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ウィーン・フィル | Classical Notes https://blog.amadeusclassics.com 世界の名曲とレコードを最高峰の音で観賞 Tue, 26 Jan 2016 20:26:04 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.9.5 https://i0.wp.com/blog.amadeusclassics.com/analogsound/wp-content/uploads/2015/08/cropped-deccalegends.jpg?fit=32%2C32&ssl=1 ウィーン・フィル | Classical Notes https://blog.amadeusclassics.com 32 32 97025125 怒濤のような旋律の中でパッと花が咲くように美しいメロディーが流れる ― カラヤン指揮ウィーン・フィル チャイコフスキー《ロメオとジュリエット》、リヒャルト・シュトラウス《ドン・ファン》 https://blog.amadeusclassics.com/entry-5148 Thu, 31 Dec 2015 17:49:55 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=5148 ウィーン・フィルを制圧した記念盤。カルーショーが後世に伝えるに相応しいカラヤン&ウィーン・フィルの名盤を製作。何れも全体に覇気が漲っている快演。その演奏の切れの良さは、まさにこの時代ならではのもの。中でも、この2曲こそ度肝を抜くほどにカラヤンの50歳代の全てが注がれている。怒濤の旋律の中で美しいメロディーの花が咲く。カラヤンの指揮する、ゆっくりしたテンポの旋律は大胆さや迫力にプラスして丁寧で美しい

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通販レコードのご案内

GB Decca SXL2269 – Herbert von Karajan – Vienna Philharmonic Orchestra – Tchaikovsky ‎– Romeo and Juliet, R. Strauss – Don Juan

[one_half] GB DEC SXL2269 カラヤン チャイコフスキー・ロメ…[/one_half][one_half_last] GB DEC SXL2269 カラヤン チャイコフスキー・ロメ…[/one_half_last]
品番
34-1000003
レコード番号
SXL2269
作曲家
ピョートル・チャイコフスキー、 リヒャルト・シュトラウス
オーケストラ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮者
ヘルベルト・フォン・カラヤン
録音種別
STEREO
ジャケット状態
M-
レコード状態
M-
製盤国
GB(イギリス)盤

何れも全体に覇気が漲っている快演。その演奏の切れの良さは、まさにこの時代ならではのもの。

アメリカ合衆国をメインのターゲットとしてカラヤン&ウィーン・フィルは世界ツアー(この間にカラヤンだけは単身来日)に旅立ち大成功に終わり、英 DECCA は 1959年に EMI と契約の切れたカラヤンと契約。それは英 DECCA 社がウィーンフィルを掌握したことも意味した。正確には既にウィーン・フィルと専属契約を結んでいた英 DECCA が外堀を先に埋めて大将を迎え入れた戦略ととれる。このあと、1965年までカルーショーが後世に伝えるに相応しいカラヤン&ウィーン・フィルの名盤をこの六年間で製作することになる。

ウィーン・フィルを制圧した記念盤。

オペラの全曲盤の録音の合間には交響曲、管弦楽曲を録音。十数枚の LP レコードで発売され今でも優秀録音で人気だ。ベートーヴェンの7番、ブラームスの1番、ツァラトゥストラはかく語りき、モーツァルトの40番とハイドンの104番、ヨハン・シュトラウスのワルツ、チャイコフスキーのロメオとジュリエットとリヒャルト・シュトラウスのドン・ファン、ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら、クリスマス曲集、ブラームスの3番、チャイコフスキーのくるみ割り人形とグリーグのペール・ギュント、アダンのジゼル、ホルストの惑星、ドヴォルザークの8番、モーツァルトの41番とハイドンの103番、チャイコフスキーの白鳥の湖と眠りの森の美女の順で、すぐに売上に結びつく選曲だ。モーツァルトは39番があれば3大シンフォニーが揃うのに、ドヴォルザークの新世界は聞きたかったな、と思う。散漫にも思えるし、モーツァルトとハイドンの組み合わせは自然としてチャイコフスキーの《ロメオとジュリエット》とリヒャルト・シュトラウスの《ドン・ファン》は度肝を抜く。

しかし、この2曲こそにカラヤンの50歳代の全てが注がれていると聴く。
カラヤンの指揮する曲は概して大胆さや迫力にプラスして、丁寧でかつ美しい。とりわけ、ゆっくりしたテンポでの美しい旋律は、カラヤンの最も得意とする部分だ。

本盤で例えれば、怒濤のような旋律の中で、ぱっと花が咲くように美しいメロディーが流れる。この点にかけては、カラヤンは見逃さず見事に再現している。言い換えればダイナミックレンジが広いとでもいえましょうか。

[one_half] GB DEC SXL2269 カラヤン チャイコフスキー・ロメ…
[/one_half][one_half_last] (1) recorddate: 1960年1月7日〜9日
(2) recordsession: ウィーン、ゾフィエンザール
(3) p&e: ジョン・カルショウ
(4) addition: 優秀録音、名盤
[/one_half_last]

