頭の天辺から足の先まで男たちに味わわれて、わたしは幸せな気持ちになるのよ ― プッチーニのオペラ《ラ・ボエーム》第2幕のアリア、ムゼッタのワルツ『わたしが街を歩く時』

頭の天辺から足の先まで男たちに味わわれて、わたしは幸せな気持ちになるのよ ― プッチーニのオペラ《ラ・ボエーム》第2幕のアリア、ムゼッタのワルツ『わたしが街を歩く時』

クリスマスの夜。出会った若い詩人ロドルフォと、お針子ミミ。カルチェ・ラタンには大勢が繰り出し、お金持ちのパトロンとやってきたムゼッタが、元カレだったマルチェッロを見つけるとからかい半分に誘惑の歌をうたう。それが、この曲。『わたしが街を歩くと、男たちが振り返る。熱い視線でわたしの頭の天辺てっぺんから足の先まで味わうように吟味する。その視線が、わたしを幸せな思いに高ぶらせる。』と、少々卑猥な歌だけれども、この歌が弱気のミミの背中をちょっと押してくれることになる。クリスマス気分を演出する場面ですが、愛のドラマを先にすすめる“きっかけ”でも有る、オペラ《ラ・ボエーム》のおへそ。

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幸せになってくれ、と密かに思いを寄せる女性を励ますために男気を見せた ― ブラームスの《ピアノ協奏曲第1番》

幸せになってくれ、と密かに思いを寄せる女性を励ますために男気を見せた ― ブラームスの《ピアノ協奏曲第1番》

先週のピアノ祭り。三舩優子さんと三浦友理枝さんの連弾、素敵でした。4手のための連弾曲、二台ピアノのための演奏に興味を持っていろいろとCDを求めたり、演奏会に通って夢中になった時期が有りました。
『惑星』の連弾版もあるし、チャイコフスキーは『悲愴交響曲』をオーケストレーションとピアノ編曲を同時進行して作曲しています。それだけ慣習的な行為だったのですね。ブラームスもすべての交響曲をピアノ連弾版を残しています。と、前置きが長くなりましたが、第155回のきらクラDONは、ブラームス作曲「ピアノ協奏曲第1番ニ短調 作品15」から第1楽章の冒頭ですね。この曲も、、、と思いますが、どうも、この曲は『2台ピアノのためのソナタ』として作曲に着手した曲だったようです。それが『ピアノ協奏曲』に発展したのは、密かに思いを寄せていたクララ・シューマンを励ますために一念発起したようです。
作曲中に恩人、ロベルト・シューマンが他界。『2台のピアノのためのソナタ』から2年以上遅々として進まないままだったのに急展開、3か月間で完成している。すごい気魄だ。レパートリーの多いカラヤンでさえ録音を残していないくらいに演奏が難しいほどだ。ピアノは楽器の王様、ピアニストは一人オーケストラと言われるように、ピアノは一台で奏でるオーケストラ。そのピアノを4手で連弾することや、二台ピアノで合わせることが60人から80人の意志が集中してつくるオーケストラサウンドとは異なる収束力を聴かせるのが面白いところ。ピアニスト二人が大オーケストラに匹敵するなんて極端ですね。
今年は暖冬という予報で、寒暖が極端です。風邪ひきに気をつけましょう。

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幸せな結婚生活を夢見させる名曲は未来永劫全世界の女性を励ます ― バダジェフスカの《乙女の祈り》

幸せな結婚生活を夢見させる名曲は未来永劫全世界の女性を励ます ― バダジェフスカの《乙女の祈り》

ピアノを弾き始めた頃に憧れる曲のひとつ「乙女の祈り」。メロディーは有名でも、どんな人が作ったのか知っていますか?
「乙女の祈り」は19世紀のピアノ事情と大きく結びつきながら、後世まで受け継がれる曲となりました。当時、ピアノをうまく弾けることは中産階級の若い娘たちにとってステータスであり、また幸せな結婚生活を願いながら男性にアピールする格好のアクセサリーでもあったのです。
あの有名なメロディーが少しずつ変わりながら展開していく変奏曲ですが、結婚し、たくさんの子供にも恵まれ、妻として、母としての人生を送り世界中に求められる名曲を残したバダジェフスカの生涯が重なると共に全女性の願望でしょう。

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時間を超えさせてくれるところに名曲の力を感じる ― チャイコフスキーの白鳥の湖から情景

