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オペラ | Classical Notes https://blog.amadeusclassics.com 世界の名曲とレコードを最高峰の音で観賞 Thu, 10 Dec 2015 16:44:20 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.9.5 https://i0.wp.com/blog.amadeusclassics.com/analogsound/wp-content/uploads/2015/08/cropped-deccalegends.jpg?fit=32%2C32&ssl=1 オペラ | Classical Notes https://blog.amadeusclassics.com 32 32 97025125 ホワイトエンジェル★マリア・カラスのステレオ録音◉プレートル指揮パリ管 プッチーニ:歌劇《トスカ》全曲 – HMV SAN 149-150 https://blog.amadeusclassics.com/entry-1715 Mon, 13 Oct 2014 09:49:47 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=1715 テバルディもいいけど、トスカはカラスがとどめを刺す。プッチーニを聽くのか、トスカのドキュメンタリーを見るのか。音楽を見るというのもおかしなものだけど、オペラはドラマだと、言い切れるなら作曲家の音楽よりもこのカラスの歌唱ほど、トスカになりきっている録音はないでしょう。これが映像化されていれば、数あるオペラ映画は霞んでしまっているはずです。ステレオで録音されたカラスの数少ないレコーディング中で、これ以上に望めない。

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快刀乱麻の言葉が正に相応しい。アピールすべきをズバリ、堂々と誇らしげに表現している。
気がつけば半世紀ずっと君臨しているのは、流行や風潮に流されやすい世の中でガッツリ伝えたいことだけを強調した演奏だからでしょう。プレートル(90歳)自らも「私は単なる指揮者ではなく解釈者である」と述べていることから伝統的な演奏形式を踏襲しない解釈に関しては評価の分かれるところである。
しかし、2014年時点でスクロヴァチェフスキ(91歳)やマリナー(90歳)と共に1920年代に生まれた最高齢現役指揮者の一人であり、その高い独創性と華やかな創造力による比肩のない演奏は一聴に値する。かねてから手がけていたリヒャルト・シュトラウスのオペラに加え、様々なドイツ音楽との関わりを深め、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーの交響曲を中心に構成されたツィクルスでも伝統的な演奏形式を踏襲しない型破りの解釈だったことでも言える。

プレートルの知名度を挙げるひとつの契機となったマリア・カラスとの共演は、1961年に行われた『パリのマリア・カラス』の録音で、カラス本人がプレートルをお気に入りの指揮者として指名したことに始まる。カラスは歌手としてすでに下り坂にあり、実際にはコンサートツアーにおける13回の共演と18回のオペラでの共演記録しか残っていない。録音としても正式なスタジオ録音としては、ビゼーの『カルメン』全曲と、カラスにとって2回目のスタジオ録音であるプッチーニの『トスカ』全曲、フランス・オペラ・アリア集『パリのマリア・カラス』の3録音しか残されていない。

往々快刀乱麻を断つ(がい)がある。

マリア・カラスの表現は、ビブラートもちょっと耳につく感じもあり、とにかくアクは強いです。技術的には完ぺきではないんですけど、音楽が生きていると言うんですかね。なんと言ってもプレートル/パリ国立歌劇場o.の音色にラテン的な明晰さがあふれているのがいいですね。しかも軽妙なリズムで覇気があります。非常に快活で生き生きしてるのです。旋律ものびのびと歌ってます。ホルンの軽い音色にかかるヴィブラート、これがまたフランス的で粋ですね。なかなかこの生命力はいいですね。

生命感と強い説得力がある録音が気がつけば半世紀経過しようとしている。録音1964年12月。

[notification type=”alert-info” close=”false” ]
【オペラ】☆アナログレコード/通販レコード☆
作曲/曲目
プッチーニ: 歌劇《トスカ》全曲

Catalog: 英HMV:SAN 149-50

演奏者
パリ音楽院 管弦楽団
パリ国立 合唱団
マリア・カラス ソプラノ
カルロ・ベルゴンツィ テノール
ティト・ゴッビ バリトン
ジョルジュ・プレートル 指揮
[/notification]


CD: http://amzn.to/151fhoL

金白抜ニッパー,コート箱,2枚組

[toggles class=”order-ditail”] [toggle title=”演奏と録音”]

演奏と録音℗ 1965,カラスの 1964 年2回目ステレオ録音,リブ付

[/toggle] [toggle title=”コンディション”]

コンディション1面9・11h音に出ないスレ・2面2h 18回出るスジある

[/toggle] [toggle title=”価格”]
価格 31,500 円
[/toggle] [toggle title=”オーダーについて” class=”in”]
商品詳細: http://astore.amazon.co.jp/amadeusclassics-22

アナログレコードの通販 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e692819.html

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花が誘う 歌物語~第57回ニューイヤーオペラコンサート https://blog.amadeusclassics.com/entry-3049 Thu, 02 Jan 2014 20:22:42 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=3049 NHKホールから生放送でお送りする、新春恒例のニューイヤーオペラコンサート。オペラの名場面、名アリアを日本を代表するオペラ歌手たちが今年は「花が誘う歌物語」と題し、花をテーマにした名曲の数々を披露します。

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第57回ニューイヤーオペラコンサート
~花が誘う 歌物語~
放送:2014年1月3日 夜7時~9時 Eテレ・FM生放送

オペラの名場面、名アリアを日本を代表するオペラ歌手たちが披露するニューイヤーオペラコンサート。今年は「花が誘う歌物語」と題し、花をテーマにした名曲の数々をお届けします。

特別ゲストとしてウィーン・リング・アンサンブルが登場。喜歌劇「こうもり」の名旋律を聞かせてくれます。またトークゲストとして華道家の假屋崎省吾さん、演出家の宮本亜門さんが登場します。

NHKホールから生放送でお送りする、新春恒例のニューイヤーオペラコンサート。

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主催 NHK、NHKプロモーション
日時 平成26年1月3日(金) 開場:午後6時
開演:午後7時
終演予定:午後9時
会場 NHKホール  (東京都渋谷区神南2-2-1)
出演者(五十音順) [ソプラノ] 安藤赴美子、大村博美、木下美穂子、幸田浩子、腰越満美
佐々木典子、砂川涼子、中村恵理、森麻季
[メゾ・ソプラノ] 谷口睦美、林美智子、藤村実穂子、山下牧子
[カウンターテナー] 藤木大地
[テノール] 小原啓楼、錦織健、福井敬、村上敏明、与儀巧
[バリトン] 久保和範、堀内康雄
[バス] 妻屋秀和
[合唱] 新国立劇場合唱団、二期会合唱団、藤原歌劇団合唱部
[管弦楽]
[指揮]
東京フィルハーモニー交響楽団
下野竜也
[特別ゲスト] ウィーン・リング・アンサンブル
[トークゲスト] 假屋崎省吾(華道家)、ライナー・キュッヒル(ウィーン・フィル コンサートマスター)、宮本亜門(演出家)
[司会] 鎌倉千秋アナウンサー