WIDE BAND WITH GROOVE ORIGINAL RECORDING BY THE DECCA ED1 ORIGINAL, STEREO 1枚組(160g), Release 1961, Stamper 1E/1E。

品番 34-1000003
販売価格 18,000 円(税別)

WIDE BAND ED1(左上に "ORIGINAL RECORDING BY THE DECCA" )

SXL シリーズは SXL 2001 から始まる 2,000 番台、SXL 6001 から始まる 6,000 番台がありますが、2,000 番台の全てと 6,000 番台前半のレコードがこれに該当します。レーベル中にデザインされている銀色の帯(黒色で「FULL FREQUENCY」と書かれている)の幅が 13 ミリメートルあり、ED4 よりかなり広い。そのため、「ワイド・バンド」とも呼ばれています。

また、ラベル上部、10時位置から右向きに「 Original Recording By … 」の文字が見られます。 更に、ラージ・レーベルの外周から約1センチのところに溝( GROOVE )があり、この3つが揃っているものを ED1 ( English Decca 1 )と呼び、SXL の最初期ラベルとなります。このレーベルが、デッカのステレオレコードの中でも、もっともプレスの時期が早く、オーディオファイルたちの憧れの的です。

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田園のシンフォニー、田舎の生活と追憶 SPレコードでワルターの《田園》を聴く https://blog.amadeusclassics.com/entry-4273 Sat, 24 Jan 2015 14:54:23 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=4273 25日日曜日午後、今年最初の蓄音器コンサートを開催します。 曲はベートーヴェンの田園。 SPレコード時代から田園の名演奏としてスタンダードにまでなった録音です。この曲は欄外に記したように、ロマン派の標題音楽の先駆をなす交…

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25日日曜日午後、今年最初の蓄音器コンサートを開催します。
曲はベートーヴェンの田園。
SPレコード時代から田園の名演奏としてスタンダードにまでなった録音です。この曲は欄外に記したように、ロマン派の標題音楽の先駆をなす交響曲と言われてもいます。
でも、文中の核とした通り、自然の描写ではなく自然に接してベートーヴェンの中から沸き上がる感謝の気持から生み出されたものという見方も出来ます。

クリックしてスライドショーを表示

曲は5楽章というユニークな形態ですが、また第3から5楽章までの3つの楽章は続くて演奏される。そこで明日の例会では3つのパートに区切って話と鑑賞を行なっていきます。

昨年も自然の脅威を感じる事件、災害が多くありました。
毎年念頭には今年は大事の起こらない一年でありますようにと念じますが、そういう時にベートーヴェンの第6交響曲は相応しい音楽ではないでしょうか。
そしてワルターの演奏は本当にそういう気持ちで聴くときにしっかり手応えを感じさせる演奏ではないでしょうか。

例会は2015年1月25日、午後1時30分。熊本市細工町の五福公民館で開催。例会への参加は自由です。

[notification type=”alert-info” close=”false” ]くわしくは
蓄音器を楽しむ会(第22回)ご案内 – ベートーヴェンの《田園》の定番を聴く[/notification]The post 田園のシンフォニー、田舎の生活と追憶 SPレコードでワルターの《田園》を聴く first appeared on Classical Notes.]]>
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ニューイヤーコンサート ウィーン・フィルと蜜月にあるメータの軽やかなシュトラウスを聴く。 https://blog.amadeusclassics.com/entry-4105 Thu, 01 Jan 2015 09:45:33 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=4105 1939年に開始されたウィーン・フィルのニューイヤーコンサート。NHKでは1984年から毎年テレビで衛星生放送を実施しており恒例行事として世界で最も多くの人が同時に試聴するコンサートである。2015年の指揮台に立つのはズービン・メータ。1990年に初めて指揮して以来、1995、98、2007年に続き5回目の登場となる。

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大阿蘇は雪が降っている熊本。市内は降雪はなく青い空が開けていますが、それは空気が澄んでいて阿蘇山では雪が降っているんだなぁと、この季節ならではの気象状態です。室内から空や表通りを観る限りでは、外出したら気持ちが良いだろうなと思いましたが年賀状を受け取るのに玄関を出たら通りを凄まじい音で風が通り抜けています。
それは見えないモンスターが次々と阿蘇から降りてきているように感じられました。

大晦日には午後になって激しい雷が轟いて雨が降った。幸いに時間ほどで止みましたが熊本の師走、正月は12月に入った頃に一旦寒さがやってきてピークは忠臣蔵の放送がある半ば。クリスマスに雪が降れば塩梅の良い演出となるもので正月三が日は晴れている。ということが多いでしょう。
2014年から2015年への年越しも同様で、いつもと変わりない元日を過ごしています。

