Maria Callas – Puccini : TOSCA HIGHLIGHTS – EMI ASD-2300

テバルディも良いけど、《トスカ》はカラスがとどめを刺す。プッチーニを聽くのか、トスカのドキュメンタリーを見るのか。プッチーニのオペラはヴェルディとは又違って、音楽はもちろん美しいけど、血を吐くようなどぎつさを内包しているね。ASD2300Georges Prêtre / Carlo Bergonzi / Tito Gobbi (1964)

レーベル:
EMI
レコード番号:
ASD-2300
曲目:
トスカ・ハイライト
作曲家
プッチーニ
指揮:
ジョルジュ・プレートル
管弦楽:
パリ音楽院管弦楽団、マリア・カラス(s)、カルロ・ベルゴンツィ(t)、ティト・ゴッビ(Br)
録音種別
STEREO
録音年
1964
枚数
1 LP

燃え(たぎ)ったラテンの血

燃え(たぎ)っているのである。テバルディの冷笑を湛えたような敵討ちとは違った、煮え滾った感情を抑えきれないカラスの胸の内が歌唱となっていて両者のレパートリーが交差する《トスカ》を味わえることで、オペラを楽しむ幅を持てた。
テバルディもいいけど、トスカはカラスがとどめを刺す。プッチーニを聴くのか、トスカのドキュメンタリーを見るのか。音楽を見るというのも可笑しなものだけど、オペラはドラマだと、言い切れるなら作曲家の音楽よりもこのカラスの歌唱ほど、トスカになりきっている録音はないでしょう。これが映像化されていれば、数あるオペラ映画は霞んでしまっているはずです。ステレオで録音されたカラスの数少ないレコーディング中で、これ以上に望めない。
蝶々夫人にしても、スキャンダラスなお話です。プッチーニのオペラはヴェルディとは又違って、音楽はもちろん美しいけど、血を吐くようなどぎつさを内包しているね。時代はヴェリズモ・オペラが時流であったのだから、舞台こそ大昔だけど事件現場を目撃している心持ちになる。

狂気というものが与える人事を超えたドラマに触れ、血が逆流するかのようなスリルを味わうために(かたき)側のスカルピアを歌うティト・ゴッビも素晴らしい気迫でオペラを引き締めており、トスカの断末魔、絶唱というよりもカラスの呪いを吐き捨てるような「スカルピア」が強烈に感じることが出来る。なぜ最後に殺された恋人の名前でなく、恋人を殺した男の名前だったのか。「カヴァラドッシ」ではロマンティック・オペラの逆戻りしそうな美しい音楽で、とここに思いが至る平常心に戻った所でプッチーニの本質を聴いていたことに気付かされるわけだ。このスカルピアの存在感が凄ければ凄いほどに、トスカの牙は狂気する。


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