ニューイヤーコンサート 2015 ウィーン・フィルと蜜月にあるメータの軽やかなシュトラウスを聴いた。
1939年に開始されたウィーン・フィルのニューイヤーコンサート。NHKでは1984年から毎年テレビで衛星生放送を実施しており恒例行事として世界で最も多くの人が同時に試聴するコンサートである。2015年の指揮台に立つのはズービン・メータ。1990年に初めて指揮して以来、1995、98、2007年に続き5回目の登場となる。
1939年に開始されたウィーン・フィルのニューイヤーコンサート。NHKでは1984年から毎年テレビで衛星生放送を実施しており恒例行事として世界で最も多くの人が同時に試聴するコンサートである。2015年の指揮台に立つのはズービン・メータ。1990年に初めて指揮して以来、1995、98、2007年に続き5回目の登場となる。
濃厚な官能性と、高い精神性と、その両方が一つに溶け合った魅力でもって、聴き手を強烈な陶酔にまきこんだフルトヴェングラーの音楽は類稀な観念と情念が生き返ってくるのがきこえるもので作曲家たちが楽譜に封じ込めた思いまではレコードでは伝えきれないものだと思います。カラヤンとフルトヴェングラーの音楽は、そこで有り様が分かれ道なのです。
平和を祈ることに音楽活動のすべてが繋がっている指揮者ダニエル・バレンボイムはコンサートの最初に愛妻の名前のある曲を演奏しました。平和は自分ができるところから心がけていけば連鎖的に広がっていくものだと、プライヴェートな理由ですが、これが最も大切なことで希望の理由に、そう言えることが素晴らしい行為ではないでしょうか。
元旦からへそ出して新しい身体のつながりを期待している一年。リアルに会えなくても僕たちは音楽で繋がれるんだ:カラヤンはベルリン・フィル、ウィーン・フィルから自分の響きを引き出しましたがバレンボイムはオーケストラの生成りの響きは時に荒々しく露呈させてしまうところがあります。新春の寿ぎを覚ます瞬間も無きにしもあらずですが、年の始の聞き逃せない音楽の放送時間が迫っています。
通販レコード。180グラム重量盤。20世紀のシュトラウス演奏の規範とは評価出来ないアルバム。曲想の変化に伴ってテンポは弛緩し、予期せぬアクセント、隠されている対旋律が浮かび勃ち聴き手の心をくすぐります。スタイルを超越した灰汁の強い崩しは病み付きになるのだろう。わがままが傑出した時代を超えた怪演として聴き継がれるだろう。
流麗で艶やかなウィーン・フィルが、きびきびと演奏している。弦楽奏者がしゃかりきになって弓で弦をこする、松ヤニの飛沫の匂い。名門が手玉に取られている。音楽の流れにあわせ自由に変化していくいきいきとした躍動感は、まさにクライバーならではのことである。彼の指揮の魅力すべてが横溢する演奏。録音は超一流、アナログ録音の究極美。