年越し、年初の楽しみはウィーン・フィルのニューイヤーコンサート。生中継まで時間が迫っています。新年最初のワクワク感です。

ズービン・メータのニューイヤーコンサート

Neujahrskonzert / New Year's Concert 2015

今年はズービン・メータの指揮で

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は、長年にわたり新年に、シュトラウス一家やその同時代の作曲家の数々のレパートリーより、明るく楽しい、そして内容 豊かなプログラムでニューイヤーコンサートを行っています。
このニューイヤーコンサートは、ウィーンのムジークフェラインの観客に大変人気があるだけでなく、世界中へのテレビ中継もすでに46ヵ国で行われており、オーストリア国内のみならず海外でも大変によく知られ親しまれています。
かつてのオーストリアの歴史の暗い一幕においては、これらのコンサートはオーストリア国民に自国へ回帰の念を呼び起こし、同時によりよい時代への希望をもたらしました。今日では、世界中の何百万という人たちが、ニューイヤーコンサートの軽やかで、また内容の深い音楽に感動し、新しい年を喜びと期待をもって迎えていただいています。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は、ニューイヤーコンサートを通じて、このジャンルの名作の貴重な演奏のみならず、オーストリアの音楽大使とし て、世界中の人々に希望と友情そして平和のご挨拶をお届けしたいと願っています。

ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート プログラム

本日午後7時(日本時間)、恒例のウィーンフィルハーモニー管弦楽団によるニューイヤーコンサートが開演する。

ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートは、毎年1月1日にウィーン学友協会の大ホールで行われる音楽界の一大イベント。チケットの入手は極めて困難で、毎年一年前から抽選が行われることで知られている。
コンサートの曲目はウィーンを代表する音楽家であるシュトラウス一族のワルツやポルカ。新年を祝うにふさわしい明るく華やかな雰囲気で行われ、アンコールの定番「ラデツキー行進曲」では観客も手拍子を入れて会場が一つになることで有名だ。
2015年の指揮者はズービン・メータ。1990年に初めて指揮を執って以来、5度目のニューイヤーコンサートとなる。ウィーン・フィルとの関係が深く、日本でも人気の高い世界的指揮者であるメータ。演奏のほどに期待が高まる。気になるプログラムは以下の通り。

プログラム
  1. フランツ・フォン・スッペ Ouv. Ein Morgen, ein Mittag, ein Abend in Wien
  2. ヨハン・シュトラウス2世 Märchen aus dem Orient. Walzer, op. 444
  3. ヨーゼフ・シュトラウス Wiener Leben. Polka francaise, op. 218
  4. エドゥアルト・シュトラウス Wo man lacht und lebt. Polka schnell, op. 108
  5. ヨーゼフ・シュトラウス Dorfschwalben aus Österreich. Walzer, op. 164
  6. ヨハン・シュトラウス2世 Vom Donaustrande. Polka schnell, op. 356

— 休憩 —

  1. ヨハン・シュトラウス2世 Perpetuum mobile. Musikalischer Scherz, op. 257
  2. ヨハン・シュトラウス2世 Accelerationen. Walzer, op.234
  3. ヨハン・シュトラウス2世 Elektro-magnetische Polka, op. 110
  4. エドゥアルト・シュトラウス Mit Dampf. Polka schnell, op. 70
  5. ヨハン・シュトラウス2世 An der Elbe. Walzer, op. 477
  6. ハンス・クリスチャン・ロンビ Champagner-Galopp, op. 14
  7. ヨハン・シュトラウス2世 Studenten-Polka. Polka francaise, op. 263
  8. ヨハン・シュトラウス1世 Freiheits-Marsch, op. 226
  9. ヨハン・シュトラウス2世 Annen-Polka, op. 117
  10. ヨハン・シュトラウス2世 Wein, Weib und Gesang. Walzer, op. 333
  11. エドゥアルト・シュトラウス Mit Chic. Polka schnell, op. 221
アンコール曲や楽曲の感想など追記先The post ニューイヤーコンサート ウィーン・フィルと蜜月にあるメータの軽やかなシュトラウスを聴く。 first appeared on Classical Notes.]]>
4105
『極端なニュアンスや本格的なフォルティッシモやピアニッシモは極力これを避けねばならない』と具体的に解ってはいるけれども自分に出来ないジレンマ https://blog.amadeusclassics.com/entry-3922 Sun, 30 Nov 2014 18:32:12 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=3922 濃厚な官能性と、高い精神性と、その両方が一つに溶け合った魅力でもって、聴き手を強烈な陶酔にまきこんだフルトヴェングラーの音楽は類稀な観念と情念が生き返ってくるのがきこえるもので作曲家たちが楽譜に封じ込めた思いまではレコードでは伝えきれないものだと思います。カラヤンとフルトヴェングラーの音楽は、そこで有り様が分かれ道なのです。

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不滅の指揮者、不朽の名盤
俺には経験も実績も優っているのに、あの若造に出来ることが出来ないんだ。『極端なニュアンスや、本格的なフォルティッシモやピアニッシモは極力これを避けねばならない』と具体的に指摘し、テンポについても『極めて緩慢なテンポは、ややもすれば退屈で気抜けしたものと成り、極めて速いテンポは騒々しく不明瞭になりがち』だし、休止と総休止も出来るだけ控えめにすべきだと解ってはいるけれども、自分は上手く出来ないことへのジレンマ。時の帝王と次代の帝王の違いはレコードという『死後も残る名声』の違いにあった。

