ヴィヴァルディ:四季
Lola Bobesco / Das Heidelberger Kammerorchester – Vivaldi : Die vier Jahreszeiten – SM 91917
品番 | 34-14347 |
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レコード番号 | SM91 917 |
演奏者 | ローラ・ボベスコ |
作曲家 | アントニオ・ヴィヴァルディ |
オーケストラ | ハイデルベルク室内管弦楽団 |
録音種別 | STEREO |
ジャケット状態 | EX |
レコード状態 | EX |
製盤国 | DE(ドイツ)盤 |
グレード(協奏曲) | ミディアム |
ヴァイオリンの妖精が、優しい音色で奏でる『四季』は愛の語らいに良い小道具。夜明けのコーヒー二人で飲もうと、あの人が言った・・・・レコードのカバーで笑顔のボベスコは変わらない。レコードが奏でる音楽も変わらない。44歳の時の演奏。澄みきった響き、美しい余韻に目頭が熱くなったが、近年接する『四季』の演奏に比べると全体的にゆっくりと展開していく。想い出ではノスタルジーでなく、珍しいほど、ちっとも変わっていない。この『四季』は例えるなら、香りはラベンダーかミント、シュガーたっぷりのハーブティ、真っ白な世界がカラフルになる奇跡の時間が流れる。ヴィヴァルディの『四季』に期待する楽しみのひとつは、過ぎ去った時間ではなく『止まった時間』に浸ることが出来ることでもあるだろう。
アナログレコードが主流だった時代の評判は高く、日本でも人気がありました。録音盤が少ないといわれるのはレーベル契約の関係で日本で紹介されなかったレコードが多かったのでしょう。本邦初登場と記されたCDが発売されたのは随分たってからの、この盤は『最高の名演』と評されてきたボベスコ&ハイデルベルク室内管の「四季」。
その音色は彼女ならではのもの。気品にあふれ、みずみずしく、優雅であたたかい。完璧なテクニックで迫る演奏には時に疲れる。だが、このローラ・ボベスコの演奏は奏者としてのテクニックは完璧に備えているにもかかわらず、その技巧は前面に出ず、持ち前の天性で、ひたすら愛をきれいな言葉で語りかけてくるという感じだ。
同曲はローラ・ボベスコの従弟、コンスタンチン・ボベスコのヴァイオリン独奏、ベルナール・トマ指揮パリ音楽祭室内合奏団の演奏での聞き比べはどうでしょう。
録音:1967年8月19,20日
セッション・ステレオ:ローゼンガルテン・モーツァルトザール、マンハイム
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銀文字ブルー・ラベル
商品番号 34-14347
価格 | 通販価格 |
今回価格 | 4,000円 |
気宇壮大の遊びとユーモアが大きく深呼吸しているのが、クナッパーツブッシュの「ウィーンの休日」。かの名ソプラノ、エリザベート・シュワルツコップが「無人島に持っていく一枚」と評した言葉だけが常套句のように使いまわされて各処で評価の話題に登りますが、これは20世紀のシュトラウス演奏の規範とは評価出来ないアルバムです。
《ウィーンの森の物語》は人間を暖かく迎えたり、時として人間に厳しさを思い知らせる森の風景。それはジークフリートがどこかでドラゴンの鼻ちょうちんを蹴たぐったようです。地味で素っ気無い無愛想とさえいえるヨハン・シュトラウスですが、辛口ではなく表現力は意味深く。スタイルを超越した灰汁の強い崩しは病み付きになるのだろう。
師走はワーグナーの楽劇、ベートーヴェンの第九で締めくくり。新年は早朝からゆっくり時間が取れればバッハのカンタータ『太鼓よ轟け、ラッパよ響け』だけを聴く。夜は毎年欠かしていないのがウィーン・フィルのニューイヤーコンサートです。
最後のアンコールで演奏されるヨハン・シュトラウス父作曲の「ラデツキー行進曲」が終わると、元旦が終わったと実感します。何年か前に緊急事態で演奏されないことがあった時、新年の始まりを感じられなくて“あぁ、自分にとってはけじめになる音楽なんだな”と認識した次第。日々の中でも、もうちょっとだ頑張れと自分自身を後押しするようなときには口三味線でメロディーをナゾッていることがあります。
ほろ酔い気分の息子たちのワルツと違って、父ヨハン・シュトラウスの人柄を感じられるような音楽。息子に音楽家になるな、と厳しかったのが目に見えるようです。
12月22日放送の、NHK-FM“きらクラ”は年内最後の放送でしょうか。お二人が選んで紹介してくれるコーナーでは新鮮な気持ちで改めて曲に接する機会を得られています。それ共々、新年も初めて出会う曲を楽しみです。ちょっと早いですが、メリー・クリスマス・アンド・ハッピー・ニュー・イヤー。
