《ブランデンブルク協奏曲》第4番は、ヴァイオリンと二本のリコーダーによる独奏が聴ける楽曲ですが、ヴァイオリン独奏が目立った感があります。バッハはこの作品を『チェンバロ協奏曲 第6番 ヘ長調』BWV1057として編曲しています。
第1楽章(「アレグロ」)は小鳥のさえずりを思わせるような愛らしい2本のリコーダーの絡み合い、リコーダー、ヴァイオリン、弦楽、通奏低音とのコール&レスポンスによる緊密なアンサンブルが進行するなか、軽快ながらも華麗なヴァイオリンの独奏の妙技が楽しめます。
第2楽章(「アンダンテ」、ホ短調)は総奏と独奏がたいへん明確に対比しながら進行する叙情的な楽曲で、独奏においてはリコーダーが主導権を握っています。なお、第2楽章が演奏の指定などきちんと書き込まれているのは、《ブランデンブルク協奏曲》全6曲中この協奏曲のみ。他はアドリブで自由に演奏するようにとなっています。
フーガを形成する第3楽章(「プレスト」)は、2本のリコーダーとヴァイオリンが織りなす独奏バトルと、ヴァイオリンが一部単独で冴えた妙技を披露する独奏を十二分に堪能できます。2006年録音。
「ブランデンブルク協奏曲 第4番 ト長調 BWV1049」 バッハ作曲 (14分44秒)
(バイオリン)レミー・ボーデ
(リコーダー)ピーテル・ヤン・ベルデル
(リコーダー)サスキア・コーレン
(合奏)ムジカ・アンフィオン <BRILLIANT CLASSICS 93125>
テレマンの作品からの編曲。といっても主題の引用なので、どれが原曲か指すものではない。新しいスタイルを追い求めたヨハン・セバスティアン・バッハは集められる楽譜から貪欲に他の作曲家の流儀を吸収した。その多くが鍵盤楽器のための協奏曲として作りなおされている。
「協奏曲 ニ短調 BWV596」 バッハ作曲 (11分36秒)
(オルガン)ピーテル・ファン・ダイク <HANSSLER CD 92.095>
ディアパソン・ドールなど数々の評判を得ているピエール・アンタイトル・コンセール・フランセの録音。バッハの最高傑作とされる《ゴールドベルク変奏曲》と様々なスタイルの鍵盤楽器のための協奏曲の組み合わせのアルバム。
「三重協奏曲 イ短調 BWV1044」 バッハ作曲 (21分13秒)
(合奏)ル・コンセール・フランセ <NAIVE NC 40002>
The post 協奏曲の魅力(3) first appeared on Classical Notes.]]>マレイ・ペライアは長い演奏活動の中でバッハの《鍵盤のための協奏曲》の演奏は度々と重ねて深い理解の成果を録音している。それから10年経過しているけれども、これらの協奏曲を聞くことは、ペライアの豊かな経験を聴くことに等しく、その彼のアプローチには新鮮さがあります。
オーケストラはアカデミー室内管弦楽団(アカデミー・オブ・セント・マーチン・イン・ザ・フィールズ)。長年共に演奏活動を行なってきた馴染み深いオーケストラと一糸ズレることのない演奏と優れたサウンドを味わえる。
単売の余白に演奏されていた曲を CD3 にまとめてありますが、この3曲がまた、なかなかに秀逸で面白い。このままに留めないで、さらに複数台の鍵盤のための協奏曲や、ブランデンブルク協奏曲に発展して欲しいと期待している。
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