モーリッツ・ローゼンタールのレコード
特にこのローゼンタールのような系譜に属するピアニストの演奏は「プロのピアニストとして身を立てていくのだ」と決意した人以外は、なるべく多くの演奏や作品を聴くべきと思います。このようなピアニストの演奏を聴くだけでも、ピアノを楽しむ人にとっては何らかのプラスがあるでしょう。
特にこのローゼンタールのような系譜に属するピアニストの演奏は「プロのピアニストとして身を立てていくのだ」と決意した人以外は、なるべく多くの演奏や作品を聴くべきと思います。このようなピアニストの演奏を聴くだけでも、ピアノを楽しむ人にとっては何らかのプラスがあるでしょう。
写真は1952年の撮影。シューベルトの交響曲第9番ハ長調「ザ・グレート」。LP レコードで絶大な評価を得ている録音ですが SP レコードで聴くことは、まず無いだろうと思っていました。録音は1951年11月。ベルリン、イエス・キリスト教会でのセッション録音。バイロイト音楽祭の初日に実況録音されたベートーヴェンの不朽の「第九」の録音もある。
昭和20年後半から30年代にはシューベルトのレコード録音が活発にありました。有名な録音なのにLPレコードの時代に再録音されたためやステレオ録音の名盤があるためにSPレコードでだけで聞くことができる忘れられた演奏家の音盤も少なくありません。その若鮎が跳ねるような音楽に心なごまされていた人達も多かったのではないかしら。
ベートーヴェンの耳の病は、話が聞き取れないで筆談をしてる相手の後ろでピアノを弾いていた弟子に、「そこはおかしい」と注意したと言います。対話をしようとしていた相手は気分を害したことでしょう。また、ピアノに噛み付いて音を聞いていたと言うから居合わせた人はとんでもないのを見てしまったと怖がったことでしょう。
幸福感に満ちた明るい曲想から《春》という愛称は、新緑の鮮やかさや頬を撫でる春風の心地よさがよく表現されていて、誰しも同じ気持を感じるでしょう。この時代も国も超えた感動の共有はベートーヴェンの音楽のもっともたるところ。
僕の生活は今までよりも優しみのあるものになった。この時、彼は《不滅の恋人》を思っていた。快癒への望みを込めて書き上げられたヴァイオリン音楽の大名作。
春風駘蕩が終始統一されている。しっとりと落ち着いた楽想が印象的な、隠れたファンの多い曲です。《第7番》や《第8番》と比べると起伏に乏しさも感じられるが、優れたヴァイオリニストの手にかかると一服の名画に時の流れを含んでいるような渋味に富んだ充実感が味わえる。落ち着いたムードが続いたので、終楽章は快活な対比になるかと思うのの裏をかいて伸びやかな変奏曲。
暑中お見舞い申し上げます。例年より2週間ほども早く梅雨が開けたと思ったら、猛烈な暑さの襲来です。暑さに慣れない身体には応えます。どうか皆様方も各自に充分に健康にご留意下さい。
さて今月の例会は
椿姫の第三幕の前奏曲は素晴らしくて、帰宅後、カラヤンの間奏曲集をすぐに聴く羽目に成りました。聴きたくなってしまったのです!SPで聴く弦の音はなかなか雰囲気のある質感で良い感じでした。
昭和10年、4巻に分けた豪華なアルバムで発売されたクライスラーの演奏は、史上初になったベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲録音でした。無料コンサートの上半期は5回シリーズで全10曲を順番に鑑賞しましょう。一人の演奏家の全集を集中的に聴く良い期間にしてください。CDとSPレコードでの違いを見つける機会でもあります。 http://amzn.to/Ygny64