マエストロのジレンマ

大巨匠フルトヴェングラーが没したのは、肺炎での病死だった。ベルリン・フィルの首席指揮者に在任中のまま後継者を指名できずに世を去った。チェリビダッケを考えていたようだし、ベルリンの新聞はチェリビダッケに風を向けていた。でも、チェリビダッケはフルトヴェングラーとの仲を断ったままだった。
結果、フルトヴェングラーの死後、ベルリン・フィルの首席指揮者はヘルベルト・フォン・カラヤンが後を受けた。病床で知らせを感じていただろうフルトヴェングラーには歯がゆいことだったでしょう。フルトヴェングラーがライバル視して、事あるごとに(あらが)っているのを現代から振り返ると、足掻(あが)けば足掻く程カラヤンの格を上げてしまったように見える。

Erich Röhn violon/violin - Arthur Tröster, violoncelle/cello NDR Orchester, Hamburg, 22.IX.1947

1954年11月30日に68歳で没したフルトヴェングラーの、60回目の命日を迎えた。

1931年にフルトヴェングラーは『音楽の生命力』と題するエッセイを書いている。(『音と言葉』所収)

これからの音楽家にはレコード録音が重要なのを認めていた。良いレコードをつくるためには『極端なニュアンスや、本格的なフォルティッシモやピアニッシモは極力これを避けねばならない』と具体的に指摘し、テンポについても『極めて緩慢なテンポは、ややもすれば退屈で気抜けしたものと成り、極めて速いテンポは騒々しく不明瞭になりがち』だし、休止と総休止も出来るだけ控えめにすべきだと分析している。

実に良く昭和初期のSPレコードの特性を理解していました。でも、その理解していることポイントを彼には充分に活用できなかった。
実際に録音で試みてみたものの、プレイバックを聴いて諦めた。

スタジオ録音においてフルトヴェングラーは一生懸命に、極端なニュアンス、本格的なフォルティッシモやピアニッシモ、極めて緩慢なテンポ、極めて速いテンポを避け、休止と総休止も控えめにしようとした。だが、そうして出来たレコードは平板で退屈なものに成ってしまう。

溝の中の突起物

戦時下でのフルトヴェングラーのライヴ録音は、その時の楽団員の想い、国民の苦悩が代弁されているように感じます。1951年のバイロイト音楽祭でライヴ録音されたベートーヴェンの交響曲第9番は、誰もが戦争が終わったと心のなかに広がった感情が今も私達の気持ちを震わせるのです。と共に、それまでフルトヴェングラーに憑依していたものだったように、その戦後のフルトヴェングラーの音楽は表情が変わる。

録音から60年以上経過しても歴史的録音と言えないほど『バイロイトの第九』は、全てのミュージシャン、音楽愛好家には大きく立ちふさがっているレコードでしょう。
でも、この時の録音は当初は発売する予定がなかった。これは驚いちゃうことですが、フルトヴェングラーの死の直後に発売されると歴史的名盤になるという皮肉な結果と成った。この《第九》が発売された時、カラヤンの前に、これまで立ちふさがっていた大きな敵である現実のフルトヴェングラーに代わって、カラヤンの膨大なレコード録音は、このフルトヴェングラーの『死後も残る名声』と生涯にわたって闘っていただけかもしれない。

CD時代に成り、インタビューでカラヤンは『時間があれば、自分のレパートリーを全てデジタル方式で録音し直しCD化したい』という言葉の裏に、レコードを過去のものにしたい。それにはカラヤン自身のアナログ録音もフルトヴェングラーの全部のレコードも葬って、その上で自分の新録音だけの王国が築かれるのを夢想した。

カラヤンの最初のデジタル録音はワーグナーの舞台神聖祭典劇《パルジファル》(1979年12月録音)だったが、発売はモーツァルトの歌劇《魔笛》(1980年1月録音)が第一弾を飾った。なにより1980年12月から1981年1月の時期に録音されたリヒャルト・シュトラウスの《アルプス交響曲》、ホルストの《惑星》はCDでの成果が大きかった。レコードのA面、B面を、ひっくり返す必要がなく一気に音楽に没頭できた。

Karajan Digital

デジタル録音で“自分のレパートリー”のどれだけをカラヤンは録音できたのだろう。1989年に亡くなる。その後の状況は私達がよく理解っていることだ。

カラヤンの死を待っていたかのように、その年の秋、ベルリンの壁は崩壊した。
終戦時、ベルリンに到達したソ連軍がベルリンの放送局から押収し、モスクワに持ち帰った膨大な料の録音テープがあった。その中にフルトヴェングラーの戦中のライヴ録音が有ることは以前から知られており、そのテープが1987年に返還されていた。
カラヤンが急死した年の暮れ、ドイツ・グラモフォンはフルトヴェングラーが戦争中に演奏した公演のライヴ録音のCDをセットで発売した。

カラヤンが生きていたらどう思ったであろうか。それ以前からもデジタル技術はフルトヴェングラーの過去の傷だらけの録音を新鮮なものに蘇らせ、夥しい数が市場に出たことは苦々しく感じていただろう。