レコード、CD で親しんできた「ラデツキー行進曲」は管弦楽の主題で始まる。
鼓笛隊風に、リズミックな小太鼓が先導するようになったのはアーノンクールがニューイヤーコンサートに登場した時からではないでしょうか。
この曲は、父ヨハン・シュトラウスと息子の名前が併記してあることもあり、どのくらいの相違があるのか具体的な答えは持ってません。アーノンクールが指揮したウィンナ・ワルツの数々はどれも新鮮で、ちょうどミックスを作るのが面白かった頃だったので合いの手代わりにこの小太鼓のリズムを使ってポプリを作った思い出があります。
ラデツキー行進曲は、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートにおいて、アンコールの掉尾を飾る曲として伝統的に使用されているが、この版は長年にわたって楽団員たちが手を加え続けたものであり、原典版とは大きく楽器法や音の強弱などが変化している。
ラデツキー行進曲がアンコールに演奏されてお開きとなるスタイルはいつから定着しているのでしょう。
ウィンナ・ワルツを聴くなら、ウィリー・ボスコフスキーの指揮で。DECCA の初デジタル録音だった二枚組の「ニューイヤーコンサート 1979」で「ラデツキー行進曲」は最後になっています。衛星中継ではなく録画放送だったと思いますし、家庭用ビデオはようやく普及していた時代ではないでしょうか。これが演奏会の全体をオーディオで楽しめるレコードとして発売され、名盤としてコレクター必聴の定番。
巨匠、クナッパーツブッシュ(1988~1965)はレパートリーの狭い指揮者でしたが、ヨハン・シュトラウスの音楽を面白おかしく聞かせてくれます。それは溺愛していたワーグナーや陶酔していたブルックナーでの彼からは想像できません。
で、彼のことばの中にこんなのがある。
諸君は何度もこの曲を演奏しているし僕も知っているから明日演奏会場で会おう。
クナッパーツブッシュ(1988~1965)
出会い頭のハプニング。千載一遇の録音として聴いてほしい。もちろん“明日演奏会場で会おう”と言えるのは指揮者と楽団員の親しさが深かったことがわかります。地味で素っ気無い無愛想とさえいえるヨハン・シュトラウスですが、辛口ではなく表現力は意味深く。《ウィーンの森の物語》は人間を暖かく迎えたり、時として人間に厳しさを思い知らせる森の風景。ジークフリートがどこかでドラゴンの鼻ちょうちんを蹴たぐったようです。
ツィターのコムツァークが加わる演奏ですが、ツィター奏者の息遣いがしっかり聞こえます。録音エンジニアはジェームズ・ブラウン。彼のいるステレオ録音チームに後に DECCA の看板と言われるケネス・ウィルキンソンが加わった時期で、色々ディスカッションしてマイクの配置などが決められたのでしょうね。
この「ウィーンの休日」は、まだまだステレオ再生装置が普及してない頃でモノーラル盤用の録音は別セットだったと言われています。
翌年に米RCAの名盤。ライナー指揮シカゴ交響楽団の「Vienna 美しく青きドナウ〜ウィンナ・ワルツとポルカ名演集」が登場。レコーディングには「ウィーンの休日」は意識され研究されたことでしょう。
クナッパーツブッシュ、ライナー盤共に伝説と言われている名盤ですが実際どのくらい2枚のレコードが意識されているのでしょう。かの名ソプラノ、エリザベート・シュワルツコップが「無人島に持っていく一枚」と評した言葉だけが常套句のように使いまわされていますが、その真実は。安易に言葉の表面だけを受け止めていると誤解に驚きます。
気宇壮大の遊びとユーモアが大きく深呼吸している。ライナー盤にもその存在は確信できるウィンナワルツです。
20世紀のシュトラウス演奏の規範とは評価出来ないアルバム。曲想の変化に伴ってテンポは弛緩し、予期せぬアクセント、隠されている対旋律の強調と流麗で華やかなイメージでは無いのに聴き手の心をくすぐります。スタイルを超越した灰汁の強い崩しは病み付きになるのだろう。
わがままが傑出したスケール豊かな好演。時代を超えた怪演として聴き継がれるだろう。
曲目:Side-1
曲目:Side-2
中古品につき売却済みの際はご容赦ください。
Amazon.co.jp での取り扱い開始日: 2013/9/24
Record Label | Black/Silver ‘grooved sideband’ labels “ORIGINAL RECORDING BY” at 11 o’clock |