予定ラインナップは以下の通り。

  1. 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」から開幕の合唱「オレンジの花はかおり」(マスカーニ) 出演:全員
  2. 歌劇「ラクメ」から「花の二重唱」(ドリーブ) 出演:幸田浩子(ラクメ/ソプラノ)、林美智子(マリカ/メゾ・ソプラノ)
  3. 歌劇「カルメン」からハバネラ「恋は野の鳥」(ビゼー) 出演:谷口睦美(カルメン/メゾ・ソプラノ)(初出演)
  4. 歌劇「カルメン」から「お前が投げたこの花は」(ビゼー) 出演:村上敏明(ドン・ホセ/テノール)
  5. 歌劇「蝶々夫人」から花の二重唱「桜の枝をゆすぶって」(プッチーニ) 出演:大村博美(蝶々夫人/ソプラノ)、山下牧子(スズキ/メゾ・ソプラノ)
  6. 歌劇「蝶々夫人」から「愛の家よ、さようなら」(プッチーニ) 出演:小原啓楼(おはらけいろう)(ピンカートン/テノール)、久保和範(シャープレス/バリトン)
  7. 歌劇「ジャンニ・スキッキ」から「フィレンツェは花咲く木のように」(プッチーニ) 出演:与儀(よぎ)巧(リヌッチョ/テノール)(初出演)
  8. 歌劇「ジャンニ・スキッキ」から「私のお父さん」(プッチーニ) 出演:安藤赴美子(ラウレッタ/ソプラノ)
  9. 歌劇「ばらの騎士」から三重唱「心から愛しています」(リヒャルト・シュトラウス) 出演:佐々木典子(ウェルデンベルク侯爵夫人/ソプラノ)、林美智子(オクタヴィアン/メゾ・ソプラノ)、砂川涼子(ゾフィー/ソプラノ)
  10. 「こうもりカドリール」(ヨハン・シュトラウス) 演奏:ウィーン・リング・アンサンブル
  11. 喜歌劇「こうもり」からチャールダーシュ「ふるさとの調べよ」(ヨハン・シュトラウス) 出演:腰越満美(こしごえまみ)(ロザリンデ/ソプラノ) 演奏:ウィーン・リング・アンサンブル
  12. 喜歌劇「こうもり」から「夜会は招く」(ヨハン・シュトラウス) 出演:新国立劇場合唱団、二期会合唱団、藤原歌劇団合唱部
  13. 喜歌劇「こうもり」から「侯爵様、あなたのようなお方は」(ヨハン・シュトラウス) 出演:幸田浩子(アデーレ/ソプラノ)、新国立劇場合唱団、二期会合唱団、藤原歌劇団合唱部
  14. 歌劇「無口な女」から「音楽はなんて美しいんだろう」(リヒャルト・シュトラウス) 出演:妻屋秀和(モロズス/バス)
  15. 歌劇「タンクレーディ」から「君がこの心を燃え立たせ」(ロッシーニ) 出演:藤木大地(タンクレーディ/カウンターテナー)
  16. 歌劇「ルイーズ」から「その日から」(シャルパンティエ) 出演:森麻季(ルイーズ/ソプラノ) 低い音も安定しているソプラノ
  17. 歌劇「マクベス」から「あわれみも、ほまれも、愛も」(ヴェルディ) 出演:堀内康雄(マクベス/バリトン)
  18. 歌劇「ロメオとジュリエット」からジュリエットのワルツ「私は夢に生きたい」(グノー) 出演:中村恵理(ジュリエット/ソプラノ)(初出演)
  19. 歌劇「トスカ」から「歌に生き、愛に生き」(プッチーニ) 出演:木下美穂子(トスカ/ソプラノ)
  20. 歌劇「トスカ」から「星はきらめき」(プッチーニ) 出演:錦織健(カヴァラドッシ/テノール)
  21. 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から優勝の歌「朝はばら色に輝き」(ワーグナー) 出演:福井敬(ワルター/テノール)、妻屋(つまや)秀和(ザックス/バス)、新国立劇場合唱団、二期会合唱団、藤原歌劇団合唱部
  22. 歌劇「ナクソス島のアリアドネ」のプロローグから「音楽は神聖な芸術です」(リヒャルト・シュトラウス) 出演:藤村実穂子(作曲家/メゾ・ソプラノ)
  23. 歌劇「椿姫」から乾杯の歌「友よ、さあ飲みあかそう」(ヴェルディ) 出演:全員

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:下野竜也
司会:鎌倉千秋アナウンサー
トークゲスト:假屋崎省吾(華道家)、ライナー・キュッヒル(ウィーン・フィル コンサートマスター)、宮本亜門(演出家)

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【34-12352】米 WESTMINSTER GOLD WGSO8176 スワロフスキー指揮 、大交響楽団 ワーグナー:ワルキューレ https://blog.amadeusclassics.com/entry-2406 Sat, 07 Sep 2013 08:38:51 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=2406 通販レコード。カーキ色黒文字ラベル。ボックス美品。ワーグナー録音史上に名高いスワロフスキーの『指環』ワーグナーファンにはおなじみ。カラヤンとの競演をしたクニプロヴァーのブリュンヒルデが一番聴かせる。室内楽のウェストミンスター。声楽、オペラはユニーク。斬新な演出の起爆剤にもなっているだろうほどに、センセーショナルだった。

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曖昧さのない理知的なリング。これこそドイツのワーグナー。

US WESTMINSTER GOLD WGSO8176-5 Hans SWAROWSKY , Süddeutsche Philharmonie Oechestra, Gerald McKee, Ditha Sommer, Otto von Rohr, Rolf Polke, Naděžda Kniplová, Ruth Hesse – Wagner : Die Walküre

カラヤンはワーグナーのチクルスを、ワルキューレから開始。これがなんとも美しい。爛熟の美を磨かせたらカラヤンは天下一品。そしてスリル満天。ワーグナーの、と言うよりカラヤンのテクニックで昇天させられてしまいます。その同じ時期にヨーロッパの劇場で生え抜きのキャスティングを揃えて、ドイツの実力派歌手たちの歌の饗宴は堂にいったものです。カラヤンが「台詞の意味を考えて歌うことを重視」した、その狙いがスワロフスキーのワーグナーに向けた挑戦だったのでしょう。

門下生はクラウディオ・アバド、ズービン・メータ、マリス・ヤンソンスなど多数。彼らを教えたハンス・スワロフスキーの音楽は、理知的で曖昧さを許さない『指環』と成りました。ワーグナー・ファンが『指環』の基準に扱うようにワーグナー録音史上に名高い。

室内楽のウェストミンスター。声楽、オペラはユニーク。

この9月、ワーグナー生誕 200 年を記念してキング・インターナショナルから 14CD で発売。その解説書によると、このスワロフスキーの『指環』はドイツの「Polyband」社とイタリアの「Fratelli Fabbri」社の企画だったそうです。
1968年8月にニュルンベルクで一気にセッション録音されました。LPでは米国のウェストミンスター社からの発売。ユニークなボックス4つのデザインはアメリカらしい仕上がりながら、色物視されたのでしょうか。ワーグナー通のレコード愛好家が紹介しているぐらいというのが、日本事情でしょう。

ウェストミンスター盤では『大交響楽団』となっていますが、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団およびプラハ国立歌劇場管弦楽団の団員から成るので、弦楽器のアンサンブルはバイロイト音楽祭管弦楽団にもベルリン・フィルもここまではかなわない。