カラヤンがデビューした時にフルトヴェングラーが、ベルリン・フィルでカラヤンがコンサートを行えないようには謀れたけれどもレコーディングまでは口出しできなかったことが、ここで逆転してカラヤンの強力な情報操作でも口出しできなかった。

濃厚な官能性と、高い精神性と、その両方が一つに溶け合った魅力でもって、聴き手を強烈な陶酔にまきこんだフルトヴェングラーの音楽は類稀な観念と情念が生き返ってくるのがきこえるもので作曲家たちが楽譜に封じ込めた思いまではレコードでは伝えきれないものだと思います。カラヤンとフルトヴェングラーの音楽は、そこで有り様が分かれ道なのです。

Opera SACD

[lastupdated format=”Y年, F j日, l” before=”最終更新日は” after=”です。”]The post 『極端なニュアンスや本格的なフォルティッシモやピアニッシモは極力これを避けねばならない』と具体的に解ってはいるけれども自分に出来ないジレンマ first appeared on Classical Notes.]]> 3922 音楽で平和を祈るダニエル・バレンボイムとウィーン・フィルのニュー・イヤー・コンサート 2014 https://blog.amadeusclassics.com/entry-3141 Sat, 11 Jan 2014 12:55:05 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=3141 平和を祈ることに音楽活動のすべてが繋がっている指揮者ダニエル・バレンボイムはコンサートの最初に愛妻の名前のある曲を演奏しました。平和は自分ができるところから心がけていけば連鎖的に広がっていくものだと、プライヴェートな理由ですが、これが最も大切なことで希望の理由に、そう言えることが素晴らしい行為ではないでしょうか。

The post 音楽で平和を祈るダニエル・バレンボイムとウィーン・フィルのニュー・イヤー・コンサート 2014 first appeared on Classical Notes.]]> 元旦に地上波で生中継されたウィーン・フィルのニュー・イヤー・コンサート2014,2014年1月11日 25時25分からBS−プレミアムでハイビジョン放送。
Vivienne Westwood for Vienna State Ballet

Vivienne Westwood for Vienna State Ballet

平和を祈ることに音楽活動のすべてが繋がっている指揮者ダニエル・バレンボイムはそ、の思いが強いことは良く知られていることです。平和は唱えるだけではなく自分ができるところから心がけていけば連鎖的に広がっていくものだと、まさにシュトラウスのワルツに寄せて全世界で最初に注目されるクラシックのコンサート。

ダニエル・バレンボイムはコンサートの最初の曲に愛妻の名前のある曲をまず演奏しました。番組ではピアニストでバレンボイム夫人のエレーヌさんを何度も映し出していました。

楽団員が演奏をしながら歌う『エジプト行進曲』も、バレンボイムの希望だったということです。彼は現在エジプトのオーケストラを指揮していて、その応援の気持ちが現れてのことです。

プライヴェートな理由ですが、これが最も大切なことで希望の理由に、そう言えることが素晴らしい行為ではないでしょうか。

プログラム

第一部

  1. エドゥアルト シュトラウス Helena Quadrille, op. 14 美しいエレーヌのカドリーユ
  2. ヨーゼフ シュトラウス Olive Branch Waltz, op. 207
  3. ヨハン シュトラウス1世 Caroline Gallop, op. 21
  4. ヨハン シュトラウス2世 Egyptian March, op. 335 エジプト行進曲
  5. Seid umschlungen, Millionen. Walzer, op. 443
  6. Tempestuous in Love and Dance, Fast Polka, op. 393

第二部

  1. ヨハン シュトラウス2世 Overture to the Operetta “Waldmeister” Klipp-Klapp, Gallop, op. 466
  2. Tales from the Vienna Woods, Waltz, op. 325
  3. ヨーゼフ ヘルメスベルガー2世 Vielliebchen, Polka française, op. 1
  4. ヨーゼフ シュトラウス Bouquet Polka, Fast Polka, op. 188
  5. リヒャルト シュトラウス Moonlight Music from the Opera “Capriccio”
  6. ヨーゼフ ランナー The Romantics, Waltz, op. 167
  7. ヨーゼフ シュトラウス Teasing, Polka mazur, op. 262
  8. Shenanigans, Fast Polka, op. 98
  9. レオ ドリーブ Variation dansée (Pizzicati) from the Ballet “Sylvia”
  10. ヨーゼフ シュトラウス Dynamiden, Waltz, op. 173
  11. Without a Care, Fast Polka, op. 271
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ヴィジュアルでは見劣りするだろうけどサウンドは逃しちゃいけないぞ バレンボイムのニューイヤーコンサート https://blog.amadeusclassics.com/entry-3026 Wed, 01 Jan 2014 09:02:15 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=3026 元旦からへそ出して新しい身体のつながりを期待している一年。リアルに会えなくても僕たちは音楽で繋がれるんだ:カラヤンはベルリン・フィル、ウィーン・フィルから自分の響きを引き出しましたがバレンボイムはオーケストラの生成りの響きは時に荒々しく露呈させてしまうところがあります。新春の寿ぎを覚ます瞬間も無きにしもあらずですが、年の始の聞き逃せない音楽の放送時間が迫っています。

