当時のウィーン・フィルの ―― Anton Fietz, violin; Philipp Mattheis, violin; Gunther Breitenbach, viola; Nikolaus Hubner, cello; Johann Krump, double-bass ―― 名手揃い。勿論、クラリネット独奏は高名ウィリーの弟アルフレッド、ウラッハの正式継承者としてウィーン・フィルを支え続けた名手。
淡々とした美しさを奥深い透明感で貫いて描ききる素晴らしい名演。ウィーンの名手達が弾力的なリズム感と固い構成感で全体を見失わせない実に上手い設計で聴かせてくれる。一貫して広がりを持った、豊かで伸びやかな感性に溢れている。
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《英国初出、マジックノート・ロゴ盤》GB COLUMBIA CX1566 ハンガリー弦楽四重奏団 シューベルト・弦楽四重奏15番 ハンガリー弦楽四重奏団は1935年にシャンドール・ヴェーグを中心に結成、1937年に、既に名声高かったゾルタン・セーケイが第1ヴァイオリン奏者に就任。その後は活動の場をオランダに移したためヴェーグらが抜け、1940年にセーケイ中心のメンバーが固まって、1972年まで精力的に活動しました。
ハンガリー弦楽四重奏団のゾルタン・セーケイは、バルトークにバイオリン協奏曲第2番を委嘱したこともある名バイオリニストで、この四重奏団員全員がハンガリー出身でバルトークの音楽への共感は非常に強かった団体のようです。彼らのずば抜けた表現力は、2度のベートーヴェンのカルテット全集をはじめとする数々の録音で良く知られていることでしょう。セーケイの明晰なリーダーシップによるメリハリのハッキリした音楽は、古典音楽はもちろん、自国ハンガリー近代のバルトークでも実に見通しよく展開する清新なものです。
戦後の新古典的様式を如実に反映した緊密な演奏で、細部に至るまで表現として考え抜いた態度がとにかく立派。彼らの演奏が弦楽四重奏の極限を聴かせるアンサンブルと絶賛されていた頃の演奏で、熱さがとても魅力的。高密度な中にもセーケイの味な奏法が聴かれるなど、その味わいには実に奥深いものがあります。
1958年発売。
SAX規格のステレオ盤は無く、このCX規格のモノーラル盤のみが存在。英国初出 ORIGINAL
マジックノートロゴ 濃青金文字, MONO 170グラム盤。
オーダーは | 品番 / 34-19080 |
特別価格 | 8,800円(税込) |
通常価格 | 11,000円 |
「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。
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当時のウィーン・フィルの ―― Anton Fietz, violin; Philipp Mattheis, violin; Gunther Breitenbach, viola; Nikolaus Hubner, cello; Johann Krump, double-bass ―― 名手揃い。勿論、クラリネット独奏は高名ウィリーの弟アルフレッド、ウラッハの正式継承者としてウィーン・フィルを支え続けた名手。
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《英マジック・ノーツ・セミサークル盤》GB COLUMBIA CX1826 ジュリアードSQ モーツァルト 「ハイドン・セット」Vol.1 ジュリアード音楽院の校長であった作曲家ウィリアム・シューマンの提唱によりジュリアード弦楽四重奏団は、同校の教授たちによる4人のメンバー(ロバート・マン ロバート・コフ ラファエル・ヒリヤー アーサー・ウィノグラード)の高い技量を背景とした、感情をそぎ落としたドライで直線的な表現で世界の好楽家に衝撃を与えました。彼らの出現はまさに戦前のヨーロッパの演奏伝統を打ち破るように、当時の聴き手を驚かせるエポックメーキングな出来事でした。
