通販レコードのご案内イギリス風のメロウなサウンドに明るくのびやかな音色。
《英オレンジ銀文字盤》GB DECCA LXT6049 ジャック・ブライマー モーツァルト・「グラン・パルティータ」 「ロンドン管楽合奏団」は、クラリネットのジャック・ブライマーが主宰していたアンサンブルで、その当時のイギリスの木管の名手を集め、かなり高い水準キープしています。クラリネット、オーボエ、ホルン、ファゴット。この一風変わった編成の室内楽は後年の後輩達も大きく刺激されこのジャンルに挑んだくらいにモーツァルトが残した意欲作で、またそれらの調和がことのほか美しいことに驚嘆させられます。
モーツァルトの管楽器に対する扱いの卓越ぶりはいまさら言うに及びませんが、それにしても、特に比較的新しい楽器であるクラリネットを、この時代にここまで自由に表現できる作品を書いた人はいなかったのではないでしょうか。
ブライマーのクラリネットがまたこよなくいい音を出しており、モーツァルトの、それこそ天から降りてきたとでも形容しようのない旋律を響かせています。FFSS 録音の長所を十二分に享受したと云いたくなるような素晴らしい録音です。英 Decca の優秀録音も手伝って各楽器が手に取るように認識でき、またそれらの調和がことのほか美しいことに驚嘆させられます。
映画『アマデウス』。精神異常者収容施設に入っているサリエリのもとに、若い牧師が面会に来る。そこでふたりは音楽について語りあう。サリエリは、初めてモーツァルトの音楽に触れた時の感動を、思いだしながら話す。「最初は間の抜けた、獣の鳴き声のような音がした。でもそこから厳粛極まる音楽に移行し、わたしはそこに天才の存在を明らかに感じた」。ここで語られるのがサリエリが嫉妬した神の声。モーツァルトの13管楽器のためのセレナード第10番変ロ長調 K.361 「グラン・パルティータ」のアダージョ冒頭。サリエリの語りにかさなって、彼が語っている音楽が聞こえてくる。
こう想いだしながら、書いていても、脳がしびれてくる名場面。ハーモニーをすりあわせているような、管楽器のセッションみたいな、割りとモーツァルトのセレナーデの中では和み系、と思ってしまいそうになる、ところ。
『出だしはシンプルで、バスーンとバセットホルンが壊れたアコーデオンのように…』
『そこに突然、はるか天空に、オーボエの旋律が…』
『そしてクラリネットがそれを受け継いでゆく…』
この演奏では、サリエリが唱える『天からの声』であるオーボエが、第1音から第2音に繋ぐまでのニュアンスの妙が素晴らしい。和みに思えた音楽が神々しく硬質に輝き出す。音楽は、音譜そのものが情感を宿しているので、ここに至って、初めてモーツァルトの天賦の際に接したサリエリの感動を、追体験できる。
Recorded December 1962, プロデューサー&エンジニア・Erik Smith & Richard C.Jones/Gordon Parry, Michael Savage
通販レコード詳細・コンディション、価格
プロダクト
London Wind Soloists Directed By Jack Brymer – Mozart, Complete Wind Music Vol.3
- レコード番号
- LXT6049
- 作曲家
- ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
- オーケストラ
- ロンドン管楽合奏団
- 指揮者
- ジャック・ブライマー
- 録音種別
- MONO
ORANGE WITH SILVER LETTERING, MONO 1枚組(130g), Release 1963, Stamper 1A/1A。
コンディション
- ジャケット状態
- EX
- レコード状態
- EX
- 製盤国
- GB(イギリス)盤
(Decca ffrr Silver inner-groove)
英国 DECCA ffrr 録音LP、LXT ナンバーのオリジナル。1958年頃までのプレスで、オレンジ地に銀文字の『内溝』タイプ。耳マークがあります。音場型のステレオ盤に比べてモノラルは音像型。総じてモノラル盤の音質はステレオ盤より中低音域が厚く、コシがあるので同じ演奏のステレオ盤より明らかに好ましいものも少なくない良い音です。また、こうしたモノラル盤は単にモノーラルになっているだけではなく、ステレオ盤とは別にセッション録音したのがあります。モノーラル盤はステレオ盤より力感があり、そこはブルーノートのモノラル盤と共通していますが奥行きでオーケストラの存在感を出している点で、わたしはオレンジラベル盤が好きです。
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- オーダー番号34-17179
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ブライマーの筋の通った確かな技術を支える、豊かな音楽性に触れることが出来る。クラリネットのジャック・ブライマーは1915年に生まれたイギリスを代表するクラリネット奏者。ロイヤル・フィル、BBC響、ロンドン響の首席奏者を歴任するかたわら、王立音楽院で後進の指導にあたり、ソロや室内楽活動も活発に行なった。モーツァルトの「協奏曲」は得意曲で、1959年にビーチャム/ロイヤル・フィルと、1964年にコリン・デイヴィス/ロンドン響と、1971年にマリナー/アカデミー室内と録音している。
Basset Horn – Frederick Lowe, Stephen Trier, Bassoon – Roger Birnstingl, Ronald Waller, Clarinet – Basil Tchaikov, Jack Brymer, Contrabassoon – Kenneth Cooper, Horn – Alan Civil, Ian Beers, Ian Harper, James Brown, Oboe – James Brown, Terence MacDonagh
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