聴きどころは…

なかでもナジェルダ・クニプロヴァーのブリュンヒルデが一番聴かせる。バイロイト音楽祭に出演していない歌手たちで揃えたカラヤンのザルツブルク復活音楽祭での、ブリュンヒルデが印象に残っていますね。
マレク・ヤノフスキのリングでの歌手たちの精密すぎるほど揃ったオラトリオのような『指環』が好きなら、その『ワルキューレ』はこちらと交換してもいいかなと思います。
「ワルキューレ」の録音は、1968年8月3,6,8-12日。

ノート

曲目:
楽劇《ワルキューレ》
作曲:
ワーグナー

演奏

ソプラノ:
ナジェルダ・クニプロヴァー
ソプラノ:
ディータ・ゾンマー
テノール:
ジェラルド・マッキー
バス:
オットー・フォン・ロール
指揮:
ハンス・スワロフスキー
オーケストラ、合唱:
大交響楽団(チェコ・フィルハーモニー管弦楽団およびプラハ国立歌劇場管弦楽団の団員から成る)

プロダクト

レーベル:
米 WESTMINSTER GOLD
レコード番号:
WGSO-8176
初版:
カーキ色黒文字ラベル。
録音種別
セッション・ステレオ
録音年
1968年7月29日-31日、8月1,14,15日、ニュルンベルク
フォーマット
5LP

通販レコード オーダー番号 34-12352

コンディションと価格
リンク先で確認

中古品につき売却済みの際はご容赦ください。

レコードカルテ

Record Label KHAKI WITH BLACK LETTERING
Recording & Weight STEREO 5枚組(140g/130g/115g/125g/130g)
Release & Stamper 1972 ⓅABC RECORDS,INC.
コンディション
EX
ジャケット M-
  • Disc : 盤は5枚組。5枚目の二面に1cm未満のごくごく軽微な斜めの擦れが3本あります。軽微なノイズが出ます。
  • Cover : ジャケットはボックス仕様。コンディションは良好。解説書付き。
価格
中古市場での目安価格 4,000 円
販売価格 4,000 円

北海道・沖縄を除き全国一律 525円です。10,000円以上のお買い上げで送料無料となります。

詳細 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e789421.html

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言葉で表現できなくなった時、音楽が始まる https://blog.amadeusclassics.com/entry-1873 Fri, 26 Apr 2013 13:30:31 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=1873 江戸時代末期と重なるので、ヴィオレッタとアルフレートの関係を吉原の花魁とお金持ちの若旦那。海と陸の美しい田舎がアルフレートの出身ですから、江戸に荷物を運んできて廓通いに夢中になった若旦那、ジョルジュ・ジェルモンはその大旦那かお目付け役の大番頭さんとしたら、日本人としては解りやすい置き換えではないでしょうか。

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ドビュッシーが生まれる1862年以前のオペラ作品ですが、機能和声の中で充実している。革新的では無いのに、新鮮な響きが常に楽しめます。そこがヴェルディ・オペラの分かりやすさではありますが、晩年、ヴァーグナー死語にヴェルディの作風は無長音階を取り入れていきます。
お話に破綻や矛盾、勧善懲悪がないだけでなく台本の良さでしょうか、台詞のやり取りが現代にも時代感を感じさせない。登場人物の心情変化を言葉は表現を尽くしているし、歌、重唱、合唱、管弦楽、バレエのオペラの必要な要素は最上の音楽。演出もしやすいように映画的手法も感じられます。
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第3幕はヴィオレッタの寝室だけでドラマが展開しますが、カーニバルで浮かれる歌や踊りが喧騒として窓の外に聞こえてきます。レコードではこの合唱を遠くから聞こえてくるように録音だけで聴いていてもドラマが理解しやすい。

第3幕への前奏曲 Prelude 3:37

第1幕前奏曲と同じ音楽が、やはり弦楽合奏で始まる。いっそう悲痛な調子で演奏され、アルフレードに愛を告げる音楽はもはや登場しない。切れ切れになったフレーズでひっそりと、弱々しく終わる。前奏曲として同じ音楽を二度使うのは、数あるオペラの中で唯一だろう。同じ音楽が弦楽器だけになるだけで、芯のない不安感を増すものか。ヒロイン、ヴィオレッタの精神状態を表しているようです。

第3幕

季節はめぐり、冬のカーニヴァルシーズン。
ヴィオレッタの寝室で、肺結核が進行していた。窓の内戸も閉ざされカーテンは、表の様子が伺える程度開いているだけ。窓の外を通り過ぎる人々の賑やかな騒ぎと、ひっそりとした室内の様が対照的。ヴィオレッタの生命は尽きかけていた。

財産はクローゼットにわずかに残っているだけ、使用人は去り召使のアンニーナだけが時折世話に訪れる。
溌剌とした第一幕の演技、色っぽい第二幕の演技、そして(はかな)げな第三幕と歌い分けの難しさとともに、ソプラノの見せ場です。オペラ全体の3分の1はある第3幕ですが、ドラマは殆ど動きのないまま。
幕が上がると、ヴィオレッタがベッドに寝ている。彼女はアルフレードの帰りを今か今かと待ちわびている。
「アルフレードは男爵と決闘した後、国外に出た。戻ってきたら、ヴィオレッタとの交際を許そう。」
何度となく読んだジョルジョからの手紙をもう一度読む(ここは歌わずにほとんど朗読する)。
読み終わった彼女は一言「もう遅いわ!」と叫び、過ぎた日を思って歌う(「過ぎし日よ、さようなら」)。
「ああ、もう全ておしまい」と絶望的に歌い終わると、外でカーニバルの行進の歌声が聴こえる。
医師がやってきてヴィオレッタを診察し励ますが、アンニーナにはもう長くないことを告げる。そこにとうとうアルフレードが戻ってくる。再会を喜ぶ二人は、パリを出て田舎で二人楽しく暮らそうと語り会う(「パリを離れて」)。

しかし、死期の迫ったヴィオレッタは倒れ臥す。あなたに会えた今、死にたくないとヴィオレッタは神に訴える。そこに医師や父ジェルモンが現れるが、どうすることもできない。ヴィオレッタはアルフレードに自分の肖像を託し、いつか良い女性が現れてあなたに恋したらこれを渡して欲しいと頼む。
彼女は「不思議だわ、新しい力がわいてくるよう」といいながらこと切れ、一同が泣き伏すなかで幕となる。

あの人を待ってるの、待ってるの、もう誰も来てくれない(シェーナとアリア) Addio, del passato 2:07

Addio, del passato bei sogni ridenti,
Le rose del volto già son pallenti;
L’amore d’Alfredo pur esso mi manca,
Conforto, sostegno dell’anima stanca
Ah, della traviata sorridi al desio;
A lei, deh, perdona; tu accoglila, o Dio,
Or tutto finì.
Le gioie, i dolori tra poco avran fine,
La tomba ai mortali di tutto è confine!
Non lagrima o fiore avrà la mia fossa,
Non croce col nome che copra quest’ossa!
Ah, della traviata sorridi al desio;
A lei, deh, perdona; tu accoglila, o Dio.
Or tutto finì!