Recording & Weight | ffss STEREO 1枚組 180g |
Release & Stamper | 3E/3E |
℗©1958, 9.58
価格 |
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中古市場での目安価格 | 30,000 円 |
販売価格 | 36,750 円 |
関東への配送料 340円。代金引換が利用できます。
The post 秘蔵盤 クナッパーツブッシュの「ウィーンの休日」 first appeared on Classical Notes.]]>第20番のソナタは第1番より先に作曲された、ソナチネと呼ばれてピアノ学習者には親しまれています。
第9番、11番共に馴染みは薄いが、第9番は弦楽四重奏曲に編曲された室内ソナタの趣がある。そして第11番は、モーツァルトの交響曲第40番の緩徐楽章へのオマージュとなっている。
それがわかれば、いずれもバックハウスに向いた楽曲。どうしてこの3曲で一枚にしたのかと思いましたが、地味ながら渋い選曲の3曲で、小憎らしい。
鍵盤の獅子王バックハウスのベートーヴェンには、漲るような精神性を感じる。ブラームスのレコードジャケットで見るところライヴではスタインウェイを使用もしているらしいが、レコーディングにはベーゼンドルファーにこだわった。その澄んだ音色とも相まって、ひどくシンプルなのです。まるで、融通無碍の境地で、自由に、ベートーベンの音符と戯れているように、静かな所は静かに、激しいところは激しく、聴こえて来るところが、彼の魅力と言えるでしょうか。
で、彼のことばの中にこんなのがある。
私は、コンサートの準備に際して、楽譜の研究とともに、何よりも音階練習に集中する。それに加えて、アルペジオの練習、さらにバッハの平均律。これが私のテクニックの基礎である。
私のテクニックに興味をいだく人たちに、『私が頼りにするのは音階練習だ。音階プラス努力だ』と言うと、たいていの人は驚くようだ。
・・・・・しかし、私は、まじめに努力する音楽学生に手の届かないような、そんな不思議な秘訣など、何も持ってはいない。
・・・・・もう一度言うが、私のテクニックの基礎は、ただただ音階につきるということを特に強調しておきたい。日ごとの絶えざる音階練習こそ大切なのだ。
巨匠ピアニスト、バックハウス(1884~1969)2回目の、ステレオ盤によるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集。ただし第29番のみ、彼の死のために録音できず、モノ録音を流用。いつでも、ドイツ音楽の伝統と神髄を根底においた演奏を響かせたバックハウス。この32曲のピアノ・ソナタでみせる構成感と表現の深さは傑出。重厚でスケール豊かな好演。時代を超えた規範として聴き継がれるだろう。
一見、地味で素っ気無い無愛想とさえいえる辛口の表現だがバランスのよさは、聴きこむと学究的と評されるバックハウスらしい構成力と曲への愛情が感じられる。
実際のバックハウスの演奏は極めて果敢に「主観的」であって、テンポの即興的コントロールによって音楽の迫真性を獲得している事が彼の芸術の真髄であると、この録音を聞く事によって理解されましょう。今世紀のベートーヴェン演奏の規範と評価されるアルバム。それは決して彼の演奏が「教科書的」であると言うのではありません。
要は、テクニックをひけらかすわけでもなく、特徴が無いのが特徴といえるでしょうか。
中古品につき売却済みの際はご容赦ください。
Record Label | ORANGE WITH SILVER LETTERING |
Recording & Weight | MONO 1枚組(150g) |
Release & Stamper | 1A/1A |
超レア物から歴史に名を残す名演まで、オレンジ・シルバーでも、どんどん聞いてみていただきたいところです。
音質も十分なクオリティが得られていて、特にご不満は出ないはず。
コンディション | |
盤 | M- |
ジャケット | EX |
価格 |
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中古市場での目安価格 | 6,000 円 |
販売価格 | 2,500 円 |
北海道・沖縄を除き全国一律 525円です。10,000円以上のお買い上げで送料無料となります。
