一時は引退を表明して80歳を越えた晩年のワルターは米国は西海岸で隠遁生活送っていたが、米コロンビア社の若き俊英プロデューサー・ジョン・マックルーアに説得されドイツ物中心にステレオ録音開始。その彼のステレオ録音の最初の1枚となったものはマーラーの「復活」です。マーラーの弟子であったワルターが、それまでの手兵ニューヨーク・フィルを指揮してステレオで最初にとりあげたのが『復活』だったというのはまさに僥倖であったといえるでしょう。日本の北斎に譬えられたように、まさに80歳にして立つと言った感じ。引退していたワルターを引っ張り出し、『マーラー直弟子のワルターが伝えるマーラー解釈の神髄。』とコピーが常套句になっていますがワルターの心情はどうだったのか、と考えます。この録音はニューヨーク・フィルとウェストミンスター合唱団。あとに続くレコードのためのオーケストラのとは違ったんじゃないか。
ドイツものとしてマーラーを録音できることに特別な思いを強くしたのではないか。録音は穏和な表情の中にどことなく哀感が漂うような、独特の味わいがあります。低音域を充実させたドイツ的なスタイルで、ロマンティックな情感を適度に盛り込みながら柔らかくたっぷりと歌わせたスケール感豊かな名演。マーラーも、巨匠ワルターの芸風に最もしっくりと馴染む作曲家の一人だったように思う。マーラー直系の愛弟子ですから、当然と言えば当然ですが、同じユダヤ人として時代を共有したものでなければなし得ない強い共感に満ちあふれた演奏を聴かせている。歴史的名盤といえる録音だ。ワルターのステレオ録音が聴けるとは、米コロンビア社の英断に感謝せずにはいられません。
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The post 「人類愛」という最も普遍的なテーマを歌い上げた〜ブルーノ・ワルター、コロムビア響 ベートーヴェン・第9&交響曲8番 first appeared on Classical Notes.]]>入手のメインルートは、英国とフランスのコレクターからですが、その膨大な在庫から厳選した1枚1枚を大切に扱い、専任のスタッフがオペラなどセット物含む登録商品全てを、英国 KEITH MONKS 社製マシンで洗浄し、当時の放送局グレードの機材で入念且つ客観的にグレーディングを行っております。明確な情報の中から「お客様には安心してお買い物して頂ける中古レコードショップ」をモットーに運営しております。