さようなら、過去の楽しく美しい夢よ、
顔のバラも蒼ざめてしまった、アルフレードの愛もない、それだけが慰めであり、支えだったのに、ああ!道を誤った女の願いを聞いてください。
どうかお許しください、神よ、御許にお迎えください。
ああ、全て終わった。
喜びも悲しみも、もうすぐ終わりをむかえる、お墓は、全ての者にとって終末なのです!
私のお墓には、涙も花もないでしょう、私の上には、名を刻んだ十字架もないでしょう!
ああ!道を誤った女の願いを聞いてください。
どうかお許しください、神よ、御許にお迎えください。
ああ、全て終わった。

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愛する人よ、パリを離れよう(シェーナと二重唱) Signora! … Che t’accadde? – Parigi, o cara 5:20

Null’uomo o demone, angelo mio,
Mai più staccarti potrà da me.
Parigi, o cara/o noi lasceremo,
La vita uniti trascorreremo:
De’ corsi affanni compenso avrai,
La mia/tua salute rifiorirà.
Sospiro e luce tu mi sarai,
Tutto il futuro ne arriderà.

もう誰も、悪魔であれ天使であれ、私たちを引き離せない。
愛する人よ、パリを離れよう、そして人生を共に過ごそう、これまでの苦しみは報われる、君の/私の健康も甦るだろう。
あなたは私の命であり、光となる、未来は私たちに微笑むだろう。

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歌劇《椿姫》ハイライト 第2幕から プロヴァンスの海と大地 https://blog.amadeusclassics.com/entry-1836 Fri, 26 Apr 2013 03:34:01 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=1836 「父さん!」
「息子よ!何を苦しんでいるんだ、涙を拭いなさい。そして、もう一度戻ってきておくれ。故郷の海と大地が待っている」

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第2幕第1場(つづき)

神よ、力を与えてください!・・・『アルフレード、この手紙が届く頃には・・・』
ヴィオレッタはアルフレード宛の手紙を書いて召使のアンニーナに託します。
帰宅したアルフレードに、その手紙が届く頃にはヴィオレッタはもういません。
『ああ!」
手紙を読んで、雷に打たれたかのような嘆き声を上げるアルフレード。振り返ると父ジェルモンがいます。叫びながらアルフレードは父の胸の中に飛び込みます。

LaTraviata
「父さん!」
「息子よ!何を苦しんでいるんだ、涙を拭いなさい。そして、もう一度戻ってきておくれ。故郷の海と大地が待っている」。

プロヴァンスの海と大地を(シェーナとアリア) – Di Provenza il mar 3:35

[one_third]
GERMONT
Di Provenza il mar, il suol – chi dal cor ti cancello?
Al natio fulgente sol – qual destino ti furò?
Oh, rammenta pur nel duol – ch’ivi gioia a te brillò;
E che pace colà sol – su te splendere ancor può.
Dio mi guidò!
Ah! il tuo vecchio genitor – tu non sai quanto soffrì
Te lontano, di squallor il suo tetto si coprì
Ma se alfin ti trovo ancor, – se in me speme non fallì,
Se la voce dell’onor – in te appien non ammutì,
Dio m’esaudì!Né rispondi d’un padre all’affetto?
[/one_third][two_third_last]

プロヴァンスの海と大地を、誰がお前の心から奪ったのだ?
故郷の輝かしい太陽から、いかなる運命がお前を奪った?
苦しいのなら思い出せ、そこでは喜びに包まれていたことを。
お前の平穏は、そこにだけあるということを。
神のお導きなのだ!
年老いた父親の苦しみを、お前は知らないだろう、お前が去ってから、家中が悲しみに覆われていた、だが、お前に会えたのだから、希望が潰えなかったのだから、お前の名誉の声が、まだ聞こえていたのだから、神はお聞き届けくださったのだ!

父親の愛情に応えてくれないのか?[/two_third_last]

第2幕第2場

父親の願いどおりに故郷、プロヴァンスに変えるかと見えましたが、おっとどっこい。一波乱起こらなければメロドラマでも終われない。

アルフレードはテーブルの上に、フローラがヴィオレッタに出した招待状を見つけます。
「彼女はパーティーに行ったんだ!すぐにこの恥辱を晴らしに行くんだ!」

ヴィオレッタの女友達、フローラの屋敷。ちょうど仮面舞踏会が開かれている。
ヴィオレッタとあったアルフレードは復縁を迫るが、ジェルモンとの約束で真意を言えないヴィオレッタはドゥフォール男爵を愛していると心変わりを装います。アルフレードはそれに激高、借りは返したと札束をヴィオレッタに投げつける。自分の真意が伝わらず、みんなの面前で侮辱された彼女は気を失う。
一同がアルフレードを非難しているところに父ジェルモンが現れ、息子の行動を諌める。自分のやったことを恥じるアルフレードと、真相を言えない父ジェルモンの独白、アルフレードを思いやるヴィオレッタの独白、ヴィオレッタを思いやる皆の心境をうたい、ドゥフォール男爵はアルフレードに決闘を申し込んで第2幕を終わる。

Traviata AIX acte 2 tableau 2 2

アルフレード、アルフレード、この心の愛のすべてがあなたにはわからないのよ(フィナーレ) – Invitato a qui seguirmi – Ogni suo aver tal femmina – Di sprezzo degno se stesso rende 9:35

GERMONT
Di sprezzo degno se stesso rende
Chi pur nell’ira la donna offende.
Dov’è mio figlio? più non lo vedo:
In te più Alfredo – trovar non so.Io sol fra tanti so qual virtude
Di quella misera il sen racchiude
Io so che l’ama, che gli è fedele,
Eppur, crudele, – tacer dovrò!

自らを軽蔑に値させるのだ、怒りにかられたといえ、婦人を侮辱する者は。
私の息子はどこへ?見ることができない、お前の中に、アルフレードを見つけることが出来ない。

皆の中で私だけが知っている、彼女が胸に秘めた美徳を、私は知っている、彼女の誠実な愛を、だが、残酷にも黙っていなければ!

ALFREDO
Ah sì che feci! ne sento orrore.
Gelosa smania, deluso amore
Mi strazia l’alma più non ragiono.
Da lei perdono – più non avrò.
Volea fuggirla non ho potuto!
Dall’ira spinto son qui venuto!
Or che lo sdegno ho disfogato,
Me sciagurato! – rimorso n’ho.

私は何をしたのだ!恐ろしい。
嫉妬と失恋で魂が引き裂かれ、分別を失くした。
彼女に許してはもらえぬだろう。
彼女を避けようとしたが、出来なかった!
怒りに駆られてここへ来たのだ!
だが、怒りをぶちまけた今、僕はなんて惨めなんだ!自責の念にさいなまれる。

VIOLETTA
Alfredo, Alfredo, di questo core
Non puoi comprendere tutto l’amore;
Tu non conosci che fino a prezzo
Del tuo disprezzo – provato io l’ho!
Ma verrà giorno in che il saprai
Com’io t’amassi confesserai
Dio dai rimorsi ti salvi allora;
Io spenta ancora – pur t’amerò.

