クラシック音楽大楽(学)の門は広く出口は見えない。新入学生は友達100人出来るかな、と期待を胸にやって来る。NHKラジオ放送「音楽の泉」の主題曲としてもおなじみ。この『第3番』は、シューベルトの存命中から愛好され「エール・リュス」(ロシア風歌曲)として有名でしたが現代では日常沙汰の著作権には無頓着。死後数多くの作品が残ったのは、友人たちが熱心に楽譜を出版してくれた賜物でした。
生涯就活に
今年、最後の SP コンサートとなりました。
此の冬は寒さも例年になく厳しいような予報です。皆様方くれぐれも健康に留意されて、一人でも多く蓄音器特有の音を親しんでもらいたいと思っています。
さて 22 日の『第9回 蓄音器を楽しむ会 五福公民館無料コンサート』で聴いて貰うのはシューベルトの交響曲第9番ハ長調「ザ・グレート」。
これは、「この曲の最高」の演奏と言い切っていいだろう。アカデミックな聴き方をしようとしても圧倒され「フルトヴェングラー最高の演奏」と納得させられる。LP レコードで絶大な評価を得ている録音ですが SP レコードで聴くことは、まず無いだろうと思っていました。録音は1951年11月。ベルリン、イエス・キリスト教会でのセッション録音。
テープ収録を SP 盤の各面に合わせてマスタリングを作られたものだろうと思われる。音質は良質なのだから、LP で聴く音色と違うところが感じられるのは少ないだろうとは思います。それでも、とても興味深いことです。
7月29日のバイロイト音楽祭の初日に実況録音されたベートーヴェンの「第九」もある。この年は、フルトヴェングラーの最も多忙な一年となった。『戦争が終わった』とドイツの人々も感慨一入でもあった頃でもあり、演奏は「ドイツ的シューベルト」を微塵も残さず拭い去ろうとした、フルトヴェングラーがやりたいたいように純然と楽譜に書かれていることから音楽を創ることに没頭しています。
戦前、戦中、戦後の五大指揮者に数えられるヴィルヘルム・フルトヴェングラーですがナチに気に入られたことで、ウィーン・フィル、ベルリン・フィルを掌握します。それは楽団員には、フルトヴェングラーのために救われた才能も少なくないでしょう。オーケストラもそれは汲みとっていた、戦時中の演奏だったと思います。
国内から何処に行く事も出来ないドイツ国民の為に本物の音楽を聴かせたい。そういう信念で留まり、それが国民からも賞賛されたのでしょう。
民衆がフルトヴェングラーを賞賛したのは、それを感じていた人達も多かっただろうこと。
戦争時のドイツ・グラモフォンの演奏と、戦後EMIでの録音を聴き比べると音楽に対する姿勢には変化が感じられます。(写真は1952年、ベルリンでの撮影)
※ 今月は第4日曜の開催となりますので、お間違えの無いようにお願いします。
昭和20年後半から昭和30年代には、シューベルトのレコード録音が活発にありました。レパートリーは限られてましたが、シューベルトが歌劇や協奏曲 – トライした形跡はありますが – を残さなかったのでレパートリー自体が偏っていましたが、歌手は各々の個性を表立てた歌唱で録音し、室内楽と交響曲は当時の演奏家はほとんどが有名曲はレコード発売しています。1928年がシューベルトの没後100年。生誕150年に当たる1947年が戦争が終わったムードの中でもあり、勇ましい印象のベートーヴェンに対して子女の音楽とされていたようなシューベルトの数々には、その若鮎が跳ねるような音楽に思う以上に心なごまされていた人達も多かったのではないかしら。没後150年の1978年はステレオ録音でシューベルト全集が書くレーベルで出揃います。
有名な録音なのに、LPレコードの時代に再録音されたためや、ステレオ録音の名盤があるためにSPレコードでだけで聞くことができる忘れられた演奏家の音盤も少なくありません。下半期はシューベルトのレコードを集中鑑賞しましょう。持ち寄りコンサートでは、熊本の歌を3回にわたって大特集します。ご当地物のレコードも非常に活発で、知られていない歌が多いのに驚きです。
熊本博物館で毎月第4日曜日に開催してきた、蓄音器でレコードを楽しむコンサート。その平成25年度の全期予定です。
但し、今年度から「SPレコードを蓄音器で楽しむ会」として熊本市中央区細工町にある五福まちづくり交流センターで行う運びとなりました。中心部から外れますが市電、市バス、各路線バスや環状線の運行が頻繁で公共交通機関での利用が便利です。
併せて熊本の古い町並みを楽しめます。入館料は無料です。
前期は第2部の内容は「持ち寄りコンサート」。家庭に眠っているSPレコードを会場にお持ちください。
月日 | 第1部 | 第2部 |
4.28 | ヴェルディ作曲 歌劇『椿姫』ハイライト | 持ち寄りコンサート |
5.19 | ベートーヴェン作曲 ヴァイオリン・ソナタ 第1番、2番 | 持ち寄りコンサート |
6.23 | ベートーヴェン作曲 ヴァイオリン・ソナタ 第3番、4番 | 持ち寄りコンサート |
7.28 | ベートーヴェン作曲 ヴァイオリン・ソナタ 第5番『春』、6番 | 持ち寄りコンサート |
8.25 | ベートーヴェン作曲 ヴァイオリン・ソナタ 第7番、8番 | 持ち寄りコンサート |
9.22 | ベートーヴェン作曲 ヴァイオリン・ソナタ 第9番『クロイツェル』、10番 | 持ち寄りコンサート |
10.20 | シューベルト作曲 楽興の時 | 持ち寄りコンサート |
11.24 | シューベルト作曲 ピアノ五重奏曲『ます』 | 持ち寄りコンサート 同じタイトルの曲の聴き比べ |
12.22 | シューベルト作曲 交響曲第9番『グレート』 | 持ち寄りコンサート 動物の名前のつく歌, 熊本の歌Vol.1 |
1.26 | ニューイヤーコンサート | 持ち寄りコンサート 熊本の歌Vol.2 |
2.23 | シューベルト作曲 歌曲集 | 持ち寄りコンサート 熊本の歌Vol.3 |
3.23 | シューベルト作曲 曲目未定 | 持ち寄りコンサート |
※10月第4週は、毎年五福公民館の文化発表会が行われます。そのため、第3日曜日の開催です。
マップ
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