The post 【34-707】英 DECCA LXT6358 バックハウス ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9,11,20番 first appeared on Classical Notes.]]>カラヤンはワーグナーのチクルスを、ワルキューレから開始。これがなんとも美しい。爛熟の美を磨かせたらカラヤンは天下一品。そしてスリル満天。ワーグナーの、と言うよりカラヤンのテクニックで昇天させられてしまいます。その同じ時期にヨーロッパの劇場で生え抜きのキャスティングを揃えて、ドイツの実力派歌手たちの歌の饗宴は堂にいったものです。カラヤンが「台詞の意味を考えて歌うことを重視」した、その狙いがスワロフスキーのワーグナーに向けた挑戦だったのでしょう。
門下生はクラウディオ・アバド、ズービン・メータ、マリス・ヤンソンスなど多数。彼らを教えたハンス・スワロフスキーの音楽は、理知的で曖昧さを許さない『指環』と成りました。ワーグナー・ファンが『指環』の基準に扱うようにワーグナー録音史上に名高い。
この9月、ワーグナー生誕 200 年を記念してキング・インターナショナルから 14CD で発売。その解説書によると、このスワロフスキーの『指環』はドイツの「Polyband」社とイタリアの「Fratelli Fabbri」社の企画だったそうです。
1968年8月にニュルンベルクで一気にセッション録音されました。LPでは米国のウェストミンスター社からの発売。ユニークなボックス4つのデザインはアメリカらしい仕上がりながら、色物視されたのでしょうか。ワーグナー通のレコード愛好家が紹介しているぐらいというのが、日本事情でしょう。
ウェストミンスター盤では『大交響楽団』となっていますが、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団およびプラハ国立歌劇場管弦楽団の団員から成るので、弦楽器のアンサンブルはバイロイト音楽祭管弦楽団にもベルリン・フィルもここまではかなわない。
なかでもナジェルダ・クニプロヴァーのブリュンヒルデが一番聴かせる。バイロイト音楽祭に出演していない歌手たちで揃えたカラヤンのザルツブルク復活音楽祭での、ブリュンヒルデが印象に残っていますね。
マレク・ヤノフスキのリングでの歌手たちの精密すぎるほど揃ったオラトリオのような『指環』が好きなら、その『ワルキューレ』はこちらと交換してもいいかなと思います。
「ワルキューレ」の録音は、1968年8月3,6,8-12日。
中古品につき売却済みの際はご容赦ください。
Record Label | KHAKI WITH BLACK LETTERING |
Recording & Weight | STEREO 5枚組(140g/130g/115g/125g/130g) |
Release & Stamper | 1972 ⓅABC RECORDS,INC. |
コンディション | |
盤 | EX |
ジャケット | M- |
価格 |
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中古市場での目安価格 | 4,000 円 |
販売価格 | 4,000 円 |
ボイジャーだったか、ジュピターだったか宇宙のずっと遠くへ放たれた観測衛星に載せられたディスクに人類の音楽芸術の最高の演奏として選ばれた録音。アメリカのNASAらしい選択で、文化遺産とも言える米盤が音が良い。
英 HMV Original よりも音質では上との評価もある、米 RCA プレス盤です。演奏はドイツで、録音はイギリスでも、アメリカ人が誇りに出来る。特別熱心な音作りをしてプレスされたのでしょう。大阪の知られたオリジナル盤屋さんが『何故か世間では無視されているような』と評価していたのを忘れられない。
その音は彫りが深く、各楽器の詳細な音の動きも聞き取れ、独唱は輪郭のしっかりした明瞭さで合唱も歪み感を感じません。レコード発売を目的に録音されるために演奏されたものだったらば、その辞典で静音がされていたでしょう。“バイロイトの第九”は、演奏の記録ではなく、記録のための演奏でもなかった。
フルトヴェングラーは演奏後、カラヤンと顔を合わせることになると嫌だからとさっさとバイロイトを後にしています。記録以上のものだったからこそ後世に伝えられることができました。果たして独 ELECTOROLA の初期盤とは英 HMV 盤とも米 RCA 盤は録音をレコードにして大衆に聴かせる芸術品を誕生させたのです。フルトヴェングラーの『第九』の真価を味わうにはベストのプレスの一つだと思います。
録音は、単なる記録に過ぎないものですら、多くの人々を感動させることの出来るフルトヴェングラーという芸術家は、真に 偉大な巨人 であろうと思います。であるから、この録音にも無限の価値があるのである。今回は、文化遺産とも言える米盤で皆様に迫りたい。