アルフレード、アルフレード、私の心の内、全ては愛のためだとは、貴方には理解できないわね、貴方はご存知ないわ、私の愛がこれほどとは、軽蔑を受けてまでも、その証明をするほどとは!
でも、分かる時が来るはずです、どれほど私の愛が深かったのか。
その時は後悔の念から、神がお救いくださるように、私は死してなお、愛し続けます。

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1836
歌劇《椿姫》ハイライト 第2幕から第1場 天使のように純真な娘を、神はお与えくださった。 https://blog.amadeusclassics.com/entry-1841 Thu, 25 Apr 2013 15:24:58 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=1841 娘として抱きしめてください、 強くなれるでしょうから。

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第2幕第1場

華やかな第一幕から、第2幕では艶やかな音楽と雰囲気に変わります。ヴィオレッタとアルフレードはお互いを求め合って華やかな生活を捨てて、パリの郊外のヴィオレッタの屋敷で静かに暮らすことを選んだのです。ジョルジュ・ジェルモンとヴィオレッタ
オペラの中核部分で、1幕と3幕を合わせた長さの中でヴィオレッタ、アルフレード、そこにアルフレードを迎えに来た父親ジェルモンが情感豊かな歌と、心通わせる深い表現で魅了します。登場人物は3人だけ、それにヴィオレッタの召使のアンニーナが加わる。

燃えたぎる心を(シェーナとアリア) – Lunge da lei – De’ miei bollenti spiriti 3:06

アルフレードがヴィオレッタとの幸福な生活に酔いしれています。

ALFREDO
Lunge da lei per me non v’ha diletto!
Volaron già tre lune
Dacché la mia Violetta
Agi per me lasciò, dovizie, onori,
E le pompose feste
Ove, agli omaggi avvezza,
Vedea schiavo ciascun di sua bellezza
Ed or contenta in questi ameni luoghi
Tutto scorda per me. Qui presso a lei
Io rinascer mi sento,
E dal soffio d’amor rigenerato
Scordo ne’ gaudii suoi tutto il passato.De’ miei bollenti spiriti
Il giovanile ardore
Ella temprò col placido
Sorriso dell’amore!
Dal dì che disse: vivere
Io voglio a te fedel,
Dell’universo immemore
Io vivo quasi in ciel.

彼女と離れていては、僕には何の楽しみもない!
もう三ヶ月が過ぎてしまった、ヴィオレッタが僕のために贅沢な暮らしや名誉、華やかな宴を捨ててから。
そこでは褒められるのがあたりまえで、皆が彼女の美しさの奴隷になるのを、眺めていたのに。
そして今は、ここの快適な暮らしに満足し、僕の為に全てを忘れている。彼女の傍にいると、僕は生まれ変わる感じがする。
愛の息吹で甦り、彼女の幸せそうな姿を見ると、全ての過去を忘れてしまう。

僕の燃える心の若き情熱を、彼女は穏やかに和らげてくれた、愛の微笑みで!
彼女が「貴方に忠実に生きたい」と言ったあの日から、この世のことを忘れ、天国にいるようだ。

そこへ召使のアンニーナが帰宅します。旅行用の服を着たアンニーナを見て、アルフレードが理由を尋ねるとパリに馬や馬車、持ち物を売却するために出かけていたと返事します。
ヴィオレッタは貴族のパトロンと手を切っていたので、彼女自身の財産を売却して生活費としていたのでした。
アルフレードは、それに気が付かなかった自分を恥じるとともに売ったものを取り戻そうとパリに向かいます。
La_Traviata_Mof2012

天使のように清純な娘を(シェーナと二重唱) – Madamigella Valery? – Non sapete quale affetto – Un di, quando le veneri – Ah! Dite alla giovine – Morro! La mia memoria 15:53

玄関先の人の気配に、ヴィオレッタがアンニーナを呼びます。訪問者は郵便配達人です。召使のアンニーナがヴィオレッタ宛の郵便物を受け取って、ヴィオレッタのところへ運んできます。ヴィオレッタは郵便物に目を通すと、来客があることをアンニーナに告げます。
程なく来客。アルフレードの父親、ジョルジュ・ジェルモンです。
アルフレードが財産をヴィオレッタに贈ろうとしていることを知ったので、どんな女だろうと会いに来たのです。
ヴィオレッタはアンニーナがパリで売りに出した財産の書類を、父親に見せます。
『あなたは全財産を手放すおつもりなのか?』
『実に立派な心がけだ!』
ヴィオレッタの心情に感じ入るのですが、アルフレードには妹が居て縁談が来ている差し支えるから身を引いて欲しいと頼みます。

GERMONT
Sì.
Pura siccome un angelo
Iddio mi die’ una figlia;
Se Alfredo nega riedere
In seno alla famiglia,
L’amato e amante giovane,
Cui sposa andar dovea,
Or si ricusa al vincolo
Che lieti ne rendea
Deh, non mutate in triboli
Le rose dell’amor.
Ai preghi miei resistere
Non voglia il vostro cor.

そうです。
天使のように純真な娘を、神はお与えくださった。
もしアルフレードが、家族のもとへ戻ることを拒むのなら、娘が愛し愛される青年は、そこに嫁ぐことになっている、あの約束を拒むのです。
私たちを喜ばせていた約束を、どうか愛のバラを、茨に変えないようにしてください。
貴女の心が、私の願いに抵抗しませんように。

VIOLETTA
Ah, no giammai!
Non sapete quale affetto
Vivo, immenso m’arda in petto?
Che né amici, né parenti
Io non conto tra i viventi?
E che Alfredo m’ha giurato
Che in lui tutto io troverò?
Non sapete che colpita
D’altro morbo è la mia vita?
Che già presso il fin ne vedo?
Ch’io mi separi da Alfredo?
Ah, il supplizio è si spietato,
Che morir preferirò.

ああ、嫌です絶対に!
ご存じないのですね、どれほど激しい愛情が、私の胸のうちにあるのかを?
私には友人も、身寄りもこの世にはいないということを?
アルフレードが、それらの代わりになると、誓ってくれたことを?
ご存知ではないのですか、私の体が病魔に侵されているのを?
すでに最後の時が近いというのを?
それでもアルフレードと別れろと?
ああ、あまりにも酷い仕打ちです、いっそ死んだほうがましです。

迫る父親と嫌がるヴィオレッタ。説得するうちにヴィオレッタの健気さに尊敬は抱くが、結婚話が来ている娘のことを思うと強気に出ざるをえない良い人物なんだけど、保守的な良識を離れることが出来ない父親の姿。ここでオペラのタイトルである「ラ・トラヴィアータ La Traviata = 堕落した女」が後悔と嘆きを込めてヴィオレッタの歌の中に出てきます。ヴィオレッタの生まれ素性はオペラの中で表立って登場しないのですが、ヴィオレッタが娼婦になって生きて行かなければいけなかったのは、江戸時代の花魁と同様な理由でしょう。

GERMONT
Ah, dunque sperdasi
Tal sogno seduttore
Siate di mia famiglia
L’angiol consolatore
Violetta, deh, pensateci,
Ne siete in tempo ancor.
È Dio che ispira, o giovine
Tai detti a un genitor.