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歳送りのシンプルな歌合戦として、視聴者全世代が楽しめる歌手が集っていたかつての紅白歌合戦。早い時間帯に若者のための歌手が彩っていたスタイルと、今年の紅白は歌の力で未来を応援するようなNHKのメッセージ性の強い特別番組の感触があった。ふるさと—それは現実の故郷であり、心のふるさとに軸足を置いた『歌がここにある」とされたテーマ通りにかなっていた。

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僕たちは音楽で繋がれるんだ

台湾から中継された福山雅治さんの2014年へのメッセージが、その後歌われた「誕生日には真白な百合を/Get the groove」共に2013年の紅白歌合戦を総括していた。それを違う表現で歌われてきたのが泉谷しげるさんの『春夏秋冬』。ぶっきらぼうで乱暴に見える泉谷さんですが、誰よりも音楽の力を絶えず歌ってきた存在だろう。泉谷しげるさんの登場がここだったのは、このふたりの歌うメッセージが伝わりやすいように3時間の数々の歌手の歌のメッセージがあってこそ。

いきなり単独では、これほどはっきりと歌の内容が心に響かないでしょうね。

新しい年の最初に音楽がしてくれる「お・も・て・な・し」。

ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート。今年はダニエル・バレンボイムが指揮をします。前回は2009年に指揮台にたちました。
ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートが新春にテレビで楽しむのが定番となるのは、ウィリー・ボスコフスキーが初めてコンサートをデジタル録音して発売されたレコードが原点。実のところは前日までのリハーサルを編集したものですが、それが全世界に生中継されるまでなりました。

1955年から79年までボスコフスキーが指揮をしていた後を、ロリン・マゼールが7年間引き継ぎますがウィーン・フィルとの中が怪しくなり、ちょうどベルリン・フィルを決裂してウィーン・フィルとの中を深めたかったカラヤンが1979年に登場。これはセンセーショナルでした。

まさか毎年新春にカラヤンの演奏が、無料で中継されるなんて。その期待は毎年入れ替わり指揮者が登板するスタイルになりますが、ニューイヤーコンサートのスタイルを変える事にもなりました。
ボスコフスキーが成し得たことは、毎年新しい曲を発掘すること。シュトラウス・ファミリーのワルツは作曲されて演奏された機会きり眠ったままの楽譜が多く、ウィーン楽友協会のライブラリを整理することが目的でもありました。マゼールは自身、ヴァイオリニストでもありますから上手に継承できたのです。その後は、ライブラリにある楽譜を丹念に勉強するような指揮者のゆとりもないでしょうが、同じ曲でも指揮者の味で違うのがわかりやすいものとなりました。

ダニエル・バレンボイムの音楽からは、楽譜に書かれたドラマが聴こえる。音符が描こうとしたもの、それが情感として響きます。カラヤンはベルリン・フィル、ウィーン・フィルから自分の響きを引き出しましたがバレンボイムはオーケストラの生成りの響きは時に荒々しく露呈させてしまうところがあります。新春の寿ぎを覚ます瞬間も無きにしもあらずですが、年の始の聞き逃せない音楽の放送時間が迫っています。

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秘蔵盤 クナッパーツブッシュの「ウィーンの休日」 https://blog.amadeusclassics.com/entry-2894 Wed, 18 Dec 2013 18:49:21 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=2894 通販レコード。180グラム重量盤。20世紀のシュトラウス演奏の規範とは評価出来ないアルバム。曲想の変化に伴ってテンポは弛緩し、予期せぬアクセント、隠されている対旋律が浮かび勃ち聴き手の心をくすぐります。スタイルを超越した灰汁の強い崩しは病み付きになるのだろう。わがままが傑出した時代を超えた怪演として聴き継がれるだろう。

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気宇壮大の遊びとユーモアが大きく深呼吸しているのが、クナッパーツブッシュの「ウィーンの休日」。かの名ソプラノ、エリザベート・シュワルツコップが「無人島に持っていく一枚」と評した言葉だけが常套句のように使いまわされて各処で評価の話題に登りますが、これは20世紀のシュトラウス演奏の規範とは評価出来ないアルバムです。
《ウィーンの森の物語》は人間を暖かく迎えたり、時として人間に厳しさを思い知らせる森の風景。それはジークフリートがどこかでドラゴンの鼻ちょうちんを蹴たぐったようです。地味で素っ気無い無愛想とさえいえるヨハン・シュトラウスですが、辛口ではなく表現力は意味深く。スタイルを超越した灰汁の強い崩しは病み付きになるのだろう。

音のたゆたうところが楽しいと書いて、音楽。

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UK DECCA SXL 2016 – Hans KNAPPERSBUSCH, The Vienna Philharmonic Orchestra – Vienna Holiday

