女子ジャズ。それが流行っています。クラシック音楽にも同じく求められれば、きょうびの女の子には受けるだろう。
テレビのドキュメンタリーやサスペンス・ドラマ、ラヴ・ロマンスで男女の嘆かわしさを演出して使われている深々としたチェロのクラシカルな曲。
10年ぐらい前のドラマだったらフォーレが良く使われていました。テレビ・アニメ「氷菓」で良く使われているのがフォーレ。ちょっぴりおセンチで、やさぐれた感じで温かく頼もしい気がして女性向けのドラマではモテモテ急上昇が「エルガーのチェロ協奏曲」だ。威風堂々はモチベーションを高めてくれるクラシック音楽として男性たちに評判が良い。
琴瑟相和す。愛妻のソロを労るように魅力を引き立てている。
エニグマは「謎」の変奏曲と表記されていた方がミステリック。エニグマは第二次世界大戦中にドイツ軍が使っていた暗号通信システム。
イギリス軍がUボートから解読器を奪取する映画が直ぐに思い浮かぶ。
ドイツ軍が戦時中に使っていた通信は、その日時で暗号化のプロトコルが変動するもので謂わばネットバンクのワンタイムパスワードのようなものか。
クラシックではバッハの名前を音階に変えて変奏曲にするというのがある。シューマンはクララへのメッセージとして曲の中にクララの文字を埋め込んでいる。
エルガーは愛妻や、親しい友達の名前を織り込んで自分の人生を変奏曲に織りなした。1970年のダニエル・バレンボイムと愛妻ジャクリーヌのライヴ録音は、本当は後日セッション録音されるつもりだったのでは無いだろうか。
このような録音が今頃になって出てきたというのは、不思議なくらいだ。
《チェロ協奏曲》は1970年のライヴですが、《エニグマ》は76年のスタジオ録音で、オーケストラはロンドン交響楽団です。バレンボイムはジャクリーヌの筋力低下を少しでも楽に使用と軽いチェロを贈った。バルビローリとの録音との味わいの違いはそこにもあるだろう。日本で初めて発売されたレコードには『このような録音が今頃になって出てきたというのは、不思議なくらいだ。もっと早く出してくれたらと感じた。』とある。デュ・プレのチェロは実に太く逞しく、男性的なところがある。ときにその荒さが耳につくこともあるが、ここでは技術的な破綻はほとんどなく、美しい冴えた音色で聴き手を魅了する。ひき込んだ強みだろう。
ナマの演奏会なので非常に緊張しているのだが、それでいて全体に余裕があり、自ら楽しみながらひいている姿がうかがわれ、強く胸を打たれる。素晴らしい演奏だけど総じてはセカンド・チョイスに廻ってしまう。あまりにも愛妻をおもんばかってバレンボイムのグイグイとした音楽の運びが後退している。
先日の英国オリンピックの開幕セレモニーでオリンピック旗をは後部退任にイスラエル代表としてバレンボイムが登場したが、おぼつかず導かれるままに歩みを進めているように見えてこのレコードの音楽と重なってしまう。(2012年8月11日にブログ)
(マスターワークス・ラベル、1stラベル)
演奏と録音70年のライヴ録音ですが初出は76年。それにしても裏面の解説が「エニグマ」のことばかりというのは少しばかりおかしすぎやしませんか。この解説はデュ・プレのチェロについて述べるべきで聴衆も期待しているのはそれでしょう。私の感じだとデュ・プレは前回の録音よりも深みを増し且つ品位のある演奏家になっています。指揮者にバルビローリのような人がいたらもっと感動的な演奏になっていたのでしょうが言外にバレンボイムを批判していますね録音は70年のライヴとしては優れたものでチェロの音色もしみじみとした良い音。コンサート会場のノイズ咳払い等も少なく私達は2種類のチェロ協奏曲の録音を持てたことを喜ぶべきでしょう。
コンディション盤は1楽章の冒頭8回のプチ音とあと数回のプチ音がありますが2楽章、3楽章はノイズ少なく大変良い状態で鑑賞できます。ジャケットは正面コーティング、ペラ・ジャケ。特に問題無く綺麗な状態です。なおオーストラリア・プレスですが英国スタンパーを使用したことにより米盤よりは気品のある音に仕上がっています。
通常価格 | 4,500 円 | レコード盤状態 | NM- |
今回価格(税別) | 2,500 円 | ジャケット状態 | NM- |
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