時間を超えさせてくれるところに名曲の力を感じる ― チャイコフスキーの白鳥の湖から情景

冒頭のハープのきらびやかさはさざなみを表しているような弦楽器群とあいまって波しぶきに輝く光をイメージします。
チャイコフスキーは「白鳥の湖」、「眠れる森の美女」、「くるみ割り人形」の3つのバレエ名作を創出しました。それぞれが人気を決定させた曲、精力的だった時期、そして円熟の晩年の作品といったチャイコフスキーの作曲家としての歩みを追うことも出来るという面白さも有ります。
今はチャイコフスキーのバレエ音楽では「眠れる森の美女」が最も良く聴いているのですが、《情景》には心揺れます。懐かしい気持ちと記憶を刺激してくれる。時間を超えさせてくれるところに名曲の力を感じます。

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どこを切っても名曲には魅力がある ― ベートーヴェンの交響曲第7番の第4楽章

どこを切っても名曲には魅力がある ― ベートーヴェンの交響曲第7番の第4楽章

フランツ・リストが「リズムの神格化」と表し、ワーグナーは「舞踏の権化」と評した。どの楽章も、その本質がリズム作法による展開で支配している。ちょっと聞き、スキップするようなダンサブルな旋律だ。つい、シュトラウスのワルツかなと迷いそう。
おそらくは何かに似ているフレーズの有るところというので、この度は第4楽章の冒頭が出題されたのでしょうけれども、どこを切っても名曲には魅力が有る。スケッチを重ね、推敲に推敲を重ねても多様性と即興性が薄れないベートーヴェンに又、改めて凄さを感じた。

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7つのヴェールの踊り

あゝあゝあ シュトラウスだぁ。シュトラウスでも今年150年記念のリヒャルト・シュトラウス。でも曲名なんだったけ。しばし考えて楽劇サロメから7つのヴェールの踊りの冒頭ですね。リヒャルト・シュトラウスの音楽はどれも最初の数秒に音楽全体が表現されている。凝縮されていると言いなおしたらいいかな。クラシックの中では作曲されるとすぐにラジオで放送される恵まれた機会を得ていたシュトラウス。曲の始まりに自分の曲だとわかる音のサインと曲全体をインデックスしている。それを次第に分かりやすく語りかけるという音楽で管弦楽は巨大だけど、演奏家が疲労困憊しないための仕掛けだったのだと。演奏家たちからも歓迎されるわけですね。これまでリヒャルト・シュトラウスが出題されていなかったのが嘘のようです。

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秘蔵盤 クナッパーツブッシュの「ウィーンの休日」

通販レコード。180グラム重量盤。20世紀のシュトラウス演奏の規範とは評価出来ないアルバム。曲想の変化に伴ってテンポは弛緩し、予期せぬアクセント、隠されている対旋律が浮かび勃ち聴き手の心をくすぐります。スタイルを超越した灰汁の強い崩しは病み付きになるのだろう。わがままが傑出した時代を超えた怪演として聴き継がれるだろう。

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フルート・アンサンブルの名曲《葦笛の踊り》〜甘いアーモンドの精が吹くおもちゃの笛

フルート・アンサンブルの名曲《葦笛の踊り》〜甘いアーモンドの精が吹くおもちゃの笛

ゲストに小池郁江さんを迎えてのフルートが魅力的な選曲が次々。フルートの曲から出題されるかしら。そう思いながら聞いていた。そのきらクラDON。答えはチャイコフスキーの《くるみ割り人形》から《葦笛の踊り》。同組曲中の《中国の踊り》、《金平糖の踊り》と似ていますね。フルーティストたちを魅惑する短くて愛らしい名曲ですね。

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ビゼー作曲か ホフマン作曲か それとも、、、カルメン組曲第一番と第二番

あまりにも聴きなじんだメロディーにひっかけ問題にまんまとかかってしまうかもしれませんが「カルメン組曲第一番」でしょう。ビゼー作曲のカルメンをホフマンが自由に再構成していてオペラの方では第一幕前奏曲の後半部分という答えになるでしょうか。シチェドリン版では終わりの方で出てくる。指揮者次第では順番を入れ替えたりしていますね。

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第63回きらクラDONの答は

チャイコフスキー作曲バレエ「くるみ割り人形」から花のワルツの冒頭。ニアピン賞が楽しみで、似ている曲も考えてみると同じチャイコフスキーの「眠れる森の美女」オーロラ姫が登場する主題に似てませんか。そこで気がついたことですが楽器編成、音の響きも頼りにしていること。これ、ピアノで出題されたら分からない曲だらけになりそうです。

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