歌劇《椿姫》ハイライト 第一幕から 心に思い描いていた夢の人

幸せなある日、天使のように(ワルツと二重唱) – Un di, felice, eterea 2:53

みんなが別室に移動して最後にヴィオレッタがついて行こうとした所で、彼女はめまいがして椅子に座り込む。そこにアルフレードが声をかけます。
『こんな生活をしていてはいけません。一年前からあなたを好きです。』
『そのお気持ちだけいただきます。本気にならないでください。』とヴィオレッタは返事します。

ALFREDO
Ah sì, da un anno.
Un dì, felice, eterea,
Mi balenaste innante,
E da quel dì tremante
Vissi d’ignoto amor.
Di quell’amor ch’è palpito
Dell’universo intero,
Misterioso, altero,
Croce e delizia al cor.

ええ 一年前からです。
ある日、幸せに満ちたように、私の前に稲光のごとく現れたのです。
あの日以来私は震えながら、未知の愛に生きてきたのです。
その愛はときめき、全宇宙の鼓動、神秘的にして気高く、心に苦しみと喜びをもたらす。

VIOLETTA
Ah, se ciò è ver, fuggitemi
Solo amistade io v’offro:
Amar non so, né soffro
Un così eroico amor.
Io sono franca, ingenua;
Altra cercar dovete;
Non arduo troverete
Dimenticarmi allor.

それならば私を避けてください。
貴方には友情のみを差し上げます。
私は愛を知りませんし、そのような尊い愛を受けることは出来ません。
正直に申し上げます。
他の人をお探しください。
そうすれば、私を忘れることは
難しくはないでしょう。

GRETA GARBO É A ESTRELA DO PRÓXIMO CINE ARTE

不思議だわ!-ああ、そはかの人か – 花から花へ(シェーナとアリア) – E strano! – Ah, fors’ e lui – Follie! Follie! – Sempre libera 6:51

アルフレードと再会の約束に、椿の花を手渡すヴィオレッタ。一人残り、物想いにふける。
「不思議だわ」と純情な青年の求愛に心ときめかせている自分の心境をいぶかる。そして、彼こそ今まで待ち望んできた真実の恋の相手ではないかと考える(「ああ、そは彼の人か」)。
しかし、現実に引き戻された彼女は「そんな馬鹿なことをいってはいけない。自分は今の生活から抜け出せる訳が無い。享楽的な人生を楽しむのよ」と自分に言い聞かせる。(「花から花へ」)
彼女の中でアルフレードとの恋愛を肯定するもう一人の自分との葛藤に、千々に乱れる心を表す、コロラトゥーラ唱法を駆使した華やかな曲で第一幕は幕切れとなる。

VIOLETTA
È strano! è strano! in core
Scolpiti ho quegli accenti!
Sarìa per me sventura un serio amore?
Che risolvi, o turbata anima mia?
Null’uomo ancora t’accendeva O gioia
Ch’io non conobbi, essere amata amando!
E sdegnarla poss’io
Per l’aride follie del viver mio?Ah, fors’è lui che l’anima
Solinga ne’ tumulti
Godea sovente pingere
De’ suoi colori occulti!
Lui che modesto e vigile
All’egre soglie ascese,
E nuova febbre accese,
Destandomi all’amor.
A quell’amor ch’è palpito
Dell’universo intero,
Misterioso, altero,
Croce e delizia al cor.
A me fanciulla, un candido
E trepido desire
Questi effigiò dolcissimo
Signor dell’avvenire,
Quando ne’ cieli il raggio
Di sua beltà vedea,
E tutta me pascea
Di quel divino error.
Sentìa che amore è palpito
Dell’universo intero,
Misterioso, altero,
Croce e delizia al cor!Follie! follie delirio vano è questo!
Povera donna, sola
Abbandonata in questo
Popoloso deserto
Che appellano Parigi,
Che spero or più?
Che far degg’io!
Gioire,
Di voluttà nei vortici perire.
Sempre libera degg’io
Folleggiar di gioia in gioia,
Vo’ che scorra il viver mio
Pei sentieri del piacer,
Nasca il giorno, o il giorno muoia,
Sempre lieta ne’ ritrovi
A diletti sempre nuovi
Dee volare il mio pensier.

おかしいわ!不思議ね!心の中に彼の言葉が刻まれている!
真実の愛は、私には不幸なのかしら?
私の乱された心よ、どうすればいいの?
今まで心を燃え上がらせる方などいなかった。
今まで知らなかった喜びだわ、愛し合うことなんて!
私はそれを退けることが出来るかしら?
不毛で愚かな私の生き方のために。

ああ、きっと彼だったのよ、喧騒の中でも孤独な私の魂が、神秘的な絵の具で思い描いていたのは!
彼は慎み深い態度で病める私を見舞ってくれて、新たな情熱を燃やし、私を愛に目覚めさせたんだわ。
その愛はときめき、全宇宙の鼓動、神秘的にして気高く、心に苦しみと喜びをもたらす。
無垢な娘だった私に、不安な望みを描いてくれたの、とても優しい将来のご主人様は。
空にこの人の美しさが放つ光を見たとき、私の全てはあの神聖な過ちでいっぱいでした。
私は感じていたのです、愛こそが全宇宙の鼓動であり、神秘的にして気高く、心に苦しみと喜びをもたらすと!

馬鹿な考え!これは虚しい夢なのよ!
哀れな女、ただ一人見捨てられた女、人々がパリと呼ぶ、人の砂漠の中に。
今更何を望めばいいの?
何をすればいいの?
楽しむのよ、喜びの渦の中で消えていくのよ。
私はいつも自由に、快楽から快楽へと遊べばいいの、
私が人生に望むのは、快楽の道を歩み行くこと、夜明けも日暮れも関係ない、華やかな場所で楽しくして、いつも快楽を求め、私の思いは飛び行かなければならないの。

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