無料コンサート 上半期は、クライスラーのベートーヴェン、ソナタ全曲鑑賞会

kleisler昭和10年、4巻に分けた豪華なアルバムで発売されたクライスラーの演奏は、史上初になったベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲録音でした。
上半期は5回シリーズで全10曲を順番に鑑賞しましょう。一人の演奏家の全集を集中的に聴く良い機会にしてください。5月19日は、第1番と第2番を楽しみます。
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタがレコード録音された最初は、1917〜18年頃。この時代はレコード録音自体が貴重でしたので、片面、あるいは一枚両面で楽しめるように曲は短縮化されていました。次第に技術の進化で改善、ベートーヴェンの意図通りに演奏がレコード演奏で発売されるようになっていく。それでも全10曲あるヴァイオリン・ソナタの中でも、有名な第5番《春》と第9番《クロイツェル》の2曲に焦点は当てられ、全楽章の完全なレコード録音はこの2曲がほとんどでした。ハイフェッツ、ティボー、ゴールドベルク、クーレンカンプ、ブッシュ、メニューインと言った名手たちの録音がSPレコード時代に登場。クラシック音楽のレコード鑑賞をする主流は、ヴァイオリン音楽黄金時代となって行きました。

フリッツ・クライスラーとフランツ・ルップの名コンビは、1935年4月と翌年の二回のセッションで第1番から第10番までを、それぞれ一日、あるいは長くて三日間を費やしながら順番に録音。レコード史上初のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集録音という偉業が達成されます。発売は翌年、SP盤27枚は豪華な装丁のアルバムとして4巻分札で発売。LPレコード時代の全集は4枚、CDでは3枚組ですが全10曲を集中的にレコーディングされたものは、ベートーヴェンの音楽が徹頭徹尾ゆるぎのない音楽性豊かなものであることを感じさせます。クライスラーの史上初の全集盤は、やがて80年経過するわけですが、今持って誇らしい存在は輝きを曇らせていません。

SPレコードは片面4分弱の再生時間が最長ですから、二面、三面分が必要な楽章もあります。現在、CDで聴くことが出来るオリジナルはLPレコード時代に解決されたことですが、CDとSPレコードでの違いを見つける機会でもあります。そこに注意しながら、半年間のシリーズとして全10曲を鑑賞し記録していきます。

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