ああ、ですから諦めるのです、
そのような儚い夢を、そして私の家族の救いの天使になってください。
ヴィオレッタさん、考えてください。
まだ間に合うのですから。
若いご婦人よ、神様なのです、このような言葉を言わせ給うのは。

VIOLETTA
Così alla misera – ch’è un dì caduta,
Di più risorgere – speranza è muta!
Se pur beneficio – le indulga Iddio,
L’uomo implacabile – per lei saràDite alla giovine – sì bella e pura
Ch’avvi una vittima – della sventura,
Cui resta un unico – raggio di bene
Che a lei il sacrifica – e che morrà!

ひとたび堕ちてしまった女には、立ち上がる希望などないのね!
例え慈悲深い、神がお許しくださっても、人はそんな女に、容赦はしないんだわ

美しく清らかなお嬢様に、お伝えしてください、不幸にも犠牲を払う女がいると、一筋の幸せの光しか残されていないのに、お嬢様のために、それを諦め死んでゆくと!

ついに要求を受け入れ、ヴィオレッタは身を引くことを決心する。
ヴィオレッタを娘のように感じる父親、ジェルモンを本当の父親のように慕う娘。

娘として抱きしめてください、強くなれるでしょうから。
まもなく彼は、貴方様の許に戻るでしょう、言葉では表せぬほど傷ついて。早く戻って、彼を慰めてあげてください。

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1841
歌劇《椿姫》ハイライト 第一幕から 心に思い描いていた夢の人 https://blog.amadeusclassics.com/entry-1824 Thu, 25 Apr 2013 08:04:40 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=1824 幸せなある日、天使のように(ワルツと二重唱) – Un di, felice, eterea 2:53 みんなが別室に移動して最後にヴィオレッタがついて行こうとした所で、彼女はめまいがして椅子に座り込む。そこ…

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幸せなある日、天使のように(ワルツと二重唱) – Un di, felice, eterea 2:53

みんなが別室に移動して最後にヴィオレッタがついて行こうとした所で、彼女はめまいがして椅子に座り込む。そこにアルフレードが声をかけます。
『こんな生活をしていてはいけません。一年前からあなたを好きです。』
『そのお気持ちだけいただきます。本気にならないでください。』とヴィオレッタは返事します。

ALFREDO
Ah sì, da un anno.
Un dì, felice, eterea,
Mi balenaste innante,
E da quel dì tremante
Vissi d’ignoto amor.
Di quell’amor ch’è palpito
Dell’universo intero,
Misterioso, altero,
Croce e delizia al cor.

ええ 一年前からです。
ある日、幸せに満ちたように、私の前に稲光のごとく現れたのです。
あの日以来私は震えながら、未知の愛に生きてきたのです。
その愛はときめき、全宇宙の鼓動、神秘的にして気高く、心に苦しみと喜びをもたらす。

VIOLETTA
Ah, se ciò è ver, fuggitemi
Solo amistade io v’offro:
Amar non so, né soffro
Un così eroico amor.
Io sono franca, ingenua;
Altra cercar dovete;
Non arduo troverete
Dimenticarmi allor.

それならば私を避けてください。
貴方には友情のみを差し上げます。
私は愛を知りませんし、そのような尊い愛を受けることは出来ません。
正直に申し上げます。
他の人をお探しください。
そうすれば、私を忘れることは
難しくはないでしょう。

GRETA GARBO É A ESTRELA DO PRÓXIMO CINE ARTE

不思議だわ!-ああ、そはかの人か – 花から花へ(シェーナとアリア) – E strano! – Ah, fors’ e lui – Follie! Follie! – Sempre libera 6:51

アルフレードと再会の約束に、椿の花を手渡すヴィオレッタ。一人残り、物想いにふける。
「不思議だわ」と純情な青年の求愛に心ときめかせている自分の心境をいぶかる。そして、彼こそ今まで待ち望んできた真実の恋の相手ではないかと考える(「ああ、そは彼の人か」)。
しかし、現実に引き戻された彼女は「そんな馬鹿なことをいってはいけない。自分は今の生活から抜け出せる訳が無い。享楽的な人生を楽しむのよ」と自分に言い聞かせる。(「花から花へ」)
彼女の中でアルフレードとの恋愛を肯定するもう一人の自分との葛藤に、千々に乱れる心を表す、コロラトゥーラ唱法を駆使した華やかな曲で第一幕は幕切れとなる。

VIOLETTA
È strano! è strano! in core
Scolpiti ho quegli accenti!
Sarìa per me sventura un serio amore?
Che risolvi, o turbata anima mia?
Null’uomo ancora t’accendeva O gioia
Ch’io non conobbi, essere amata amando!
E sdegnarla poss’io
Per l’aride follie del viver mio?Ah, fors’è lui che l’anima
Solinga ne’ tumulti
Godea sovente pingere
De’ suoi colori occulti!
Lui che modesto e vigile
All’egre soglie ascese,
E nuova febbre accese,
Destandomi all’amor.
A quell’amor ch’è palpito
Dell’universo intero,
Misterioso, altero,
Croce e delizia al cor.
A me fanciulla, un candido
E trepido desire
Questi effigiò dolcissimo
Signor dell’avvenire,
Quando ne’ cieli il raggio
Di sua beltà vedea,
E tutta me pascea
Di quel divino error.
Sentìa che amore è palpito
Dell’universo intero,
Misterioso, altero,
Croce e delizia al cor!Follie! follie delirio vano è questo!
Povera donna, sola
Abbandonata in questo
Popoloso deserto
Che appellano Parigi,
Che spero or più?
Che far degg’io!
Gioire,
Di voluttà nei vortici perire.
Sempre libera degg’io
Folleggiar di gioia in gioia,
Vo’ che scorra il viver mio
Pei sentieri del piacer,
Nasca il giorno, o il giorno muoia,
Sempre lieta ne’ ritrovi
A diletti sempre nuovi
Dee volare il mio pensier.

おかしいわ!不思議ね!心の中に彼の言葉が刻まれている!
真実の愛は、私には不幸なのかしら?
私の乱された心よ、どうすればいいの?
今まで心を燃え上がらせる方などいなかった。
今まで知らなかった喜びだわ、愛し合うことなんて!
私はそれを退けることが出来るかしら?
不毛で愚かな私の生き方のために。

ああ、きっと彼だったのよ、喧騒の中でも孤独な私の魂が、神秘的な絵の具で思い描いていたのは!
彼は慎み深い態度で病める私を見舞ってくれて、新たな情熱を燃やし、私を愛に目覚めさせたんだわ。
その愛はときめき、全宇宙の鼓動、神秘的にして気高く、心に苦しみと喜びをもたらす。
無垢な娘だった私に、不安な望みを描いてくれたの、とても優しい将来のご主人様は。
空にこの人の美しさが放つ光を見たとき、私の全てはあの神聖な過ちでいっぱいでした。
私は感じていたのです、愛こそが全宇宙の鼓動であり、神秘的にして気高く、心に苦しみと喜びをもたらすと!

