニクス”作品4の
ソナタ 第1番 ロ短調から 抜粋」モンドンヴィル作曲
・第1楽章 (2分22秒)
・第2楽章 (2分27秒)
・第4楽章 (2分44秒)


(バイオリン)ヤープ・シュレーデル
(ヴィオール)フィリップ・フーロン
(クラヴサン)ロレンツォ・ギエルミ
<Mandala MAN4843> 放送で使用されたCD Baroque Violin in France

 

「フルート協奏曲 ニ長調」 ノード作曲 (10分24秒)


(演奏)カペラ・サヴァリア
(フラウト・トラヴェルソ、指揮)パール・ネーメト
<Hungaroton classic HCD31600> 放送で使用されたCD 6 Flutes Concertos

 

 

 

 

 

Related Posts from this Site

  • 彼のアプローチは新鮮 – バッハの協奏曲を探求しているマレイ・ペライアの演奏で聴く彼のアプローチは新鮮 – バッハの協奏曲を探求しているマレイ・ペライアの演奏で聴く マレイ・ペライアは長い演奏活動の中でバッハの《鍵盤のための協奏曲》の演奏は度々と重ねて深い理解の成果を録音している。それから10年経過しているけれども、これらの協奏曲を聞くことは、ペライアの豊かな経験を聴くことに等しく、その彼のアプローチには新鮮さがあります。 […]
  • 協奏曲の魅力(3)協奏曲の魅力(3) 《ブランデンブルク協奏曲》第4番は、ヴァイオリンと二本のリコーダーによる独奏が聴ける楽曲ですが、ヴァイオリン独奏が目立った感があります。バッハはこの作品を『チェンバロ協奏曲 第6番 […]
  • 協奏曲の魅力(2)協奏曲の魅力(2) 古楽器の演奏で協奏曲の魅力を楽しむ4日間。二回目でようやく私たちが普通にヴァイオリン協奏曲と感じるヴィヴァルディが登場する。『ラ・ストラヴァガンツァ』の意味は奇妙、狂態・・・ソリストが名人芸を披露するのは、俺たちは添え物かよってアンサンブルに振り分けられた演奏者はがっぱりしたでしょうね。でも、それ […]
  • 古楽の楽しみ -18世紀中頃に活躍したイタリアの作曲家-(3)オペラの改革を偽名でトライ http://amzn.to/oee22E古楽の楽しみ -18世紀中頃に活躍したイタリアの作曲家-(3)オペラの改革を偽名でトライ http://amzn.to/oee22E 昭和の世には音楽学校の生徒は、流行歌を歌うことは禁止されていて吹き込みをするなんて以ての外。藤山一郎さんは小さい弟、妹たちのために流行歌手に成る事を選択。ミス・コロンビアと名乗った松原操なども、レコード会社との専属で作詞、作曲家たちが違うレコード会社の歌手に惚れてあえて歌って貰いたいと別名で提 […]
  • 協奏曲の魅力(4)協奏曲の魅力(4) 鎌倉幕府の開闢は1192年と答えて、◯をもらうか、△をもらって注釈されるか。教科書が改められるのはやがてでしょうから、これから日本史を学ぶ子どもたちは1185年の開闢だと覚えていくことになる。 音楽の授業では、古楽器演奏やバロック音楽時代の研究が活発で音楽学校ではもはやシビヤなところだろう。 […]
  • 古楽の楽しみ -18世紀中頃に活躍したイタリアの作曲家-(2) 天使か悪魔か、教会音楽史に唐突に舞い降りたような鬼才古楽の楽しみ -18世紀中頃に活躍したイタリアの作曲家-(2) 天使か悪魔か、教会音楽史に唐突に舞い降りたような鬼才 悪魔のトリル・・・このタイトルは、曲は聴いたことがないけどフレーズとして頭の何処かにあるって人は少なくないでしょう。もしかしたら実際の曲以上に凄いイメージに膨らんでいるかもしれませんね。確か小学生の頃に読んだマンガに似たようなタイトルであったように思います。山岸凉子・・・じゃなかったか? […]
  • 古楽のたのしみ バッハの音楽(1)奏者には厳しく聴く者にはこの上ない穏やかな時間をもたらすバッハ珠玉の《トリオ・ソナタ》 – NHK-FM 2011-09-12古楽のたのしみ バッハの音楽(1)奏者には厳しく聴く者にはこの上ない穏やかな時間をもたらすバッハ珠玉の《トリオ・ソナタ》 – NHK-FM 2011-09-12 秋本番。熊本の午後いっぱいは、まだまだ気持ちがだらけるように気温が高かった日曜日。デスクワークも遅々と進まなかったものの、夕方過ぎて涼しく過ごしやすくなりました。もう、朝6時だというのに外はやや白々とし始めようとしています。カラスが遠くで朝の挨拶を交わしているけれども、秋の虫が賑やか。今夜は中秋の […]
  • [バロックの森]ルイ15世時代の音楽④ 聴き所は、ニケのダジャンクールの録音。[バロックの森]ルイ15世時代の音楽④ 聴き所は、ニケのダジャンクールの録音。 響板がオリジナルであれば、製作当時のチェンバロです。・・・と言うイタリア紀行番組が先日NHKのBSで放送されていました。メカニックが当時そのままならオリジナルだと思えていたので、確かにそうだと発見になりました。チェンバロには螺鈿細工のものやら、意匠が凝らされているモデルが多いので気持ちはついつい造 […]