師走はワーグナーの楽劇、ベートーヴェンの第九で締めくくり。新年は早朝からゆっくり時間が取れればバッハのカンタータ『太鼓よ轟け、ラッパよ響け』だけを聴く。夜は毎年欠かしていないのがウィーン・フィルのニューイヤーコンサートです。
最後のアンコールで演奏されるヨハン・シュトラウス父作曲の「ラデツキー行進曲」が終わると、元旦が終わったと実感します。何年か前に緊急事態で演奏されないことがあった時、新年の始まりを感じられなくて“あぁ、自分にとってはけじめになる音楽なんだな”と認識した次第。日々の中でも、もうちょっとだ頑張れと自分自身を後押しするようなときには口三味線でメロディーをナゾッていることがあります。
ほろ酔い気分の息子たちのワルツと違って、父ヨハン・シュトラウスの人柄を感じられるような音楽。息子に音楽家になるな、と厳しかったのが目に見えるようです。

12月22日放送の、NHK-FM“きらクラ”は年内最後の放送でしょうか。お二人が選んで紹介してくれるコーナーでは新鮮な気持ちで改めて曲に接する機会を得られています。それ共々、新年も初めて出会う曲を楽しみです。ちょっと早いですが、メリー・クリスマス・アンド・ハッピー・ニュー・イヤー。

レコード、CD で親しんできた「ラデツキー行進曲」は管弦楽の主題で始まる。
鼓笛隊風に、リズミックな小太鼓が先導するようになったのはアーノンクールがニューイヤーコンサートに登場した時からではないでしょうか。
この曲は、父ヨハン・シュトラウスと息子の名前が併記してあることもあり、どのくらいの相違があるのか具体的な答えは持ってません。アーノンクールが指揮したウィンナ・ワルツの数々はどれも新鮮で、ちょうどミックスを作るのが面白かった頃だったので合いの手代わりにこの小太鼓のリズムを使ってポプリを作った思い出があります。

ラデツキー行進曲は、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートにおいて、アンコールの掉尾(ちょうび)を飾る曲として伝統的に使用されているが、この版は長年にわたって楽団員たちが手を加え続けたものであり、原典版とは大きく楽器法や音の強弱などが変化している。

「ウィーンの休日」J.シュトラウス:ラデツキー行進曲,アンネン・ポルカ,トリッチ・トラッチ・ポルカ 他,コムツァーク,ツィーラー

ラデツキー行進曲がアンコールに演奏されてお開きとなるスタイルはいつから定着しているのでしょう。
ウィンナ・ワルツを聴くなら、ウィリー・ボスコフスキーの指揮で。DECCA の初デジタル録音だった二枚組の「ニューイヤーコンサート 1979」で「ラデツキー行進曲」は最後になっています。衛星中継ではなく録画放送だったと思いますし、家庭用ビデオはようやく普及していた時代ではないでしょうか。これが演奏会の全体をオーディオで楽しめるレコードとして発売され、名盤としてコレクター必聴の定番。

巨匠、クナッパーツブッシュ(1988~1965)はレパートリーの狭い指揮者でしたが、ヨハン・シュトラウスの音楽を面白おかしく聞かせてくれます。それは溺愛していたワーグナーや陶酔していたブルックナーでの彼からは想像できません。

ただただ音符と戯れている。

で、彼のことばの中にこんなのがある。

諸君は何度もこの曲を演奏しているし僕も知っているから明日演奏会場で会おう。
クナッパーツブッシュ(1988~1965)

聴きどころは…

出会い頭のハプニング。千載一遇(せんざいいちぐう)の録音として聴いてほしい。もちろん“明日演奏会場で会おう”と言えるのは指揮者と楽団員の親しさが深かったことがわかります。地味で素っ気無い無愛想とさえいえるヨハン・シュトラウスですが、辛口ではなく表現力は意味深く。《ウィーンの森の物語》は人間を暖かく迎えたり、時として人間に厳しさを思い知らせる森の風景。ジークフリートがどこかでドラゴンの鼻ちょうちんを蹴たぐったようです。
ツィターのコムツァークが加わる演奏ですが、ツィター奏者の息遣いがしっかり聞こえます。録音エンジニアはジェームズ・ブラウン。彼のいるステレオ録音チームに後に DECCA の看板と言われるケネス・ウィルキンソンが加わった時期で、色々ディスカッションしてマイクの配置などが決められたのでしょうね。
この「ウィーンの休日」は、まだまだステレオ再生装置が普及してない頃でモノーラル盤用の録音は別セットだったと言われています。

翌年に米RCAの名盤。ライナー指揮シカゴ交響楽団の「Vienna 美しく青きドナウ〜ウィンナ・ワルツとポルカ名演集」が登場。レコーディングには「ウィーンの休日」は意識され研究されたことでしょう。
クナッパーツブッシュ、ライナー盤共に伝説と言われている名盤ですが実際どのくらい2枚のレコードが意識されているのでしょう。かの名ソプラノ、エリザベート・シュワルツコップが「無人島に持っていく一枚」と評した言葉だけが常套句のように使いまわされていますが、その真実は。安易に言葉の表面だけを受け止めていると誤解に驚きます。