馬鹿な考え!これは虚しい夢なのよ!
哀れな女、ただ一人見捨てられた女、人々がパリと呼ぶ、人の砂漠の中に。
今更何を望めばいいの?
何をすればいいの?
楽しむのよ、喜びの渦の中で消えていくのよ。
私はいつも自由に、快楽から快楽へと遊べばいいの、
私が人生に望むのは、快楽の道を歩み行くこと、夜明けも日暮れも関係ない、華やかな場所で楽しくして、いつも快楽を求め、私の思いは飛び行かなければならないの。

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1824
ラ・トラヴィアータってこら、どぎゃんかならんかい https://blog.amadeusclassics.com/entry-1799 Thu, 25 Apr 2013 06:42:10 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=1799 江戸時代末期と重なるので、ヴィオレッタとアルフレートの関係を吉原の花魁とお金持ちの若旦那。海と陸の美しい田舎がアルフレートの出身ですから、江戸に荷物を運んできて廓通いに夢中になった若旦那、ジョルジュ・ジェルモンはその大旦那かお目付け役の大番頭さんとしたら、日本人としては解りやすい置き換えではないでしょうか。

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初演は大失敗

結核で死んでいくヒロインを初演の時に歌った歌手がおデブさんで雰囲気出なかったと、聴衆や批評家から不評をかい2回公演で上演は打ち切られます。タイトルの『ラ・トラヴィアータ』はイタリア語で『道を踏み外した女、堕落した女』を意味します。当時イタリアは統治国側の検閲が有りました。統一されてイタリア王国が樹立されるのは1861年3月17日、ヴェルディが歌劇『椿姫』を上演した頃は分割統治されていました。ヴェルディの両親はどちらもイタリア人ですが、ジュゼッペ・ヴェルディが生まれた時の出生届を提出した役場がフランスの管轄下にあったので、出産したのはイタリアなのにフランス人として記録は残されています。
さて、その検閲で『道を踏み外した女』というタイトル、娼婦を主役にした作品ということで道徳的な観点から「どぎゃんかできんかい」と注意されますが、ヒロインが最後に死ぬということで上演が許された。オペラではヒロインの行動は原作よりもアルフレードとの純愛に偏って描かれており、原作から容量良く主要なエピソードを取り上げて、青年アルフレードとヒロインの『最後の一夜』や、死んだヒロインの墓を青年が暴く場面は描かれない。父親ジェルモンは保守的な良識の持ち主かつ少々偽善的ながら基本的に善人として表現され、和解した父と息子に看取られてヒロインは亡くなっていく。悲劇でも音楽的には明るさ、華やかさ、力強さを失わないヴェルディの特質がもっとも良く発揮されており、ヴェルディの唯一のプリマ・ドンナ・オペラ。とにかくヴェルディとしては、失敗で終わりたくなかったのでしょう。翌年に改めてヴェネツィアのフェニーチェ劇場で再演。その評判は今日ではヴェルディの代表作とされるだけでなく、世界のオペラ劇場の中でも最も上演回数が多い作品の一つに数えられます。

歴史的大失敗を喫したオペラには、プッチーニの蝶々夫人、ビゼーのカルメンも同様でした。どれも現在ではオペラの十八番中の十八番。聞き所盛りだくさんです。

台本はアレクサンドル・デュマ・フィスの小説に基づきフランチェスコ・マリア・ピアーヴェが書きました。優れた台本作家の功績があったことも大切でしょう。ヴァグナーは台本も自身で創作していますから、客観性という面ではオペラとして描かれていない伝説や、風習の知識が薄いと理解不足になりやすいものですが、ヴェルディのオペラは観劇する人、鑑賞する人が感じるままで楽しめますし、ライトモチーフと言った音楽に意味付けられたものもないことが、人気の源泉となっています。
Libiamo ne' lieti calici

歌劇《椿姫》ハイライト

作品は全3幕、4つの場面になっています。全曲は約2時間20分。トスカニーニ指揮の全曲盤は、放送用の録音でしたので放送時間の2時間に収まるようなカットがあります。又熊本で《椿姫》が上演された時、前半後半の二幕構成にして時間短縮されたことがあります。

主な登場人物は、ヒロインの高級娼婦ヴィオレッタ・ヴァレリー。青年貴族、アルフレード・ジェルモン。アルフレードの父親、ジョルジュ・ジェルモンの3人。他にヴィオレッタのライバル、フローラ、召使のアンニーナ、アルフレードの友人、ガストーネ子爵。ヴィオレッタのパトロン、ドゥフォール男爵、ドビニー侯爵や、最後の幕で脈を取る主治医のグランヴィル先生のほか、合唱がそれぞれ個性的な登場をします。

第1幕への前奏曲 Prelude 3:35

第3幕と似ている音楽ですが、こちらはまだ明るく、そして厳かな印象です。オペラの序曲はファンファーレ風な華やかさで客の注目を集中させる効果がありますが、ヴェルディの評判は確立していましたから、どういうドラマが始まるのか観客の集中は良かったのでしょう。短い音楽です。
哀愁を帯びた旋律を、第2幕でヴィオレッタがアルフレードに別れを告げる場面のメロディーが引き継ぎ、悲劇を予感させながら静かに終わる。

第1幕

初演の失敗にはオペラでは、100年前に設定されていたことも要因と言えます。原作は現在として描かれているのを、生々しいと考えての配慮だったのか、オペラとしてはフランス革命の時代にあった話とすることで華やかでソフィスティケートなイメージにとどめておきたかったのかもしれません。

高級娼婦という主人公の職業や、ヴィオレッタを取り巻くパトロンの男爵やら侯爵。江戸時代末期と重なるので、ヴィオレッタとアルフレートの関係を吉原の花魁(おいらん)とお金持ちの若旦那。海と陸の美しい田舎がアルフレートの出身ですから、江戸に荷物を運んできて(くるわ)通いに夢中になった若旦那、ジョルジュ・ジェルモンはその大旦那かお目付け役の大番頭さんとしたら、日本人としては解りやすい置き換えではないでしょうか。

どこか物悲しい前奏曲が終わると、おしゃべりしているような華やかな音楽に変わる。ヴィオレッタの屋敷で夜会が開かれている。玄関から入ってきたのは、ガストーネ子爵に紹介されたアルフレード。おずおずとしていると、大広間にヴィオレッタが登場して乾杯の音頭と成る。

乾杯の歌 Libiamo ne’ lieti calici 2:53

Libiamo, amor fra i calici
Più caldi baci avrà.

Tra voi saprò dividere
Il tempo mio giocondo;
Tutto è follia nel mondo
Ciò che non è piacer.
Godiam, fugace e rapido
È il gaudio dell’amore;
È un fior che nasce e muore,
Né più si può goder.
Godiam c’invita un fervido
Accento lusinghier.

Godiam la tazza e il cantico
La notte abbella e il riso;
In questo paradiso
Ne scopra il nuovo dì.