戦前の弦楽四重奏と言えば、カペー弦楽四重奏団やレナー弦楽四重奏団のように第1ヴァイオリンが技術的にも音楽的にも抜きん出ていて、アンサンブルを主導しチームの音楽性を支配することによって演奏を作り上げていました。また演奏解釈上も旋律を曲線的に捉え、テンポの緩急を多用した情緒あふれる演奏スタイルが主流でした。
そうした嗜好の中で、ジュリアードの演奏は4つの弦の技術的、音楽的均質性と感傷を削ぎ落としたドライで直線的な表現で、世界の好楽家に衝撃を与えました。安定しきった技巧と精妙な合奏、鋭い感覚の冴え、そして格調高い音楽は、およそ余分な肉づけを見せない表現法で端的に弦楽四重奏という音楽の本質を明らかにし、まさにクァルテットの理想郷ともいうべき神業が実現されていた、と云わしめた。
オーダーは | 品番 / 34-23417 |
販売価格 | 3,300円(税込) |
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淡々とした美しさを奥深い透明感で貫いて描ききる素晴らしい名演。ウィーンの名手達が弾力的なリズム感と固い構成感で全体を見失わせない実に上手い設計で聴かせてくれる。一貫して広がりを持った、豊かで伸びやかな感性に溢れている。
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バロック音楽ブームの原動力は〝イ・ムジチの四季〟の大ヒットの影響が大きい。奏者それぞれの個人プレーを重視した。ポピュラーなアプローチが大衆ウケした。クロスオーバーの魁である。
〝イ・ムジチ〟はイタリア語で音楽家たちの意味。1952年、ローマ聖チェチーリア音楽院の卒業生12名によって結成。当初から指揮者を置かない方針をとり、後続の室内アンサンブルのモデルとなる。切れ味のいい輝かしい演奏が人気で、来日も多い。イ・ムジチはコンサートマスターが代わるごとに録音を重ね、そのたびにベストセラー。1995年の時点で日本での「四季」の売り上げ合計は280万枚に達した。
世界的に人気を博したのは、1959年に録音したヴィヴァルディの『四季』の大ヒットからで、バロック・ブームを作った。引き締まったアンサンブルの向こうから感じられる覇気、若々しい情熱。だがトスカニーニが驚嘆し絶賛したアンサンブルはこのときが一番近い。なにしろコンサートマスターのフェリックス・アーヨ、まだ25歳である。
「ヴィヴァルディって誰?」、「バッハが編曲した人らしいよ」というような時代。バッハがオルガン協奏曲に編曲した、その原曲という紹介で聴かれるぐらいのチャンスだった頃。バッハの存在が今以上に尊厳臭さは濃かった。旅の途中、ウィーンで没したヴィヴァルディについて、おそらくその生涯はおろか、生没年もはっきりしていなかった頃。音楽界のバロック音楽への認識もきわめて薄く、イタリアの巨匠指揮者ですら取り上げる自国の作曲家はオペラばかりで、1600年代1700年代にとんでもない宝物が眠っているとはよもや思いもよらなかった頃。
まさか、モーツァルト。ベートーヴェン以降の現代的なヴァイオリン協奏曲のスタイルを、ヴィヴァルディが確立していたとは。音楽史を塗り替える大きな偉業になるなんて。やがて驚きとなる。200年前のイタリアにどんなにすばらしい音楽があったか、22歳の若者たちが決然たる情熱と愛情でもって世に知らしめようとして放ったのですから、フランスACCディスク大賞を受賞したのもうなずける。