気宇壮大の遊びとユーモアが大きく深呼吸している。ライナー盤にもその存在は確信できるウィンナワルツです。
20世紀のシュトラウス演奏の規範とは評価出来ないアルバム。曲想の変化に伴ってテンポは弛緩し、予期せぬアクセント、隠されている対旋律の強調と流麗で華やかなイメージでは無いのに聴き手の心をくすぐります。スタイルを超越した灰汁の強い崩しは病み付きになるのだろう。
わがままが傑出したスケール豊かな好演。時代を超えた怪演として聴き継がれるだろう。

ノート

曲目:Side-1

  1. ヨハン・シュトラウス1世:ラデツキー行進曲 作品228
  2. カール・コムツァーク:ワルツ『バーデン娘』 作品257
  3. ヨハン・シュトラウス2世:アンネン・ポルカ 作品117
  4. ヨハン・シュトラウス2世:加速度円舞曲 作品234

曲目:Side-2

  1. ヨハン・シュトラウス2世:トリッチ・トラッチ・ポルカ 作品214
  2. カール・ツィーラー:ワルツ『ウィーンの市民』 作品419
  3. ヨハン・シュトラウス2世:ポルカ『うわき心』 作品319
  4. ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ『ウィーンの森の物語』 作品325

演奏

ツィター:
カール・コムツァーク (B-4)
指揮:
ハンス・クナッパーツブッシュ
オーケストラ:
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

プロダクト

レーベル:
英 DECCA
レコード番号:
SXL-2016
初版:
ffss、大デッカ溝ED1、ラウンド折り返しコート、ブルーバック・ジャケット。
録音種別
セッション・ステレオ
録音年
1957年10月15日-16日、ウィーン、ムジークフェラインザール
プロデューサー、エンジニア
エリック・スミス、ジェームズ・ブラウン、デッカ・スタジオ
フォーマット
1LP

通販レコード

コンディションと価格
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中古品につき売却済みの際はご容赦ください。
Amazon.co.jp での取り扱い開始日: 2013/9/24

レコードカルテ

Record Label Black/Silver ‘grooved sideband’ labels “ORIGINAL RECORDING BY” at 11 o’clock
Recording & Weight ffss STEREO 1枚組 180g
Release & Stamper 3E/3E

℗©1958, 9.58

  • Disc : 180グラム重量盤。
  • Cover : コンディションは良好。
価格
中古市場での目安価格 30,000 円
販売価格 36,750 円

関東への配送料 340円。代金引換が利用できます。

詳細 http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e790828.html

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超人気盤【通販レコード】独DEUTSCHE GRAMMOPHON 2530 516 カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィル ベートーヴェン:交響曲No.5《運命》 ブルーリング・ラベル https://blog.amadeusclassics.com/entry-1126 Sun, 04 Mar 2012 17:47:17 +0000 http://blog.amadeusclassics.com/?p=1126 流麗で艶やかなウィーン・フィルが、きびきびと演奏している。弦楽奏者がしゃかりきになって弓で弦をこする、松ヤニの飛沫の匂い。名門が手玉に取られている。音楽の流れにあわせ自由に変化していくいきいきとした躍動感は、まさにクライバーならではのことである。彼の指揮の魅力すべてが横溢する演奏。録音は超一流、アナログ録音の究極美。

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流麗で艶やかなウィーン・フィルが、きびきびと演奏している。弦楽奏者がしゃかりきになって弓で弦をこする、松ヤニの飛沫の匂い。録音は超一流。
ジャケットのデザインを観れば分かることですが、デジタル録音ではなくてアナログ録音の究極美のレコード芸術と言える完成度で、ベートーヴェンの誰もが知っている《運命交響曲》だけに、レコードの歴史上でも大きな足跡となったのでしょう。

Carlos Kleiber , Vienna Philharmonic Orchestra – Beethoven : Symphony No.5 – Deutsche Grammophon 2530 516

クリックしてスライドショーを表示 アナログ・オリジナル盤について、詳しくはこちらをご覧下さい amadeusclassics.otemo-yan.net

カルロス・クライバーは優れた指揮者であったことは音楽を楽しんでいるような指揮姿からもびしびしと伝わってくるものですが、大きな存在としてエーリッヒ・クライバーは父親では有って欲しくなかったことでしょう。
エーリッヒ・クライバーは屈指の指揮者だけれども、父親としてはどういう指導者であったのかは推測も出来ない。

両クライバーが録音した同じ楽曲を比較して聴くことは酷なことでしょう。しかし、カルロス・クライバーが急死して7年。35年前にセンセーショナルとなった《運命》を改めて聴く時、父親の影を振り払おうとするようなもがきは響いてきません。
ライヴではなくてセッション録音であることが、極めて高密度な緊張感を指揮者にもオーケストラにも訪れているようです。録音はそれをドキュメントのように録らえています。


☆通販レコード 販売中
【交響曲】http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e580339.html

Products
レーベル: 英 Deutsche Grammophon
レコード番号: 2530 516
オリジナリティ: ブルー・リング・ラベル
Composer Title
ベートーヴェン 交響曲 No.5 《運命》
Performer
指揮: カルロス・クライバー
管弦楽: ウィーン・フィル

1975年リリース。クライバーの超人気盤です。

通常価格
¥9,000
販売価格
¥3,000
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