酌み交わそう、愛の杯を
口づけは熱く燃えるのだ。皆様と一緒なら、楽しい時を分かち合うことが出来ます。
この世は愚かなことで溢れてる、
楽しみの他は。
楽しみましょう、儚く去るのです、
愛の喜びとて。
咲いては散る花のように、二度とは望めないのです。
楽しみましょう、焼け付くような言葉が誘うままに。楽しもう、酒杯と歌は夜と笑いを美しくするのだ。
この楽園の中で新たな日が、私たちを見出すように。

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1799
ヴェルディ作曲 歌劇「椿姫」から https://blog.amadeusclassics.com/entry-1732 Mon, 22 Apr 2013 17:00:01 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=1732 日本に黒船が来航した頃、ヨーロッパのオペラ界事情はベルカント・オペラの二大巨匠、ベッリーニとドニゼッティが世を去っていた。ロッシーニはフランスに住んでいましたが興味はオペラではなくレストラン経営に夢中。ヴェルディが世に出る時期が到来していたのです。《椿姫》を作曲した時は40歳で、劇場支配人や出版社にも発言力を持ち、自分の意志を通せるようになっていた。当時も今も、劇場が上演演目を決めています。作曲家はそれに合わせるしかありません。しかしヴェルディはパリで《椿姫》の芝居を観て、いたく心打たれてオペラ化すると決めます。舞台に登場する人物に感情移入できる、人間同士の真実性と、心ときめく良質な娯楽性をヴェルディは目指し音楽とドラマの合体を達成します。

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La Traviata Oil on wood 120 x 140 cm

薩摩藩の豹変(ひょうへん)

薩摩は公武合体派として会津との間に協調声明をしていたのに、突然、討幕(とうばく)派に豹変。長州に新式銃の融通をしている。それはやがて大政奉還(たいせいほうかん)(1867年)へ歴史を動かします。NHK大河ドラマ『八重の桜』の2013年4月14日、21日の放送で将軍家茂が病没し(1866年7月)、孝明天皇が崩御(同年12月)するまでが登場しました。

ドラマの中で勝海舟が象徴的なセリフを言っています。
「徳川幕府開闢(かいびゃく)から250年、大木に育ったが中にはむろがあちこち出来てしまっている。ペリーが来航している。目先を転じる時なのだ。」
ペリーの黒船が来航したのが1853,54年。歌劇『椿姫』は1853年に初演されました。作曲はオペラ王ジュゼッペ・ヴェルディ。1813年生まれで、今年生誕200年を祝います。歌劇『椿姫』は現在、オペラ十八番中の十八番として受容されています。一見大衆的なドラマと美しく解りやすい音楽で綴られているオペラともみえます。
確かに『椿姫』の音楽はヴェルディのオペラの中でも別格で、これほど多くのヒットナンバーが次々と登場するオペラも珍しい。前奏曲は第1幕、第3幕とも、オーケストラコンサートで良く演奏されます。《ああ、そは彼の人か》、《プロヴァンスの海と陸》、《過ぎし日よ、さようなら》といったアリア、《花から花へ》の夢の様な二重唱。それに《乾杯の歌》はオペラの合唱曲として親しまれています。耳馴染みのあるナンバーを順番に聞くだけで、歌劇のストーリー全体を追うことが出来るのは、モーツァルトの《フィガロの結婚》や《魔笛》、ビゼーの《カルメン》が思いつく。
しかも序(前奏)曲、アリア、重唱、合唱(、バレエ音楽)と歌劇の構成要素の全てにおいて、それらは単独でも演奏される機会の多い名曲揃い。中でも《椿姫》はドラマの流れが解りやすい、その本質は奥深いものですがオペラの聴き初めには持って来い。特にラストの悲劇性は日本の歌舞伎や、芝居に通じるところに親しみを感じさせるのでしょう。

椿姫は俺がオペラにする

音楽の良さと、ドキドキハラハラ、喜怒哀楽があって飽きさせないドラマ。そして劇場を出た後でも何か、人と人の在り方を考えたく成るものを心に残してくれる。ヴェルディは美しい音楽の娯楽性だけではなくドラマも重視した。

日本に黒船が来航した頃、ヨーロッパのオペラ界事情はベルカント・オペラの二大巨匠、ベッリーニとドニゼッティが世を去っていた。ロッシーニはフランスに住んでいましたが興味はオペラではなくレストラン経営に夢中。ヴェルディが世に出る時期が到来していたのです。《椿姫》を作曲した時は40歳で、劇場支配人や出版社にも発言力を持ち、自分の意志を通せるようになっていた。当時も今も、劇場が上演演目を決めています。作曲家はそれに合わせるしかありません。しかしヴェルディはパリで《椿姫》の芝居を観て、いたく心打たれてオペラ化すると決めます。

どうしても《椿姫》は自分がオペラにしなくちゃいけないんだ。そうした責任感、作曲意欲の充実期であったこと。神話や歴史物、王宮物の優雅な人物が登場して最後はめでたしめでたし、私たちが安心して生活できるのは王様の栄光があってこそもたらされるのです。ありがたや、ありがたやで終わるだけのオペラではなく、人間同士の真実性と、心ときめく良質な娯楽性をヴェルディは目指し音楽とドラマの合体を達成します。だから、ヴェルディのオペラは舞台で演じられる歴史ドラマの背景に詳しくなくても登場人物の気持ちは感じ取りやすいのです。

音楽とドラマの合体した新しいオペラ

人間の芸術を目指したオペラの誕生を理想としたヴェルディのオペラ改革。一方には芸術至上主義のヴァーグナーがいました。ふたりとも1813年生まれ、今年生誕200年を祝います。題材的にヴァーグナーは人間の非現実的な世界=神話やメルヘンを媒介として人間の姿=心理状態、気持ちが行ったり来たりする様を投影しようとしている。現実世界を題材として扱うことで、ヴェルディは自分のオペラを見た人がそれぞれに己を重ねあわせて解釈させることでドラマを身近に感じさせようとしたかったのかもしれない。オペラは男と女の愛憎と一緒に、家族像を描く。ストーリーは若い男女を中心だけど、父親像がヴェルディ、ヴァグナーともに存在を外せない。絵画の中に画家が自分の姿を書き入れることがあるように、オペラに登場する父親は作曲家自身であることが感じられる。

歌劇《椿姫》では、ひたすらヒロインに恋焦がれている若者。ヒロインは若者が『恋に盲目』状態だと何処かで感じてる。父親はそこを経験者として感じ取っているのか、表向きでは若者の妹の結婚話のさわりになると話を向け自分を敵にさせることでヒロインの心の(かせ)を除いてやろうとしている。

ヴェルディとヴァーグナーはイタリアとドイツでオペラ王と云われるようになります。ヴァーグナーの楽劇《ローエングリン》は1850年の初演で、歌劇《椿姫》は様式を踏まえた印象を・・・第一幕には特に感じます。互いに発表されるオペラには接していて、吸収できるものは吸収しあっています。ライバル意識を持っていたのはそれぞれの取り巻きである後援者や作曲家、ヴァーグナーの死後、ヴェルディが世に出した歌劇《オテロ》でのヴァーグナー路線に転向したような豹変は周囲を戸惑わせた。作曲の手法は違っていても、神話や歴史を伝えて何か教訓するのではなくて、ドラマを重視してオペラの中の人間を身近に感じさせ、娯楽性も要素として重視する。創りたかった目標は同じだったのです。

大政奉還・・・それまでのオペラの様式を解体したのは、ヴァーグナー。ヴェルディは薩摩藩の様だとするのはこじ付けがましいかもしれない。しかし、維新と日本の文化芸能が前後どう変化したかは結びつけて紹介されることがない。ヨーロッパの演劇や音楽は、かわら版的な位置づけでも有りました。

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