中古品につき売却済みの際はご容赦ください。
Record Label | PLUM SHADED DOG |
Recording & Weight | MONO 2枚組(145g/155g) |
Release & Stamper | 3S/1S 3S/1S |
コンディション | |
盤 | EX |
ジャケット | EX- |
価格 |
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中古市場での目安価格 | 25,000 円 |
販売価格 | 22,000 円 |
北海道・沖縄を除き全国一律 525円です。10,000円以上のお買い上げで送料無料となります。
詳細 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e671152.html
The post 米 RCA LM-6043 フルトヴェングラー指揮 、バイロイト祝祭管 ベートーヴェン:合唱 first appeared on Classical Notes.]]>
お盆の8月15日は、終戦記念日でもある。レコードの話題といえば、昭和天皇の玉音放送がこの日は多く Word としてカウントされるだろうがぜひとも紹介したかったのレコードだ。
8年か、9年近く通販レコードのサイトを転々と手伝いましたが、このレコードは紹介したくてもこれまで出会う機会がありませんでした。ミケランジェリはドイツ・グラモフォンのドビュッシーぐらいでした。
なぜにこの日のこのレコードかというのは、気がつく人だけが感じてくれるでしょう。あ、そこそこ、ググっても検討つかないと思いますよ。レコードの歴史を知っている人の中に、あ、あれ所以かなって察しがつくぐらいでしょうから。
近代フランス芸術歌曲の解釈に最も秀でたバリトン歌手。それは連綿たるフランスの伝統唱法を引き継いでいる独特の歌唱だと言えます。仏ディスク・グランプリを受賞した3枚のうちの一つがラヴェル歌曲集です。自分に対してかなり厳しかったことを忘れてはいけない。一言で言って「官能的」ですが本能的に均衡がとれている美声で詩趣を漂わせる。
テバルディも良いけど、《トスカ》はカラスがとどめを刺す。プッチーニを聽くのか、トスカのドキュメンタリーを見るのか。プッチーニのオペラはヴェルディとは又違って、音楽はもちろん美しいけど、血を吐くようなどぎつさを内包しているね。Georges Prêtre / Carlo Bergonzi / Tito Gobbi (1964)
燃え滾っているのである。テバルディの冷笑を湛えたような敵討ちとは違った、煮え滾った感情を抑えきれないカラスの胸の内が歌唱となっていて両者のレパートリーが交差する《トスカ》を味わえることで、オペラを楽しむ幅を持てた。
テバルディもいいけど、トスカはカラスがとどめを刺す。プッチーニを聴くのか、トスカのドキュメンタリーを見るのか。音楽を見るというのも可笑しなものだけど、オペラはドラマだと、言い切れるなら作曲家の音楽よりもこのカラスの歌唱ほど、トスカになりきっている録音はないでしょう。これが映像化されていれば、数あるオペラ映画は霞んでしまっているはずです。ステレオで録音されたカラスの数少ないレコーディング中で、これ以上に望めない。
蝶々夫人にしても、スキャンダラスなお話です。プッチーニのオペラはヴェルディとは又違って、音楽はもちろん美しいけど、血を吐くようなどぎつさを内包しているね。時代はヴェリズモ・オペラが時流であったのだから、舞台こそ大昔だけど事件現場を目撃している心持ちになる。
狂気というものが与える人事を超えたドラマに触れ、血が逆流するかのようなスリルを味わうために敵側のスカルピアを歌うティト・ゴッビも素晴らしい気迫でオペラを引き締めており、トスカの断末魔、絶唱というよりもカラスの呪いを吐き捨てるような「スカルピア」が強烈に感じることが出来る。なぜ最後に殺された恋人の名前でなく、恋人を殺した男の名前だったのか。「カヴァラドッシ」ではロマンティック・オペラの逆戻りしそうな美しい音楽で、とここに思いが至る平常心に戻った所でプッチーニの本質を聴いていたことに気付かされるわけだ。このスカルピアの存在感が凄ければ凄いほどに、トスカの牙は狂気する。
通販レコードの価格 | 消費税別 |
通常価格 | 8,000 |
今回価格 | 4,500 |
アナログレコードの通販 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e692819.html