イ・ムジチのサウンドは、すでに半世紀もの間、作曲家のスタイルと特徴を尊重しつつ、同時に、いかなる学術的な独断主義にも束縛されることなく自由な解釈を提示している。アーヨがリーダーだった頃、1969年の「四季」のソロをとる、ミケルッチは一緒に演奏活動していました。アーヨのモノラル盤、ステレオ盤。ステレオ・ブームとあいまって全世界で爆発的大ベストセラーとなり、日本ではステレオの置いてある家庭には必ず常備されているとまで言われた。ミケルッチの解釈は、〝アーヨの四季〟から180度、反行したものでした。こうした柔軟性を武器に因習や束縛に満ちた時代に生きながらも言語と時代を超える崇高な芸術を遺した作曲家たちが音楽にこめた憧憬、哀愁、情緒を、イ・ムジチは人々に伝え続けていると云っても過言でない。
1958年録音。優秀録音、名演、名盤。バロック音楽ブームを決定的にした、ミケルッチが独奏をしたヴィヴァルディの《四季》のレコードには〝イ・ムジチの四季〟と帯に大きく踊っていた。クラシカルなスタイルから離れ、ソリストをクローズアップしてアンサンブルよりメンバーの見せ場が誂えられていた。古楽器演奏とは路線が違って現代的イタリアの歌にあふれた演奏は聴くものを幸せにしてくれます。アーヨのヴァイオリンは美しくしなやかだが、ピリオド演奏全盛の中にあっては音楽運びの濃くには欠ける。
イ・ムジチの演奏は、バウムガルトナー指揮ルツェルン音楽祭弦楽合奏団をバックに従えたフランチェスカッティの演奏にも似た、テンポをゆっくりとったもので、ヴィヴァルディの流れを受け継いだバッハの「歌」を最大限に強調した、とても柔らかく、そして流麗な演奏です。そこに聴くことができるのは、弦楽の奏でる、極致とも言える、美しいアンサンブルで、ヴァイオリン協奏曲というより、合奏協奏曲といった感じの演奏となっています。
今ではこうした、モダン・ヴァイオリンの響き、アンサンブルの美しさを強調したバロック音楽の演奏はあまり聴くことはできませんが、懐かしく、ため息がでるほど美しい、趣のあるものです。
そのヴァイオリン、バック共に全く角のとれた、そしてひたすら歌い抜いたヴィヴァルディの「四季」を思わせる〝イタリアのバッハ〟がここにあります。フェリックス・アーヨが第2番を、ロベルト・ミケルッチが第1番のソロを弾いています。その録音もヴァイオリン、バック共に絹の手触りを思わせる柔らかい音で、どこにも刺激的なところは無く、それはそれは美しい音楽があるだけです。
1958年5月録音。「世界一美しいオーケストラ」と、トスカニーニの絶賛したイ・ムジチ合奏団は数多くの優秀録音盤を残している。アナログ録音の成熟期に録音されたこのLPはその中でも、極上の一枚である。イ・ムジチの録音は、殆んどがスイスのラ・ショー=ド=フォンにある音楽堂で行われている。1960年代から主にフィリップスが録音用に使い始めた優れた拠点である。イ・ムジチ、イタリア弦楽四重奏団、グリュミオー、シェリング、ヘブラー、ホリガー、アラウらの名盤・名録音を通じて、レコード・ファンには「名録音の代名詞」としてお馴染みの会場です。イ・ムジチの十二名の編成規模に最適な録音会場であり、その特性の優秀性を捉えきった録音スタッフの技術の高さと、プロデューサーの音楽的感性の豊かさを感じる。静寂が保たれたホール内にしっとりとした情感を漂わせるサウンドが展開される。音の響きが暖かく、しかも細部の解像度に優れ、分離よく粒立ちが鮮やかに聴こえる。低弦の動きも明瞭に聴こえる。弦の中から聴こえるチェンバロの冴えて、浮き上がる音は素晴らしい。このような音は、演奏会では聴けない。
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《英 ナローバンド ED4盤》GB DECCA SXL6321 スーク&カッチェン ブラームス・ヴァイオリンソナタ1番/2番/3番 カッチェンがソロで弾くときは、速めのテンポで力感・量感のあるタッチで弾くことが多いのに、ピアノ伴奏をしている時は、やや控えめな柔らかいタッチで、ヴァイオリンにぴったり寄り添うような奥ゆかしさ。ブラームスの室内楽を聴くときは、いつもこのヴァイオリン・ソナタと、シュタルケルも加わったピアノ三重奏曲。ブラームスのヴァイオリン・ソナタは、ヴァイオリンは旋律・分散和音主体で旋律を朗々と歌うのに対して、ピアノはかなり響きに厚みがあって凝った書法で、どうしてもピアノが目立ちがちになる。
