今では、あまり聴けなくなってしまった濃い演奏で包まれた時間を過ごせる。特に、夢見心地の世界に誘ってくれるショーソンの「詩曲」は、お薦め。
オーケストラ音楽はカラヤンのベルリン・フィルを、ピアノと言えば、アルゲリッチの演奏を第1に聴いていた頃、ヴァイオリンと言えば、チョン・キョンファの全盛時代だった。サン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」は、フランスものならデュトワだ、とされていた、そのオーケストラをバックにしてて、伸びやかに熱く、輝く。上り下りするだけの音階も正確で、綺麗な音であるだけでも、弦の力強さに打ちのめされる。また、ショーソンの「詩曲」は、サン=サーンスとはうってかわって、神秘的で、浮遊感に遊ばされる。息の長いフレージングが、素直な透るソノリティで演奏されているだけなのに、心豊かな思いをさせてくれるのは、オーケストラが、とっても柔らかく、暖かい空気感を醸し出しているサポートあってだろう。一挺のヴァイオリンから発されているような印象が残るくらいに、間合いがとても美しい。わずか15分程度の小品ではあるが、上等な仄暗さがあり、世紀末の爛熟した退廃的世界観と、儚い夢が綴られている。それにエンジニアは巨匠ケネス・ウィルキンソンと聴けば最高のオーディオ・ファイル盤だとお分かり頂けることだろう。20枚近くあるチョン・キョンファのアナログ盤はどれも人気が高いが、中でも英盤は入手難。ED4英国初出で、レアなコレクターズ・アイテムだ。
Recorded in Kingsway Hall April 1977. Engineer – Kenneth Wilkinson, イギリス・プレス、ステレオ、ED4初期盤。
《SXL ナローバンド》ED4 スモール・ラベルと日頃は呼んでいます。ED1 から比べると中央の「FULL FREQUENCY …」の幅が狭くなり重量も軽くなります。ナローバンドが初版になる LP も多くあり、製盤技術、材質は安定していて再生の難しい ED1 と比べて再発盤でも初版より優れているケースも有ります。SXL 6435 と 6447 、6449 以降はナローバンドが初版となります。総じて価格は手頃ですが、SXL6529(メータ指揮ロス・フィル 「惑星」)、SXL6721(チョン・キョン・ファ バッハ パルティータ)等は高額です。この2枚はジャケットの痛みが激しくても一度は手元に置きたいと思うものなのでしょう。
英国本国では1〜3までは初期スタンパーと呼ばれ、音が良いと評判でコレクターアイテムとなっています。4〜6は中期、それ以降は後期と再発重ねて参ります。
詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。プライバシーに配慮し、会員登録なしで商品をご購入いただけます。梱包には無地のダンボールを使用し、伝票に記載される内容はお客様でご指定可能です。郵便局留めや運送会社営業所留めの発送にも対応しております。
The post フレンチ ヴァイオリン名曲集◉チョン・キョンファ、デュトワ、ロイヤル・フィル KYUNG-WHA CHUNG first appeared on Classical Notes.]]>入手のメインルートは、英国とフランスのコレクターからですが、その膨大な在庫から厳選した1枚1枚を大切に扱い、専任のスタッフがオペラなどセット物含む登録商品全てを、英国 KEITH MONKS 社製マシンで洗浄し、当時の放送局グレードの機材で入念且つ客観的にグレーディングを行っております。明確な情報の中から「お客様には安心してお買い物して頂ける中古レコードショップ」をモットーに運営しております。