弦楽器群が前面に並び金管楽器群を後方に配している立体感で、音場はスピーカーの外側に広がる印象の優秀録音盤。ホールに広がった残響に身を置くようではなくて、ステージ上の楽器の存在感がエネルギッシュで実の詰まった音です。米コロムビア録音のニューヨーク・フィルとの演奏盤に限るところではなく、こうした音作りはバーンスタインがウィーン・フィルとドイツ・グラモフォンに録音したレコードからも感じられました。
朝比奈隆さんは録音のあと任せたよとスタジオを後にする指揮者でしたが、指揮台と録音室を頻繁に行き来していたバーンスタインはカラヤン以上に録音された音を補正することでレコードを作り上げることに熱心だったことがドキュメントから伺える。ポイントを聞き漏らして貰いたくないから、他の楽器に埋もれそうになっている楽器の音をミキシングで重ねて補強する。出来上がっていく音を確認しながら、ミキシングで限界だと思えるところは追加録音してテイクを差し替える。かつて地の底からわき上がってくるように聴かせることが楽器だけの録音では出せないからって、低周波をミキシングで加えてオルガンの重低音のような効果を出した。
ホールで演奏されることで、楽器だけの演奏にさらに効果が加えられるものです。教会で演奏されたミサ曲を『500人の演奏者で奏でられた壮麗さだった』と記録に残された曲があります。書き残した人は500人で演奏したように聞こえる、そう感じたのでしょう。その十分の一も居ない演奏者の奏でた音が石造りの教会を支える柱と空間の中で芳醇な響きを醸したのです。
左右のスピーカーの外側に広がる響き。すかすかに感じるようなことなく、包まれるように聴くには・・・。オーディオ装置だけで音楽を再生するんじゃないんだなぁ。
[panel style=”panel-info”] [panel-header] ☆通販レコード☆弦を全面に金管を後方に配し、音場はスピーカーの外側に広がる印象の優秀録音盤。エネルギッシュで実の詰まった音です。演奏も後期のバーンスタインの粘着質なものと違い、鮮烈な情熱の限りを尽くした若き日の名演です。
(NM)盤は特に気になるノイズはありませんが、3楽章と4楽章の間の無音溝で大きめのプチ音が一回あります。
(EX++)ジャケットは正面に少しスレが有り、右上部に 2cm 程の割れがあります。
[/panel-content] [panel-footer] 通常価格:8,000円高額のレコードではけしてないのですが、カルロス・クライバーのレコードの入手は難しいです。発売後すぐに高い評価も受けて、枚数は随分と市場に出ていると思います。ちょうど、アナログからデジタルの転換期で、この時期のクラシックのサンプルLPも随分と手元にありました。
その中にカルロス・クライバーのレコードもあったので良く楽しみました。
音楽はきびきびとしていて、演奏会が間近に展開されているような感じを受けました。音楽ムーブメントから見ると、古楽器演奏の解釈が反映されているのではないでしょうか。
演奏だけではなく、録音の面でも。
ベートーヴェンの交響曲をピリオド演奏、録音したCDが続くのがこの後ではなかったでしょうか。各々の試みが反映されながらクラシック音楽の演奏、録音は変化をとどめないで行くんですね。
わたしがカルロス・クライバーの残したレコード録音から受けた宝物は、演奏会へ足を運ぶ楽しみです。
DE DEUTSCHE GRAMMOPHON 2530 706
Beethoven – Symphonie Nr.7
Vienna Philharmonic – Carlos Kleiber
演奏と録音1976年録音。1976年発売。録音エンジニアは、クラウス・シャイベ。そのリズムの生き生きとしている事で各評論家絶賛の演奏です。
コンディション盤はチリ音も無く、極めて優秀です。ジャケットは両面コーティング。スレも無く綺麗な状態ですが、右上にカット・アウトの切れ込みが少しあります。
☆通販レコード 案内☆在庫確認はサイトで確認を http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e397169.html | ||
カタログ: | 独 DEUTSCHE GRAMMOPHON | 2530 706 |
【交響曲】 | 作曲 | 曲目 |
ベートーヴェン | 交響曲 No.7 | |
演奏: | ウィーン・フィルハーモニー | 管弦楽団 |
カルロス・クライバー | 指揮 |
コンディション | |
レコード | NM |
ジャケット (BOX) | NM |
価格 | |
通常価格 | 6,000 円 |
今回価格 | 3,800 円 |