甘い音色とロマンティックな旋律でしっとりと優しい雰囲気のヴァイオリン・ソナタの第1番、副題の「雨の歌」はブラームス自身がつけたのではなく、第3楽章の冒頭の旋律が歌曲「雨の歌」から引用されていることからつけられた通称のようなもの。特に「雨」について歌った曲ではないと言われている。
しかし、「雨の歌」は冒頭から柔らかで美しい響きと優しげな雰囲気を持ち、その上に、スークとカッチェンが弾く「雨の歌」は軽やかで繊細さがあるので、窓の外でパラパラと降っている小雨が、時々強くなったり、風に吹かれて由来で降る音に、音楽がしっくりハーモニーを作るのに趣を感じるのです。振りが強くなって時折音楽が霞んでしまうのもファンタジーに浸らせてくれるし、曲が終わる頃に空が明るく晴れ間を見せたりすると、それこそ天の意志を感じるのです。わたしがブラームスを意識して聴いた最初は交響曲第1番でした。何度か繰り返し聴いて、音楽の流れを覚えてしまったぐらいの時でした。夕方聴き始めて、第3楽章から第4楽章に入ったぐらいの時に西陽がレコード・プレーヤーを包み込んだ時に、この音楽を心で感じてしまいました。それから時を得て、《ドイツ・レクイエム》を聴いた時にブラームスと対面した思いがして以来、宗教への敬虔さをブラームスにいつも感じています。
ちょっと雨の音を聴きながら物想いにふけっているような穏やかさがあって、うっとりと聴いてしまうスーク&カッチェンの全集は、カッチェンが亡くなる2年前の1967年録音。この録音当時、カッチェンとスークは40歳前後。音楽の方向性も似ているところがあったせいか、呼吸がぴったり。スークの美音に加えて、カッチェンのピアノの優しく甘い繊細な響きがとても綺麗で、淡い陰翳のあるとても爽やかな叙情感のブラームス。美音で有名なスークのヴァイオリンは、朗々と歌うけれど情緒的にまではならない。音は引き締まってはいるけれど深みも暖かみもあって、豊潤な響きではなくて、ちょっと線が細いが気がするけれど澄んだ響きと細かいニュアンスに落ち着いた品の良さを感じさせる、とても美しい音がする。
カッチェンのピアノは、1960年代後半はかなり演奏の内容が深化して、弱音のタッチや響きが繊細になっていった時期。このヴァイオリン・ソナタ全集もその時期の録音なので、その頃のカッチェンのピアノの弾き方の特徴が良く出ている。ブラームスのピアノ曲全集を録音した時とは違って、ほの暗い翳りが少ない音色。とても柔らかで優しく、透明感のある美しい響きに、ピアノ独奏の時よりも美しいかもしれないと感じさせる。スークのヴァイオリンの表情に変化にぴったりと合わせていて、寄り添うようなピアノがとても奥ゆかしい。ピアノが前面に出るべき時はしっかりと出ているけれど、力強くフォルテで弾く時でも、ヴァイオリンと調和させていくような気遣いが感じられたりする。ピアノは両手十本の指で、和声を奏でられる楽器だけど、ヴァイオリンや管楽器の様に余韻を引くことは出来ない。
合わせて弾くことは格別なのだろうなぁ、と思える典型例、何十年聞いているか数えるまでもないけれど、聴いている間は、まるで即興演奏のライブ録音のようです。それもそのはず録音エンジニアは高名なケネス・ウィルキンソンです。この曲に楽譜があることを疑わせるほど、すべての音が2人の霊感から生まれていて音楽が今まさに即興されているように聴こえます。このレコードはエンジニアの職人気質が垣間見られる名曲、名演奏で名録音の三拍子がそろっています。
NARROW BAND ED4, STEREO 1枚組(140g), Release 1967, Stamper 5W/6W。
オーダーは | 品番 / 34-19030 |
特別価格 | 3,080円(税込) |
通常価格 | 3,850円(税込) |
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