きらクラDONは安寧な日々の暮らしを願うアヴェ・マリア ― マスカーニの歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》から「間奏曲」だ

きらクラDONは安寧な日々の暮らしを願うアヴェ・マリア ― マスカーニの歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》から「間奏曲」だ

映画『ゴッドファーザー』の最後で使われている歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』の《間奏曲》は弦楽器のアンサンブルとハープの彩りにパイプオルガンが敬虔な祈りの精神を演出しています。小説では血生臭い結末を間接的に知らせる幕切れは発明と言える演出でギャング映画のラストシーンに引き継がれているように感じます。

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仕事に追われ、忙しいオフィスの情景をユーモラスに描写した ― ルロイ・アンダーソンの《タイプライター》

仕事に追われ、忙しいオフィスの情景をユーモラスに描写した ― ルロイ・アンダーソンの《タイプライター》

かばんを抱えてステージに登場した奏者が、おもむろにかばんからタイプライターを取り出して支度をするところから楽しいですね。楽器として使うってグッドアイデア。作曲したルロイ・アンダーソンも没後40年と、今年がアニヴァーサリーなんですね。「そりすべり」やクリスマスのメロディーをメドレーにしたボストン・ポップスのために作曲された「クリスマス・フェスティヴァル」など、作曲者を意識していないで毎年、楽しんでいますね。どんな顔かしら、とイメージが湧かないのもクラシックでは珍しいのではないでしょうか。

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頭の天辺から足の先まで男たちに味わわれて、わたしは幸せな気持ちになるのよ ― プッチーニのオペラ《ラ・ボエーム》第2幕のアリア、ムゼッタのワルツ『わたしが街を歩く時』

頭の天辺から足の先まで男たちに味わわれて、わたしは幸せな気持ちになるのよ ― プッチーニのオペラ《ラ・ボエーム》第2幕のアリア、ムゼッタのワルツ『わたしが街を歩く時』

クリスマスの夜。出会った若い詩人ロドルフォと、お針子ミミ。カルチェ・ラタンには大勢が繰り出し、お金持ちのパトロンとやってきたムゼッタが、元カレだったマルチェッロを見つけるとからかい半分に誘惑の歌をうたう。それが、この曲。『わたしが街を歩くと、男たちが振り返る。熱い視線でわたしの頭の天辺てっぺんから足の先まで味わうように吟味する。その視線が、わたしを幸せな思いに高ぶらせる。』と、少々卑猥な歌だけれども、この歌が弱気のミミの背中をちょっと押してくれることになる。クリスマス気分を演出する場面ですが、愛のドラマを先にすすめる“きっかけ”でも有る、オペラ《ラ・ボエーム》のおへそ。

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幸せになってくれ、と密かに思いを寄せる女性を励ますために男気を見せた ― ブラームスの《ピアノ協奏曲第1番》

幸せになってくれ、と密かに思いを寄せる女性を励ますために男気を見せた ― ブラームスの《ピアノ協奏曲第1番》

先週のピアノ祭り。三舩優子さんと三浦友理枝さんの連弾、素敵でした。4手のための連弾曲、二台ピアノのための演奏に興味を持っていろいろとCDを求めたり、演奏会に通って夢中になった時期が有りました。
『惑星』の連弾版もあるし、チャイコフスキーは『悲愴交響曲』をオーケストレーションとピアノ編曲を同時進行して作曲しています。それだけ慣習的な行為だったのですね。ブラームスもすべての交響曲をピアノ連弾版を残しています。と、前置きが長くなりましたが、第155回のきらクラDONは、ブラームス作曲「ピアノ協奏曲第1番ニ短調 作品15」から第1楽章の冒頭ですね。この曲も、、、と思いますが、どうも、この曲は『2台ピアノのためのソナタ』として作曲に着手した曲だったようです。それが『ピアノ協奏曲』に発展したのは、密かに思いを寄せていたクララ・シューマンを励ますために一念発起したようです。
作曲中に恩人、ロベルト・シューマンが他界。『2台のピアノのためのソナタ』から2年以上遅々として進まないままだったのに急展開、3か月間で完成している。すごい気魄だ。レパートリーの多いカラヤンでさえ録音を残していないくらいに演奏が難しいほどだ。ピアノは楽器の王様、ピアニストは一人オーケストラと言われるように、ピアノは一台で奏でるオーケストラ。そのピアノを4手で連弾することや、二台ピアノで合わせることが60人から80人の意志が集中してつくるオーケストラサウンドとは異なる収束力を聴かせるのが面白いところ。ピアニスト二人が大オーケストラに匹敵するなんて極端ですね。
今年は暖冬という予報で、寒暖が極端です。風邪ひきに気をつけましょう。

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幸せな結婚生活を夢見させる名曲は未来永劫全世界の女性を励ます ― バダジェフスカの《乙女の祈り》

幸せな結婚生活を夢見させる名曲は未来永劫全世界の女性を励ます ― バダジェフスカの《乙女の祈り》

ピアノを弾き始めた頃に憧れる曲のひとつ「乙女の祈り」。メロディーは有名でも、どんな人が作ったのか知っていますか?
「乙女の祈り」は19世紀のピアノ事情と大きく結びつきながら、後世まで受け継がれる曲となりました。当時、ピアノをうまく弾けることは中産階級の若い娘たちにとってステータスであり、また幸せな結婚生活を願いながら男性にアピールする格好のアクセサリーでもあったのです。
あの有名なメロディーが少しずつ変わりながら展開していく変奏曲ですが、結婚し、たくさんの子供にも恵まれ、妻として、母としての人生を送り世界中に求められる名曲を残したバダジェフスカの生涯が重なると共に全女性の願望でしょう。

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どこを切っても名曲には魅力がある ― ベートーヴェンの交響曲第7番の第4楽章

どこを切っても名曲には魅力がある ― ベートーヴェンの交響曲第7番の第4楽章

フランツ・リストが「リズムの神格化」と表し、ワーグナーは「舞踏の権化」と評した。どの楽章も、その本質がリズム作法による展開で支配している。ちょっと聞き、スキップするようなダンサブルな旋律だ。つい、シュトラウスのワルツかなと迷いそう。
おそらくは何かに似ているフレーズの有るところというので、この度は第4楽章の冒頭が出題されたのでしょうけれども、どこを切っても名曲には魅力が有る。スケッチを重ね、推敲に推敲を重ねても多様性と即興性が薄れないベートーヴェンに又、改めて凄さを感じた。

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名演奏家ライブラリー チェロの巨匠 ミーシャ・マイスキー

名演奏家ライブラリー チェロの巨匠 ミーシャ・マイスキー

番組で紹介するのは1930年代の録音初期から最近の録音まで。膨大な録音遺産に残された、今は亡き伝説の演奏家たちの名演奏や、現代を代表する名演奏家たちの若き日の録音などを、音楽評論家の諸石幸生さんが厳選、その回ごとに一人のアーティストに焦点をあてて放送しています。約2時間の番組枠で良くまとまっている選曲には毎週、勉強になっています。

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協奏曲の魅力(4)

協奏曲の魅力(4)

鎌倉幕府の開闢は1192年と答えて、◯をもらうか、△をもらって注釈されるか。教科書が改められるのはやがてでしょうから、これから日本史を学ぶ子どもたちは1185年の開闢だと覚えていくことになる。
音楽の授業では、古楽器演奏やバロック音楽時代の研究が活発で音楽学校ではもはやシビヤなところだろう。

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